アンタルヤ世界競歩チーム選手権の日本代表が4月23日に帰国し、パリ五輪の出場権を獲得した男女混合競歩リレーの代表選手が取材に応じた。
男女混合競歩リレーはパリ五輪で初実施される種目で、男女1名をペアとし、男子(11.195km)・女子(10km)・男子(11km)・女子(10km)の順に42.195kmを歩き、リストバンドで中継。今大会がパリ五輪出場枠の選考レースだった。
日本から3チームが出場。池田向希(旭化成)・岡田久美子(富士通)のコンビが2時間57分04秒で銀メダルを獲得して1枠をゲットした。加えて、各国2チーム目の上位5ヵ国に入れば2チーム目の出場が決まり、日本は髙橋和生(ADワークスグループ)・渕瀬真寿美(建装工業)が17位(2チーム名順位5位)に入って、日本は2枠を獲得した。
「日本チームとして最大2枠を目標にしていたので、それをクリアできて良かったです」と池田。岡田も「2チームでパリ五輪の出場権を獲得できて良かった」と笑顔を見せる。
レースのポイントとなったのは、歩いていない時間。リカバリーでは「日本に比べて暑かったので、まず深部体温を冷やすこと」と、「できるだけ身体を動かしながら回復する」(池田)ことを意識したという。
岡田は「1本目を終えて血糖値がどんどん下がるので、リカバリー中のエネルギー補給で血糖値をしっかり上げました」と言い、日本陸連科学委員会とも連携しながらコンディションを整えた。
レース前、池田が「トップで渡します」と力強く話し、岡田は「粘ります」と応えてスタートしたという。1区、そして3区と池田は宣言通りトップで中継。「世界大会で一番で歩いたことがなかったのでドキドキ、ワクワクしながら歩きました」という岡田は、「大きく崩れることなく歩けました」と自信を得た。
世界トップウォーカーの力を示した池田だが、3区間目に2回の歩型違反。同種目では2人で3回の歩型違反が出ると3分のペナルティーゾーンが課されるため、「岡田さんにまとめていただいた」と頭を下げるも、「駅伝と同じで流れがすごく大事。池田君が1位で持ってきてくれたから元気をもらいました」と称え合った。
日本チーム2番手でフィニッシュした髙橋は「3区間目で少しずつ前との差も縮められましたし、トータルとしてまずまずの歩きができました」と充実感を漂わせる。20km競歩に出場予定から急きょリレーに出場した渕瀬はベテランらしく冷静に対応し「(審判の)ジャッジによってレース展開が変わるなと感じました。警告も1回ずつ。しっかり代表の枠を取るのが目標だったので良かった」と胸をなで下ろした。
日本陸連の今村文男・競歩シニアディレクターは「出場権を2枠取れたことは良かった」と言い、「ペアを組むのが難しかった。男子は技術力、女子は競技力という組み合わせを考えました」と明かす。
池田・岡田のペアについては「序盤よりも後半区間のペースアップを描いてスタートしてくれました。特に岡田選手はオーバーペースにならず、さすがの経験を見せてくれたと思います」と評価した。
男女混合競歩リレーの代表について、まだ世界陸連から細かなレギュレーションが発表されていない状況。20km競歩で代表入りしている池田は出場への意欲は持ちつつも「20kmのあとどれだけ回復できるか。男子は層も厚いのでフレッシュなメンバーがいる心強さもあるので頼れる部分もあると思います」と話す。
今村シニアディレクターも「20kmとは別のメンバーのほうがメダル、入賞に近いとは思う」としつつ、今後決定されるレギュレーションなどを元に、20km代表の意思も確認しながら代表を選定していくとした。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.22
学法石川が高校最高記録 長野東史上4校目の連覇 区間新は3つ 雨中でも高速レース/全国高校駅伝
◇全国高校駅伝(12月21日/京都・たけびしスタジアム京都発着 男子7区間42.195km、女子5区間21.0975km) 全国高校駅伝が行われ、第76回大会の男子は学法石川(福島)が高校最高記録、大会新記録となる2時間 […]
2025.12.22
長野東またも圧巻レース 経験者残しつつオーダー変更「今年のチームで優勝しよう」で2連覇/全国高校駅伝・女子
◇全国高校駅伝・女子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:5区間21.0975km) 全国高校駅伝の女子が行われ、長野東が大会歴代・高校歴代2位となる1時間6分30秒で2年連続3度目の優勝を果たした。 […]
2025.12.22
学法石川 エースの快走から首位譲らず歓喜の初V 選手を尊重した取り組みで高校最高記録樹立/全国高校駅伝・男子
◇全国高校駅伝・男子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km) 全国高校駅伝の男子が行われ、学法石川(福島)が2時間0分36秒の高校最高記録で初優勝を飾った。 学法石川があいにくの雨 […]
2025.12.21
飯塚翔太が「世界新」東京世界陸上を沸かせた代表選手たちがTBS『スポ男』で身体能力を披露
TBSの『最強スポーツ男子頂上決戦2025冬』が12月21日に放送され、東京世界選手権代表選手が多数出場して番組を盛り上げた。 ビーチフラッグスやモンスターボックス(跳び箱)など、身体能力を生かすさまざまな種目で、運動神 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳