HOME 国内、日本代表

2024.03.04

多田修平、田中希実が日本勢として25年ぶりの入賞! 走高跳・赤松、走幅跳・秦も9位と世界相手に健闘見せる/世界室内
多田修平、田中希実が日本勢として25年ぶりの入賞! 走高跳・赤松、走幅跳・秦も9位と世界相手に健闘見せる/世界室内

世界室内選手権で日本人として25年ぶりに入賞を果たした多田修平と田中希実

◇グラスゴー世界室内選手権(3月1日~3日/英国・グラスゴー)

第19回世界室内選手権が英国・グラスゴーで開催され、日本勢は男子60mの多田修平(住友電工)が7位、女子3000mの田中希実(New Balance)が8位入賞を果たした。

2大会連続の出場となった多田は予選で6秒52の室内日本新記録を樹立。準決勝も6秒56でまとめて決勝進出を決め、個人では初めて世界のファイナルの舞台に立った。

広告の下にコンテンツが続きます

決勝では1日で3レース目というタイトなスケジュールも影響してか、スタート時に脚が痙攣するアクシデントにも見舞われ6秒70と不本意な結果に終わったものの、予選、準決勝では多田らしい走りを披露した。

21年の五輪イヤーに日本選手権100mを制し、東京五輪に出場した多田。しかし、「東京五輪後は気持ち的に試合を楽しめない気持ちが続いていた」と話していたように、22年は直前の脚の肉離れが影響して日本選手権で準決勝落ちを喫し、昨年も日本選手権を欠場するなど本来の調子が出せずにいた。

それでも昨年7月に10秒10をマークしてからは心身ともに状態が上向き、秋の鹿児島国体は山縣亮太(セイコー)を抑えて優勝を飾るなど、パリ五輪に向けて充実ぶりをアピール。24年は1月から積極的に室内レースに参戦し、2月のアジア室内で銀メダルを獲得している。

4月からは本格的に屋外シーズンもスタート。パリ五輪の参加標準記録は10秒00に設定されており、10秒01(21年)のベストを持つ多田にとっては自己記録の更新がパリ五輪への最短距離となる。予選落ちに終わった東京五輪のリベンジを果たすため、まずは自己新、そして9秒台を目指していく。

一方の田中は、今季も短いオフを挟んだ後に、駅伝や室内、クロスカントリーなど、国内外を問わず毎週のように各地を転戦。特に1月のケニア合宿を敢行したあとの室内競技会では次々と室内日本記録を更新し、さらにパワーアップしたことを示した。

今大会ではターゲットとしていた3000m8分40秒切りを果たす8分36秒03の室内アジア記録も更新。21年の東京五輪では1500mで8位、昨年のブダペスト世界選手権5000mや世界ロードランニング選手権(1マイル)でも8位と入賞を続けているが、より上位を目指す戦いが続く。

世界室内選手権での日本勢の入賞は、自国開催となった1999年前橋大会以来25年ぶりの快挙。多田、田中ともに、それぞれ種目で日本人初の入賞となった。また、男子走高跳の赤松諒一(アワーズ)は2m15で9位、女子走幅跳の秦澄美鈴(住友電工)も6m43で9位と入賞まであと1歩のところまで迫った。

また、女子60mハードルの青木益未(七十七銀行)は予選で8秒13のシーズンベストをマークするも準決勝進出はならず。女子三段跳の森本麻里子(オリコ)は記録なしだった。

これまで日本勢は国内で室内競技会を行える環境が少ないこともあり、世界室内選手権にはあまり選手を派遣していなかった。だが、世界のトップを見ればこの大会で活躍した選手たちは五輪や世界選手権といった屋外の世界大会でも好成績を残している傾向にあり、今大会での多田、田中らの活躍は、パリ五輪に向けても期待が膨らむ結果となった。

◇グラスゴー世界室内選手権(3月1日~3日/英国・グラスゴー) 第19回世界室内選手権が英国・グラスゴーで開催され、日本勢は男子60mの多田修平(住友電工)が7位、女子3000mの田中希実(New Balance)が8位入賞を果たした。 2大会連続の出場となった多田は予選で6秒52の室内日本新記録を樹立。準決勝も6秒56でまとめて決勝進出を決め、個人では初めて世界のファイナルの舞台に立った。 決勝では1日で3レース目というタイトなスケジュールも影響してか、スタート時に脚が痙攣するアクシデントにも見舞われ6秒70と不本意な結果に終わったものの、予選、準決勝では多田らしい走りを披露した。 21年の五輪イヤーに日本選手権100mを制し、東京五輪に出場した多田。しかし、「東京五輪後は気持ち的に試合を楽しめない気持ちが続いていた」と話していたように、22年は直前の脚の肉離れが影響して日本選手権で準決勝落ちを喫し、昨年も日本選手権を欠場するなど本来の調子が出せずにいた。 それでも昨年7月に10秒10をマークしてからは心身ともに状態が上向き、秋の鹿児島国体は山縣亮太(セイコー)を抑えて優勝を飾るなど、パリ五輪に向けて充実ぶりをアピール。24年は1月から積極的に室内レースに参戦し、2月のアジア室内で銀メダルを獲得している。 4月からは本格的に屋外シーズンもスタート。パリ五輪の参加標準記録は10秒00に設定されており、10秒01(21年)のベストを持つ多田にとっては自己記録の更新がパリ五輪への最短距離となる。予選落ちに終わった東京五輪のリベンジを果たすため、まずは自己新、そして9秒台を目指していく。 一方の田中は、今季も短いオフを挟んだ後に、駅伝や室内、クロスカントリーなど、国内外を問わず毎週のように各地を転戦。特に1月のケニア合宿を敢行したあとの室内競技会では次々と室内日本記録を更新し、さらにパワーアップしたことを示した。 今大会ではターゲットとしていた3000m8分40秒切りを果たす8分36秒03の室内アジア記録も更新。21年の東京五輪では1500mで8位、昨年のブダペスト世界選手権5000mや世界ロードランニング選手権(1マイル)でも8位と入賞を続けているが、より上位を目指す戦いが続く。 世界室内選手権での日本勢の入賞は、自国開催となった1999年前橋大会以来25年ぶりの快挙。多田、田中ともに、それぞれ種目で日本人初の入賞となった。また、男子走高跳の赤松諒一(アワーズ)は2m15で9位、女子走幅跳の秦澄美鈴(住友電工)も6m43で9位と入賞まであと1歩のところまで迫った。 また、女子60mハードルの青木益未(七十七銀行)は予選で8秒13のシーズンベストをマークするも準決勝進出はならず。女子三段跳の森本麻里子(オリコ)は記録なしだった。 これまで日本勢は国内で室内競技会を行える環境が少ないこともあり、世界室内選手権にはあまり選手を派遣していなかった。だが、世界のトップを見ればこの大会で活躍した選手たちは五輪や世界選手権といった屋外の世界大会でも好成績を残している傾向にあり、今大会での多田、田中らの活躍は、パリ五輪に向けても期待が膨らむ結果となった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.31

那覇西が2区で逆転して2年連続の都大路へ 男子は北山が首位譲らず7連覇!/沖縄県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた沖縄県高校駅伝が10月31日、今帰仁村の総合運動公園付帯マラソンコースで行われた。雨が降るあいにくのコンディションのなか、女子(5区間21.0975km)は那覇西が1時間17分42秒で2年連続 […]

NEWS 編集部コラム「2025年に生まれた新記録」

2025.10.31

編集部コラム「2025年に生まれた新記録」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 北口榛花、サニブラウンに続いて世界へ羽ばたけ!第12期ダイヤモンドアスリートの募集がスタート

2025.10.31

北口榛花、サニブラウンに続いて世界へ羽ばたけ!第12期ダイヤモンドアスリートの募集がスタート

日本陸連は第12期ダイヤモンドアスリートおよびダイヤモンドアスリートNextageの募集を開始した。 2014年にスタートした日本陸連の「ダイヤモンドアスリート」は、「は陸上競技を通じて豊かな人間性を持つ国際人となり、今 […]

NEWS 連覇狙う國學院大、駒大、青学大、中大、創価大を軸に力拮抗! 早大、城西大も有力/全日本大学駅伝

2025.10.31

連覇狙う國學院大、駒大、青学大、中大、創価大を軸に力拮抗! 早大、城西大も有力/全日本大学駅伝

◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 第57回全日本大学駅伝は11月2日、愛知・熱田神宮西門前から三重・伊勢神宮内宮宇治橋前をつなぐ8区間106.8kmで行われる。 […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子円盤投・東琉空(稲生高3)インターハイ&国スポ2冠 今季高校生相手に無敗のスロワー

2025.10.31

【高校生FOCUS】男子円盤投・東琉空(稲生高3)インターハイ&国スポ2冠 今季高校生相手に無敗のスロワー

FOCUS! 高校生INTERVIEW 東 琉空 Azuma Ruku 稲生3三重 2025年の屋外シーズンも最終盤を迎えました。今回は今季活躍した高校アスリートの中で男子円盤投の東琉空選手(稲生3三重)にフォーカスしま […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top