HOME 国内、日本代表

2026.06.12

やり投・北口榛花「噛み合えばもっと飛ぶ」2年ぶり笑顔のVでアジア大会内定/日本選手権
やり投・北口榛花「噛み合えばもっと飛ぶ」2年ぶり笑顔のVでアジア大会内定/日本選手権

女子やり投・北口榛花(26年日本選手権)

◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)1日目

名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が62m86のシーズンベストを投げて2年ぶり5度目の優勝を飾った。名古屋アジア大会派遣設定記録(60m25)もクリアしており、初のアジア大会代表に内定した。

広告の下にコンテンツが続きます

北口に笑顔が戻った。4投目までは59m21(2投目)にとどまっていたが、「そろりと投げて59m。この感じで59mなら、絶対にもっと投げられるという自信がありました」。

助走で「止まらないように」意識したり「ひねりを出したり」して試行錯誤した5投目。「考えないといけないことを減らして、ようやく試合の感じで投げられた」。やや勢いあまってラインを踏みそうになったが踏ん張ると、高いやりが60mラインを超えて歓声が起こった。

昨年6月に右肘を痛めて以降、復帰してから最高となる62m86。久しぶりに身体全体で飛び跳ねて喜びを表現した。

男子世界記録保持者のヤン・ゼレズニー・コーチ(チェコ)はダイヤモンドリーグ・厦門大会で欧州へ戻った。そこからは遠隔でアドバイスをもらいながら技術と向き合った。特にラストステップからブロックに入る「右、左を速く着くこと。ヤンの右・左は誰もが目指すものだとみんなが言っているので、それを授けてくれようとしてくれている」。

この日も動画を送りながらオンラインでコーチから指示が飛んだが、それをサポートしたのがチームメイトで110mハードル日本記録保持者の村竹ラシッドだった。「英語がわかって、しっかり声が通って、的確に伝えてくれました。(コーチ席に)行く度に新鮮でリラックスできました」と笑う。

もちろん、記録的には「喜べないし、64mくらいは目指していたので物足りないです。噛み合えばもっと飛ぶ」と満足はしていない。今回は同一試合で4人が60mオーバーという史上初のハイレベルな試合に。「ケガをしてからも『戻りたい』『また頑張ろう』と思えたのは高い水準を維持してくれたから」と活況を歓迎した。

この愛知・瑞穂は、「ひつまぶししか覚えていない」と笑うが、高1の日本ユース選手権で全国大会初めてのトップ3入りで、当時掛け持ちだった競泳を辞めるきっかけになった場所。さらに、高3の日本ジュニア選手権では今も残る58m90の高校記録を樹立し、16年の日本選手権で初メダル(3位)を取った縁のある場所だ。

これで、同じ会場でのアジア大会代表に内定。71m74を投げた中国の18歳・嚴子怡らの出場も見込まれるが「何度も試合をしていますし、ああいう選手が出たからこそ、私も含めて世界の選手が頑張らないといけないという気持ちになった。ちゃんと戦いたい」。今後は欧州へ渡り、ダイヤモンドリーグを転戦して世界アルティメット選手権(ブダペスト)を経てアジア大会へ。

誰もが待ち望んでいた女王の帰還。完全復活はまだまだ先でも、新たな歴史の一歩として十分な名古屋でつかんだ2年ぶりの日本一だった。

◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)1日目 名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が62m86のシーズンベストを投げて2年ぶり5度目の優勝を飾った。名古屋アジア大会派遣設定記録(60m25)もクリアしており、初のアジア大会代表に内定した。 北口に笑顔が戻った。4投目までは59m21(2投目)にとどまっていたが、「そろりと投げて59m。この感じで59mなら、絶対にもっと投げられるという自信がありました」。 助走で「止まらないように」意識したり「ひねりを出したり」して試行錯誤した5投目。「考えないといけないことを減らして、ようやく試合の感じで投げられた」。やや勢いあまってラインを踏みそうになったが踏ん張ると、高いやりが60mラインを超えて歓声が起こった。 昨年6月に右肘を痛めて以降、復帰してから最高となる62m86。久しぶりに身体全体で飛び跳ねて喜びを表現した。 男子世界記録保持者のヤン・ゼレズニー・コーチ(チェコ)はダイヤモンドリーグ・厦門大会で欧州へ戻った。そこからは遠隔でアドバイスをもらいながら技術と向き合った。特にラストステップからブロックに入る「右、左を速く着くこと。ヤンの右・左は誰もが目指すものだとみんなが言っているので、それを授けてくれようとしてくれている」。 この日も動画を送りながらオンラインでコーチから指示が飛んだが、それをサポートしたのがチームメイトで110mハードル日本記録保持者の村竹ラシッドだった。「英語がわかって、しっかり声が通って、的確に伝えてくれました。(コーチ席に)行く度に新鮮でリラックスできました」と笑う。 もちろん、記録的には「喜べないし、64mくらいは目指していたので物足りないです。噛み合えばもっと飛ぶ」と満足はしていない。今回は同一試合で4人が60mオーバーという史上初のハイレベルな試合に。「ケガをしてからも『戻りたい』『また頑張ろう』と思えたのは高い水準を維持してくれたから」と活況を歓迎した。 この愛知・瑞穂は、「ひつまぶししか覚えていない」と笑うが、高1の日本ユース選手権で全国大会初めてのトップ3入りで、当時掛け持ちだった競泳を辞めるきっかけになった場所。さらに、高3の日本ジュニア選手権では今も残る58m90の高校記録を樹立し、16年の日本選手権で初メダル(3位)を取った縁のある場所だ。 これで、同じ会場でのアジア大会代表に内定。71m74を投げた中国の18歳・嚴子怡らの出場も見込まれるが「何度も試合をしていますし、ああいう選手が出たからこそ、私も含めて世界の選手が頑張らないといけないという気持ちになった。ちゃんと戦いたい」。今後は欧州へ渡り、ダイヤモンドリーグを転戦して世界アルティメット選手権(ブダペスト)を経てアジア大会へ。 誰もが待ち望んでいた女王の帰還。完全復活はまだまだ先でも、新たな歴史の一歩として十分な名古屋でつかんだ2年ぶりの日本一だった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.09.20

第5回NAGASEカップが台風25号の影響で初日9月21日中止 最終日は実施の方向

日本パラ陸連と東京陸協は9月19日、東京・国立競技場(MUFGスタジアム)で開催を予定していた第5回NAGASEカップについて、台風25号の影響で9月21日の大会初日を中止にすると発表した。 大会は「誰もが参加できるイン […]

NEWS 5kmの早大勢・鈴木琉胤は28位、増子陽太は40位 女子は水本佳菜の24位が最高/世界ロードランニング選手権

2026.09.19

5kmの早大勢・鈴木琉胤は28位、増子陽太は40位 女子は水本佳菜の24位が最高/世界ロードランニング選手権

◇世界ロードランニング選手権(9月19~20日/デンマーク・コペンハーゲン)1日目 世界ロードランニング選手権の1日目に5kmが行われ、男子は早大勢の鈴木琉胤が13分38秒で28位、増子陽太が13分50秒で40位だった。 […]

NEWS 田中友梨と赤松諒一が開会式で選手宣誓の大役! 「栄光と名誉のために参加することを約束」/名古屋アジア大会

2026.09.19

田中友梨と赤松諒一が開会式で選手宣誓の大役! 「栄光と名誉のために参加することを約束」/名古屋アジア大会

◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム) 名古屋アジア大会の開会式が9月19日、名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われ、開幕を迎えた。 広告の下にコンテンツが続きます 日本 […]

NEWS 初出場の北口榛花「元気に全力で」最年少・後藤大樹は「最高な状態」各選手意気込み/名古屋アジア大会

2026.09.19

初出場の北口榛花「元気に全力で」最年少・後藤大樹は「最高な状態」各選手意気込み/名古屋アジア大会

日本オリンピック委員会(JOC)のTEAM JAPAN広報は9月19日、名古屋アジア大会に向けての日本代表選手たちのコメントを発表した。 陸上競技は男子45名、女子41名が内定(※辞退を含む)。これは過去最大の派遣数とな […]

NEWS 男子1マイル・本田桜二郎が3分57秒50で16位 中野倫希も自己新/世界ロードランニング選手権

2026.09.19

男子1マイル・本田桜二郎が3分57秒50で16位 中野倫希も自己新/世界ロードランニング選手権

◇世界ロードランニング選手権(9月19~20日/デンマーク・コペンハーゲン)1日目 世界ロードランニング選手権の1日目に1マイルが行われ、男子は本田桜二郎(早大)が3分57秒50で16位、中野倫希(トーエネック)は4分0 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年10月号 (9月14日発売)

2026年10月号 (9月14日発売)

アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集

page top