◇グラスゴー世界室内選手権(3月1日~3日/英国・グラスゴー)
第19回世界室内選手権が英国・グラスゴーで開催され、日本勢は男子60mの多田修平(住友電工)が7位、女子3000mの田中希実(New Balance)が8位入賞を果たした。
2大会連続の出場となった多田は予選で6秒52の室内日本新記録を樹立。準決勝も6秒56でまとめて決勝進出を決め、個人では初めて世界のファイナルの舞台に立った。
決勝では1日で3レース目というタイトなスケジュールも影響してか、スタート時に脚が痙攣するアクシデントにも見舞われ6秒70と不本意な結果に終わったものの、予選、準決勝では多田らしい走りを披露した。
21年の五輪イヤーに日本選手権100mを制し、東京五輪に出場した多田。しかし、「東京五輪後は気持ち的に試合を楽しめない気持ちが続いていた」と話していたように、22年は直前の脚の肉離れが影響して日本選手権で準決勝落ちを喫し、昨年も日本選手権を欠場するなど本来の調子が出せずにいた。
それでも昨年7月に10秒10をマークしてからは心身ともに状態が上向き、秋の鹿児島国体は山縣亮太(セイコー)を抑えて優勝を飾るなど、パリ五輪に向けて充実ぶりをアピール。24年は1月から積極的に室内レースに参戦し、2月のアジア室内で銀メダルを獲得している。
4月からは本格的に屋外シーズンもスタート。パリ五輪の参加標準記録は10秒00に設定されており、10秒01(21年)のベストを持つ多田にとっては自己記録の更新がパリ五輪への最短距離となる。予選落ちに終わった東京五輪のリベンジを果たすため、まずは自己新、そして9秒台を目指していく。
一方の田中は、今季も短いオフを挟んだ後に、駅伝や室内、クロスカントリーなど、国内外を問わず毎週のように各地を転戦。特に1月のケニア合宿を敢行したあとの室内競技会では次々と室内日本記録を更新し、さらにパワーアップしたことを示した。
今大会ではターゲットとしていた3000m8分40秒切りを果たす8分36秒03の室内アジア記録も更新。21年の東京五輪では1500mで8位、昨年のブダペスト世界選手権5000mや世界ロードランニング選手権(1マイル)でも8位と入賞を続けているが、より上位を目指す戦いが続く。
世界室内選手権での日本勢の入賞は、自国開催となった1999年前橋大会以来25年ぶりの快挙。多田、田中ともに、それぞれ種目で日本人初の入賞となった。また、男子走高跳の赤松諒一(アワーズ)は2m15で9位、女子走幅跳の秦澄美鈴(住友電工)も6m43で9位と入賞まであと1歩のところまで迫った。
また、女子60mハードルの青木益未(七十七銀行)は予選で8秒13のシーズンベストをマークするも準決勝進出はならず。女子三段跳の森本麻里子(オリコ)は記録なしだった。
これまで日本勢は国内で室内競技会を行える環境が少ないこともあり、世界室内選手権にはあまり選手を派遣していなかった。だが、世界のトップを見ればこの大会で活躍した選手たちは五輪や世界選手権といった屋外の世界大会でも好成績を残している傾向にあり、今大会での多田、田中らの活躍は、パリ五輪に向けても期待が膨らむ結果となった。
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