日本陸連は7月12日、パリ五輪の男子4×100mリレーの練習を公開した。
今回参加したのは100mで代表入りした坂井隆一郎(大阪ガス)、東田旺洋(関彰商事)、200m代表の鵜澤飛羽(筑波大)、上山紘輝(住友電工)、飯塚翔太(ミズノ)、リレー代表の栁田大輝(東洋大)、桐生祥秀(日本生命)が参加。サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は海外で調整のため不参加だったが、パリ五輪に向けてコミュニケーションを図った。
この日は区間ごとのバトンパス練習で、タイムも計測。「つながるまでやるぞ!」など明るく声が飛ぶなど、いい雰囲気の中で行われた。
桐生、栁田のバトンパス(30m)のタイムは3秒69を叩き出すと、スタッフ陣からも感嘆の声が漏れた。その他もいくつかのパターンを試すと、どの選手間でも好タイムをマーク。チーム全体の質の高さを感じさせ、メンバーが変わりつつも、さすがの『伝統』の力を見せた。
3大会連続代表の桐生は、「バトンは昨日と今日やってみて、タイムも流れも良かった。緊張感もありました」と好感触。ベテランとなってきたものの、「もう仲も良いですが、これから1ヵ月はこのメンバーで動きので、自然と仲良くなっていくと思います」と笑う。
これまで不動の3走として日本のリレーを支え、五輪、世界選手権など、メダル獲得のメンバーに必ず桐生の名があった。そして、3年前の東京五輪での途中棄権のメンバーでもある。
「リレーでメダルを取るとどう人生が変わるか、どんなことが起こるかもわかっています。東京で悔しい思いをしたメンバーは(この中で)僕だけが残って立てた。そういった流れ(経験)をつなげていきたい」
このあとに控えるダイヤモンドリーグ・ロンドンでも3走を務める予定。「(本番で)しっかりメンバーに選ばれるように、ここから感覚を研ぎ澄ませていきたい」と気を引き締め、「もう一回メダルを取りたい」と力強く語った。
100mで日本選手権を制した坂井は、桐生との初代表で「テレビで見ていた人。一緒にバトンをつなげるようになれるなんて思ってもいなかったです。親しみやすくてワイワイしています」と目を輝かせる。
日本選手権の優勝で、土壇場でワールドランキングで出場枠内へ。発表まで「夜も寝られなかった」と言い、ランキングの確定の瞬間は夫人と喜びを分かち合ったという。それがなければ、選考基準を満たしておらずリレーでの代表入りはなかった。
「個人で9秒台と決勝、リレーで金メダルを目指したい」と強い決意をにじませた。
一方、日本選手権で3位となり、個人での代表を逃した栁田は、「すぐに切り替えられました」。桐生とのバトンパスは「初めての組み合わせでしたが、2本しっかり渡せて良かったです。桐生さんはバトンの経験値が違う。心強いです」と手応えをつかみ、「あとは僕の状態を上げていくだけ」と話す。
栁田は「2走は僕の区間だと自信を持って臨みたい」と、エース区間を担う構えだ。
土江寛裕T&Fディレクターは、「(走順の)バリエーションがすごく多い。金メダルを狙えるメンバーにできる」と期待。ダイヤモンドリーグ・ロンドンについて「坂井、栁田、桐生までは決まっています」と明言した。
英国のあとはフランス入りしてセルジーで事前合宿。本場ではサニブラウンがどの区間に起用されるかにも注目が集まる。悲願の金メダルのためには「37秒40」をターゲットに、ここからチーム力を高めていく。
パリ五輪の陸上競技は8月1日から8月11日まで行われる。
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