HOME 駅伝

2024.02.05

17年ぶり学生新のエティーリ「もうちょっと速くいけたらよかった」 順大・浅井皓貴が駒大・篠原に続く好走/丸亀ハーフ
17年ぶり学生新のエティーリ「もうちょっと速くいけたらよかった」 順大・浅井皓貴が駒大・篠原に続く好走/丸亀ハーフ

24年丸亀ハーフで9位に入った浅井皓貴(撮影/和田悟志)

第76回香川丸亀国際ハーフマラソンが、2月4日、香川県立丸亀競技場付属ハーフマラソンコースで行われ、東京国際大の留学生、リチャード・エティーリ(1年)が59分32秒の日本学生新記録を打ち立てて優勝を飾った。

「大会記録(59分17秒)を目指していた」というエティーリは、その記録保持者であり前回覇者のアレクサンダー・ムティソ(NDソフト)やチームメイトのアモス・ベット(1年)らとともに序盤から先頭集団を牽引した。

スタート時の気温は8.0度で「少し寒かった」と言う。その影響もあったのか、「もうちょっと速くいけたらよかった」と振り返ったように、入りの5kmは14分22秒と、前回大会よりも14秒も遅かった。

だが、ここからペースアップし、10kmを28分24秒、15kmを42分22秒と、5km14分前後のハイラップで通過。12km過ぎには、優勝争いはエティーリとムティソの一騎打ちになった。

両者は互いに譲らず20kmを56分36秒で通過したが、最終盤にエティーリがムティソを突き放して先頭でフィニッシュテープを切った。

エティーリは、2007年にメクボ・モグスがマークしたハーフマラソンの日本学生記録(59分48秒)を17年ぶりに更新。また、20km通過の56分36秒も学生新記録だった。すでに5000m(13分00秒17)と10000m(27分06秒88)の学生記録を打ち立てているが、これで4種目の学生記録保持者となった。

まだ1年生だが、“最強留学生”の呼び声高く、来シーズン以降も大学長距離界を席巻する存在になりそうだ。チームメイトのアモス・ベッドも1時間0分11秒の好記録で3位に入った。

広告の下にコンテンツが続きます

日本人トップの8位は篠原倖太朗(駒大3年)。さらに順大の浅井皓貴(3年)が、篠原から5秒差の1時間1分09秒で9位と健闘した。浅井は昨年12月の甲佐10マイルロードで46分05秒の日本人学生最高記録を打ち立てたが、箱根駅伝では2区19位と苦戦した。

「力はかなりある。箱根は体調不良を隠して出て、私もそれに気づけず、不本意な結果でした。箱根が終わってからも体調が完全に戻っていない状況で練習をしていて、追い込み切れていなかったのですが、今回はうまく走ってくれた。甲佐の走りがまぐれじゃなかったのを証明してくれた」

指導する長門俊介駅伝監督も、浅井の力走を評価する。

順大勢は海老澤憲伸(3年)も1時間1分49秒と好走。ルーキーの吉岡大翔も1時間2分25秒とまずまずの走りを見せた。来季の箱根駅伝は予選会からの再出発となるが、ロードで好結果を残し、新シーズンに向けて幸先の良い再スタートとなった。

その他の学生勢では、箱根は不出場だった駒大の伊藤蒼唯(2年)が1時間1分16秒の自己ベストで14位と健闘した。

また、箱根駅伝で2区区間賞し注目を集めていた黒田朝日(青学大2年)は1時間1分39秒で23位。「今回は自己ベストが出ればそれでいいと思っていた。上にはまだまだ速い選手はいるんですけど、ちゃんと自己ベストを出すことができたました。最後まである程度粘ることができたので、自分の中ではできる限り出せるところは出せたのかなと思います」と、手応えを口にしていた。

さらに、駿河台大の東泉大河(2年)、中大の柴田大地(1年)、東洋大の緒方澪那斗(2年)、城西大の山中秀真(4年)、青学大の塩出翔太(2年)、大東大の西川千青(3年)、創価大の吉田凌(3年)が1時間1分台をマーク。今回も学生たちの勢いが目立つ大会となった。

文/和田悟志

第76回香川丸亀国際ハーフマラソンが、2月4日、香川県立丸亀競技場付属ハーフマラソンコースで行われ、東京国際大の留学生、リチャード・エティーリ(1年)が59分32秒の日本学生新記録を打ち立てて優勝を飾った。 「大会記録(59分17秒)を目指していた」というエティーリは、その記録保持者であり前回覇者のアレクサンダー・ムティソ(NDソフト)やチームメイトのアモス・ベット(1年)らとともに序盤から先頭集団を牽引した。 スタート時の気温は8.0度で「少し寒かった」と言う。その影響もあったのか、「もうちょっと速くいけたらよかった」と振り返ったように、入りの5kmは14分22秒と、前回大会よりも14秒も遅かった。 だが、ここからペースアップし、10kmを28分24秒、15kmを42分22秒と、5km14分前後のハイラップで通過。12km過ぎには、優勝争いはエティーリとムティソの一騎打ちになった。 両者は互いに譲らず20kmを56分36秒で通過したが、最終盤にエティーリがムティソを突き放して先頭でフィニッシュテープを切った。 エティーリは、2007年にメクボ・モグスがマークしたハーフマラソンの日本学生記録(59分48秒)を17年ぶりに更新。また、20km通過の56分36秒も学生新記録だった。すでに5000m(13分00秒17)と10000m(27分06秒88)の学生記録を打ち立てているが、これで4種目の学生記録保持者となった。 まだ1年生だが、“最強留学生”の呼び声高く、来シーズン以降も大学長距離界を席巻する存在になりそうだ。チームメイトのアモス・ベッドも1時間0分11秒の好記録で3位に入った。 日本人トップの8位は篠原倖太朗(駒大3年)。さらに順大の浅井皓貴(3年)が、篠原から5秒差の1時間1分09秒で9位と健闘した。浅井は昨年12月の甲佐10マイルロードで46分05秒の日本人学生最高記録を打ち立てたが、箱根駅伝では2区19位と苦戦した。 「力はかなりある。箱根は体調不良を隠して出て、私もそれに気づけず、不本意な結果でした。箱根が終わってからも体調が完全に戻っていない状況で練習をしていて、追い込み切れていなかったのですが、今回はうまく走ってくれた。甲佐の走りがまぐれじゃなかったのを証明してくれた」 指導する長門俊介駅伝監督も、浅井の力走を評価する。 順大勢は海老澤憲伸(3年)も1時間1分49秒と好走。ルーキーの吉岡大翔も1時間2分25秒とまずまずの走りを見せた。来季の箱根駅伝は予選会からの再出発となるが、ロードで好結果を残し、新シーズンに向けて幸先の良い再スタートとなった。 その他の学生勢では、箱根は不出場だった駒大の伊藤蒼唯(2年)が1時間1分16秒の自己ベストで14位と健闘した。 また、箱根駅伝で2区区間賞し注目を集めていた黒田朝日(青学大2年)は1時間1分39秒で23位。「今回は自己ベストが出ればそれでいいと思っていた。上にはまだまだ速い選手はいるんですけど、ちゃんと自己ベストを出すことができたました。最後まである程度粘ることができたので、自分の中ではできる限り出せるところは出せたのかなと思います」と、手応えを口にしていた。 さらに、駿河台大の東泉大河(2年)、中大の柴田大地(1年)、東洋大の緒方澪那斗(2年)、城西大の山中秀真(4年)、青学大の塩出翔太(2年)、大東大の西川千青(3年)、創価大の吉田凌(3年)が1時間1分台をマーク。今回も学生たちの勢いが目立つ大会となった。 文/和田悟志

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

ケガから復帰の駒大・佐藤圭汰「インパクトのある走りをしたい」青学大・太田に闘志燃やす 伊藤、山川との3年生トリオが充実

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 前回、3区区間2位の力走を見せたものの、青学大・太田蒼生(4年)との競り合いに敗れた佐藤圭 […]

NEWS 箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

2024.12.13

箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]

NEWS 國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

2024.12.13

國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に主将の平林清澄(4年)が報道陣の合同取材に応じた。 2冠を獲得しているだけに、壮行会にはフ […]

NEWS 國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

2024.12.13

國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に前田監督が報道陣の合同取材に応じた。 前田監督は壮行会を振り返り、「すごい人数でビックリし […]

NEWS 箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

2024.12.13

箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇した。 出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した國學院大。多くのファン・学生が壮行会を見守り、その注目度の高さ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top