◇第100回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
冷たい雨が降りしきる中、東洋大・松山和希(4年)は鉄紺のタスキを5位から4位に押し上げて5区の緒方澪那斗(2年)に託す。本来であれば、走るべき場所は2区だったのかもしれない。しかし、チームがシード権を確保するために必要な布陣として4区に配置され、その役割を十二分に発揮した。
「チームとしては『東洋の再建』を掲げて、総合3位を目標にしていました。そういう意味でも、4区で前をいくチームを追い、少しでも近づくことが絶対に大事になってくる。そういう話になり、自分としては2区を走りたい気持ちはありましたが、勝つために4区を走らせていただきました」
ハッキリと、答えた。自分のやるべきことは、アップダウンも多く自分のペースを掴むことが難しい4区で、どういう順位でタスキを受け取ったとしても、必ず上位に押し上げること。そして、チームを上昇気流に乗せて難関でもある5区にタスキをつなげること。この2つが、鉄紺再建のために託された松山の“仕事”であった。
1区の九嶋恵舜(4年)は15位スタート。2区の梅崎蓮(3年)が区間6位の走りで順位を7位に押し上げると、3区の小林亮太(3年)がさらに2つ順位を上げてタスキを持ってきた。それを受けた松山が、燃えないはずはない。
早々に4位に上がるも、酒匂橋を過ぎたあたりから雨も本降り。気温も一気に下がり始めたが、「雨のほうが得意だと思っているので、プラスに捉えて走りました」とその後もペースを落とすことなく、3位の城西大との差を17秒にまで縮める快走を見せる。1時間1分37秒の区間2位と、チームから託された仕事をこなしきった。
区間賞にはあと27秒及ばず、「やっぱり最後、本当は区間賞を取りたかった思いはありますけど、自分の中では出し切って走れたと思うので、気持ちはクリアになっていると思います」と振り返る。
1年目から2区を託され、2年時も2区で好走したエースは、3年目に故障とケガが重なり走ることができず。チームに貢献できなかったことが、何よりも悔しかったと言う。
「この一年、ケガの影響で左半身と右半身の連動がかなり崩れていたので、弱った左脚と体幹のトレーニングを入念に行ってきました」
駅伝復帰戦となった出雲では4区で区間8位と思うような走りはできなかったが、当時「状態は30%程度」と言っていた通り、秋口から徐々に調子を上げていき、しっかりと箱根に向けて調整してきた。その結果、松山はチームが期待したとおりの走りで、鉄紺の往路総合4位に貢献した。
「酒井(俊幸)監督にはすごく迷惑をかけてしまったこともありましたけど、酒井監督の力なしではここまでできなかったと思うので、最後まで信じてやってきて良かったです」
酒井監督の話になると、何を質問しても冷静に答える松山の顔が少しだけほころんだ。
総合3位という目標は、最後までぶらさない。そのために、自分が4区に配置されたのだから。
「この1年間、チーム一丸となってやっていくことを意識してやってきました。最後はチームスタッフ、選手全員で結束して総合3位という目標を達成したい。あとはチームメイトたちを信じて応援したいと思います」
文/田坂友暁
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.01.06
尾崎光がインフルエンザのため世界クロカンの出場辞退
-
2026.01.06
-
2026.01.04
-
2026.01.02
-
2026.01.01
-
2026.01.03
-
2026.01.01
-
2026.01.02
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
-
2025.12.14
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2026.01.06
尾崎光がインフルエンザのため世界クロカンの出場辞退
日本陸連は1月6日、第46回世界クロスカントリー選手権(1月10日/米国・タラハシー)でシニア女子10kmの日本代表に選出されていた尾崎光(シスメックス)が、インフルエンザ感染のため出場を辞退することを発表した。 尾崎は […]
2026.01.06
青学大・黒田朝日はNY駅伝初VのGMOへ!早大エースの山口智規はSGホールディングス 箱根駅伝ランナー次のステージをチェック
1月2日、3日の第102回箱根駅伝は青学大の3連覇で幕を閉じた。4年間、学生長距離界を沸かせた選手たちは競技を続ける者もいれば、引退して一般企業に就職する選手もいる。気になる箱根ランナーの進路をチェックしていく。 3連覇 […]
2026.01.06
都道府県女子駅伝のエントリー発表!兵庫・田中希実、石川・五島莉乃、群馬・不破、静岡・齋藤ら百花繚乱
皇后盃全国女子駅伝事務局は第44回全国都道府県対抗女子駅伝のエントリー選手を発表した。 各都道府県の中学から一般まで、年代別の地域トップ選手がタスキをつなぐ年に一度の“オールスター戦”に、今年も有力選手が集まった。 広告 […]
2026.01.06
キヤノンAC九州のモカヤが退部「温かいサポートのお陰で頑張れた」大分東明高の留学生として加入
キヤノンAC九州は1月5日、昨年末をもってマータ・モカヤが退部したと発表した。 マータはケニア人留学生として大分東明に入学。高校3年時にインターハイ、国体の3000mで優勝し、5000mで15分13秒81をマークしていた […]
2026.01.06
鹿児島銀行の一昨年プリンセス駅伝1区の野村眞央と昨年4区を走った弓山由依乃が退部
鹿児島銀行は1月5日、昨年末をもって野村眞央と弓山由依乃の退部を発表した。 野村は宮崎・小林高卒で22年に入社。高校時代は3000mでインターハイに出場。全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝)では1年目にアンカ […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
