HOME 駅伝

2023.11.26

積水化学2年ぶり2度目のV!前回2位の雪辱 殊勲の佐藤早也伽「ここは譲れないという気持ち」/クイーンズ駅伝
積水化学2年ぶり2度目のV!前回2位の雪辱 殊勲の佐藤早也伽「ここは譲れないという気持ち」/クイーンズ駅伝

23年クイーンズ駅伝を制した積水化学

◇第43回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月26日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km)

実業団女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝が行われ、積水化学が2時間13分33秒で2年ぶり2度目の頂点に立った。

2年前に悲願の初優勝。連覇を狙った前回は資生堂に大差をつけられての2位と悔しさを味わった。メンバーたちはその思いを胸に1年間を駆け抜けてきた。

1区の田浦英理歌は初出場。「緊張しました」と言うものの、「頼もしいメンバー」が控えるなか、トップから43秒差の区間5位でつないだ。

タスキを受けたのがルーキーの山本有真。名城大でも駅伝負け知らずの猛者は、「大学から実業団に入って初の駅伝で楽しみな気持ち。ルーキーとして勢いのある走りがしたかった」という言葉通り躍動する。ブダペスト世界選手権5000m代表の力を見せて区間賞デビュー。2位に順位を上げる。

前半のエース区間に入ったのがブダペスト世界選手権マラソン代表の佐藤早也伽。5km手前で資生堂の一山麻緒をとらえてトップに。その後ろからは同10000m7位のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳が猛追。一度は前に出られかけたが、「ここは譲れないという気持ちが大きかった」。最後はスパートで廣中を突き放してトップで中継。独走態勢を築く足がかりを作った。

地元・宮城の仙台育英高出身の佐々木梨七が海外ランナーもいるなかで「自分の走りがしっかりできた」という区間7位(日本人トップ)の力走。新谷仁美へとタスキが渡った。

新谷は「みんなのお陰でずっと(テレビに)映ることができました」と笑顔。淡々と走り、区間賞こそ資生堂の高島由香に譲ったが、9月のベルリン・マラソンから気持ちを切り替えて臨んだ駅伝でしっかり仕事を果たした。

前回はメンバー外だった森智香子が安定の走りで歓喜のフィニッシュテープを切り、2位のJP日本郵政グループに1分25秒差で圧巻の継走を見せた。

前回敗れてから、「昨年、本当に悔しい思いをしたので、今年はみんなで笑顔で優勝したいと思っていた」と佐藤。豪華メンバーから優勝候補に挙がるなか、新谷は「注目チームと言われるのは幸せなことで、みんなが1年で実績を残してきたから」と言うように、悔しさをバネに、それぞれの舞台で力をつけてきた。

だからこそ、野口英盛監督が「今年はメンバー争いも熾烈。いろいろ悩んだ」と言うほど選手層は厚みを増した。「選手が頑張ってくれました」と称える。森は「また1年気を緩めずに」と言うところにも、“安泰”ではないことがうかがえる。「連覇、3、4連覇とできるチームを作っていきたい」と指揮官。積水化学の黄金時代へ。個性豊かなメンバーが一致団結して突き進んでいく。

◇第43回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月26日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 実業団女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝が行われ、積水化学が2時間13分33秒で2年ぶり2度目の頂点に立った。 2年前に悲願の初優勝。連覇を狙った前回は資生堂に大差をつけられての2位と悔しさを味わった。メンバーたちはその思いを胸に1年間を駆け抜けてきた。 1区の田浦英理歌は初出場。「緊張しました」と言うものの、「頼もしいメンバー」が控えるなか、トップから43秒差の区間5位でつないだ。 タスキを受けたのがルーキーの山本有真。名城大でも駅伝負け知らずの猛者は、「大学から実業団に入って初の駅伝で楽しみな気持ち。ルーキーとして勢いのある走りがしたかった」という言葉通り躍動する。ブダペスト世界選手権5000m代表の力を見せて区間賞デビュー。2位に順位を上げる。 前半のエース区間に入ったのがブダペスト世界選手権マラソン代表の佐藤早也伽。5km手前で資生堂の一山麻緒をとらえてトップに。その後ろからは同10000m7位のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳が猛追。一度は前に出られかけたが、「ここは譲れないという気持ちが大きかった」。最後はスパートで廣中を突き放してトップで中継。独走態勢を築く足がかりを作った。 地元・宮城の仙台育英高出身の佐々木梨七が海外ランナーもいるなかで「自分の走りがしっかりできた」という区間7位(日本人トップ)の力走。新谷仁美へとタスキが渡った。 新谷は「みんなのお陰でずっと(テレビに)映ることができました」と笑顔。淡々と走り、区間賞こそ資生堂の高島由香に譲ったが、9月のベルリン・マラソンから気持ちを切り替えて臨んだ駅伝でしっかり仕事を果たした。 前回はメンバー外だった森智香子が安定の走りで歓喜のフィニッシュテープを切り、2位のJP日本郵政グループに1分25秒差で圧巻の継走を見せた。 前回敗れてから、「昨年、本当に悔しい思いをしたので、今年はみんなで笑顔で優勝したいと思っていた」と佐藤。豪華メンバーから優勝候補に挙がるなか、新谷は「注目チームと言われるのは幸せなことで、みんなが1年で実績を残してきたから」と言うように、悔しさをバネに、それぞれの舞台で力をつけてきた。 だからこそ、野口英盛監督が「今年はメンバー争いも熾烈。いろいろ悩んだ」と言うほど選手層は厚みを増した。「選手が頑張ってくれました」と称える。森は「また1年気を緩めずに」と言うところにも、“安泰”ではないことがうかがえる。「連覇、3、4連覇とできるチームを作っていきたい」と指揮官。積水化学の黄金時代へ。個性豊かなメンバーが一致団結して突き進んでいく。

積水化学の優勝メンバーをチェック!

1区(7.0km) 田浦英理歌 22分10秒(5位) 2区(4.2km) 山本有真  13分13秒(1位) 3区(10.6km) 佐藤早也伽 33分27秒(2位) 4区(3.6km) 佐々木梨七 11分11秒(7位) 5区(10.0km) 新谷仁美 31分57秒(2位) 6区(6.795km) 森智香子  21分35秒(6位)

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.07.27

女子走幅跳日本記録保持者・秦澄美鈴 目標は決勝進出「自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 女子走幅跳に出場する秦澄美鈴(住友電工)は「緊張しています」と言いながらも「シーズン初めに比べて調子が上がってい […]

NEWS 混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

2024.07.27

混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 男女混合競歩リレー代表の川野将虎(旭化成)は前回の東京大会に続くオリンピック。「前回から3年間。一つの集大成」と […]

NEWS 北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

2024.07.27

北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

100年ぶりにフランス・パリを舞台に五輪が開幕した。陸上競技は8月1日から11日までの日程で行われる。開幕に合わせて日本オリンピック委員会(JOC)は日本代表の意気込みコメントを発表した。 2大会連続出場で女子主将を務め […]

NEWS 中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

2024.07.27

中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

7月26日、中大多摩キャンパス競技場で「Summer Night Run Festival in CHUO」が行われ、男子3000mで岡田開成(中大1)が7分55秒41とU20歴代4位のタイムをマークした。 同大会はこれ […]

NEWS 実業団 VS 大学生! 日本一を決める駅伝大会「EXPO EKIDEN 2025」の出場チーム要件決定

2024.07.26

実業団 VS 大学生! 日本一を決める駅伝大会「EXPO EKIDEN 2025」の出場チーム要件決定

7月26日、朝日放送グループホールディングスは大阪・関西万博開催を記念して実業団と大学生のトップチームがタスキをつなぐ駅伝「大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025」の大会概要を発表した。 この大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年8月号 (7月12日発売)

2024年8月号 (7月12日発売)

W別冊付録
パリ五輪観戦ガイド&福岡インターハイ完全ガイド

page top