HOME 国内、日本代表

2024.04.23

パリ五輪切符つかんだ男女混合競歩リレー 銀メダルの池田向希、岡田久美子ペア「最大2枠をクリアできて良かった」
パリ五輪切符つかんだ男女混合競歩リレー 銀メダルの池田向希、岡田久美子ペア「最大2枠をクリアできて良かった」

トルコ・アンタルヤから帰国した日本代表の池田、岡田、髙橋、渕瀬

アンタルヤ世界競歩チーム選手権の日本代表が4月23日に帰国し、パリ五輪の出場権を獲得した男女混合競歩リレーの代表選手が取材に応じた。

男女混合競歩リレーはパリ五輪で初実施される種目で、男女1名をペアとし、男子(11.195km)・女子(10km)・男子(11km)・女子(10km)の順に42.195kmを歩き、リストバンドで中継。今大会がパリ五輪出場枠の選考レースだった。

広告の下にコンテンツが続きます

日本から3チームが出場。池田向希(旭化成)・岡田久美子(富士通)のコンビが2時間57分04秒で銀メダルを獲得して1枠をゲットした。加えて、各国2チーム目の上位5ヵ国に入れば2チーム目の出場が決まり、日本は髙橋和生(ADワークスグループ)・渕瀬真寿美(建装工業)が17位(2チーム名順位5位)に入って、日本は2枠を獲得した。

「日本チームとして最大2枠を目標にしていたので、それをクリアできて良かったです」と池田。岡田も「2チームでパリ五輪の出場権を獲得できて良かった」と笑顔を見せる。

レースのポイントとなったのは、歩いていない時間。リカバリーでは「日本に比べて暑かったので、まず深部体温を冷やすこと」と、「できるだけ身体を動かしながら回復する」(池田)ことを意識したという。

岡田は「1本目を終えて血糖値がどんどん下がるので、リカバリー中のエネルギー補給で血糖値をしっかり上げました」と言い、日本陸連科学委員会とも連携しながらコンディションを整えた。

広告の下にコンテンツが続きます

レース前、池田が「トップで渡します」と力強く話し、岡田は「粘ります」と応えてスタートしたという。1区、そして3区と池田は宣言通りトップで中継。「世界大会で一番で歩いたことがなかったのでドキドキ、ワクワクしながら歩きました」という岡田は、「大きく崩れることなく歩けました」と自信を得た。

世界トップウォーカーの力を示した池田だが、3区間目に2回の歩型違反。同種目では2人で3回の歩型違反が出ると3分のペナルティーゾーンが課されるため、「岡田さんにまとめていただいた」と頭を下げるも、「駅伝と同じで流れがすごく大事。池田君が1位で持ってきてくれたから元気をもらいました」と称え合った。

日本チーム2番手でフィニッシュした髙橋は「3区間目で少しずつ前との差も縮められましたし、トータルとしてまずまずの歩きができました」と充実感を漂わせる。20km競歩に出場予定から急きょリレーに出場した渕瀬はベテランらしく冷静に対応し「(審判の)ジャッジによってレース展開が変わるなと感じました。警告も1回ずつ。しっかり代表の枠を取るのが目標だったので良かった」と胸をなで下ろした。

日本陸連の今村文男・競歩シニアディレクターは「出場権を2枠取れたことは良かった」と言い、「ペアを組むのが難しかった。男子は技術力、女子は競技力という組み合わせを考えました」と明かす。

池田・岡田のペアについては「序盤よりも後半区間のペースアップを描いてスタートしてくれました。特に岡田選手はオーバーペースにならず、さすがの経験を見せてくれたと思います」と評価した。

男女混合競歩リレーの代表について、まだ世界陸連から細かなレギュレーションが発表されていない状況。20km競歩で代表入りしている池田は出場への意欲は持ちつつも「20kmのあとどれだけ回復できるか。男子は層も厚いのでフレッシュなメンバーがいる心強さもあるので頼れる部分もあると思います」と話す。

今村シニアディレクターも「20kmとは別のメンバーのほうがメダル、入賞に近いとは思う」としつつ、今後決定されるレギュレーションなどを元に、20km代表の意思も確認しながら代表を選定していくとした。

アンタルヤ世界競歩チーム選手権の日本代表が4月23日に帰国し、パリ五輪の出場権を獲得した男女混合競歩リレーの代表選手が取材に応じた。 男女混合競歩リレーはパリ五輪で初実施される種目で、男女1名をペアとし、男子(11.195km)・女子(10km)・男子(11km)・女子(10km)の順に42.195kmを歩き、リストバンドで中継。今大会がパリ五輪出場枠の選考レースだった。 日本から3チームが出場。池田向希(旭化成)・岡田久美子(富士通)のコンビが2時間57分04秒で銀メダルを獲得して1枠をゲットした。加えて、各国2チーム目の上位5ヵ国に入れば2チーム目の出場が決まり、日本は髙橋和生(ADワークスグループ)・渕瀬真寿美(建装工業)が17位(2チーム名順位5位)に入って、日本は2枠を獲得した。 「日本チームとして最大2枠を目標にしていたので、それをクリアできて良かったです」と池田。岡田も「2チームでパリ五輪の出場権を獲得できて良かった」と笑顔を見せる。 レースのポイントとなったのは、歩いていない時間。リカバリーでは「日本に比べて暑かったので、まず深部体温を冷やすこと」と、「できるだけ身体を動かしながら回復する」(池田)ことを意識したという。 岡田は「1本目を終えて血糖値がどんどん下がるので、リカバリー中のエネルギー補給で血糖値をしっかり上げました」と言い、日本陸連科学委員会とも連携しながらコンディションを整えた。 レース前、池田が「トップで渡します」と力強く話し、岡田は「粘ります」と応えてスタートしたという。1区、そして3区と池田は宣言通りトップで中継。「世界大会で一番で歩いたことがなかったのでドキドキ、ワクワクしながら歩きました」という岡田は、「大きく崩れることなく歩けました」と自信を得た。 世界トップウォーカーの力を示した池田だが、3区間目に2回の歩型違反。同種目では2人で3回の歩型違反が出ると3分のペナルティーゾーンが課されるため、「岡田さんにまとめていただいた」と頭を下げるも、「駅伝と同じで流れがすごく大事。池田君が1位で持ってきてくれたから元気をもらいました」と称え合った。 日本チーム2番手でフィニッシュした髙橋は「3区間目で少しずつ前との差も縮められましたし、トータルとしてまずまずの歩きができました」と充実感を漂わせる。20km競歩に出場予定から急きょリレーに出場した渕瀬はベテランらしく冷静に対応し「(審判の)ジャッジによってレース展開が変わるなと感じました。警告も1回ずつ。しっかり代表の枠を取るのが目標だったので良かった」と胸をなで下ろした。 日本陸連の今村文男・競歩シニアディレクターは「出場権を2枠取れたことは良かった」と言い、「ペアを組むのが難しかった。男子は技術力、女子は競技力という組み合わせを考えました」と明かす。 池田・岡田のペアについては「序盤よりも後半区間のペースアップを描いてスタートしてくれました。特に岡田選手はオーバーペースにならず、さすがの経験を見せてくれたと思います」と評価した。 男女混合競歩リレーの代表について、まだ世界陸連から細かなレギュレーションが発表されていない状況。20km競歩で代表入りしている池田は出場への意欲は持ちつつも「20kmのあとどれだけ回復できるか。男子は層も厚いのでフレッシュなメンバーがいる心強さもあるので頼れる部分もあると思います」と話す。 今村シニアディレクターも「20kmとは別のメンバーのほうがメダル、入賞に近いとは思う」としつつ、今後決定されるレギュレーションなどを元に、20km代表の意思も確認しながら代表を選定していくとした。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

NEWS 中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

2025.06.15

中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

6月14日にオーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」の5000mに中大の溜池一太(4年)とルーキー・濵口大和が出場し、溜池は13分25秒11の自己新、濵口も13分37秒54のセカンドベストを […]

NEWS 3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

2025.06.15

3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

男子3000m障害の青木涼真(Honda)が6月14日、オーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」に出場し、8分23秒58で3位に入った。 青木は一昨年のU23欧州王者であるA.キヤダ(スペイ […]

NEWS 1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北

2025.06.15

1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北

◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)2日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の2日目が行われ、女子1500mは黒田六花(仙台育英2宮城)が4分18秒73で初優勝 […]

NEWS 八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東

2025.06.15

八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が627 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top