HOME 世界陸上、海外

2023.08.24

男子1500mインゲブリグトセン敗れる!カーが大金星 400mHはワルホルムがライバル一蹴!/世界陸上Day5
男子1500mインゲブリグトセン敗れる!カーが大金星 400mHはワルホルムがライバル一蹴!/世界陸上Day5

インゲブリグトセン(中央)を抑えて男子1500mの金メダルに輝いたカー

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)5日目

ブダペスト世界選手権5日目が行われ、男子1500mは東京五輪3位のジョシュ・カー(英国)が3分29秒38で優勝した。今季、ダイヤモンドリーグ(DL)で4戦4勝と優勝候補筆頭だったヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)は0.17秒差で2位に敗れた。

12人によって行われた1500m決勝。レースの主導権を握ったのは5000mとの2冠を目指すインゲブリグトセンだった。

広告の下にコンテンツが続きます

いつものように集団を引っ張るフロントランを見せ、前回7位のアベル・キプサング(ケニア)が競りかけるも、その都度突き放して1000mを2分22秒で通過し、トップでラスト1周に入った。

だが、逃げるインゲブリグトセンに対し待ったを掛けたのが25歳のカーだった。1100m地点では1秒近いリードがあったが、鐘とともに切り替えるとバックストレートで一気に並びかける。第3コーナーでは粘るインゲブリグトセンをアウトレーンから追い抜き、ラストの直線では身体1つ前に出た。

真っ先にフィニッシュラインを駆け抜けたカーは大喜び。これまで世界大会では入賞の常連だったが、インゲブリグトセンに勝った経験はなく、今回も伏兵的な存在と見られていた。

広告の下にコンテンツが続きます

殊勲の優勝となったカーは「残り200メートルに、これまで打ち込んできたの16年のすべてを懸けた。最後まで最後まであきらめなかったのが良かった」と興奮気味に話した。

前回のオレゴン大会でも英国のジェイク・ワイトマンが優勝。実は2人は同じクラブチーム「エディンバラAC」の出身。ワイトマンはケガで今大会を欠場しているが、カーは4歳上のワイトマンの背中を見て育ってきたと明かす。

「栄養、睡眠、トレーニング、レースレビュー、すべてにおいて全力を尽くした。もし今日が金メダルでなかったとしても、それがベストだった」とカー。レースプランについては前回ワイトマンが優勝したオレゴンのレースを参考にしたという。

悲願の世界一となり、「長い間待ち望んでいた。自分を誇りに思う」と噛みしめるように語った。

一方、前回に続き、またも世界選手権で不覚をとってしまったインゲブリグトセンは「ジョシュはいいレースをした。でも、僕がシーズン中にずっとやってきたことが、ここでできなかったのは、ちょっと不運だったと思う」とコメント。数日前から体調を崩しており、「喉が少し乾いていて、この2日間でさらにひどくなった。体調が100%ではなかったと思う」と敗戦の要因をして上げると、レース後には涙を流す場面も見せた。

また、3位にはN.G.ノルドス(ノルウェー)が入り、ノルウェー勢が2位、3位。この結果、アフリカ勢が大会史上初めてメダルを逃すことになった。

男子400mハードルでは世界記録保持者のカールステン・ワルホルム(ノルウェー)が強さを見せて圧勝。途中でライ・ベンジャミン(米国)が競りかけて慌てさせる場面もあったが、ラストの直線で力強く抜け出してただ一人46秒台となる46秒89で快勝。2大会ぶりの優勝を勝ち取った。

女子400mはマリレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)が48秒76の自国新。2位に0.81秒の大差での優勝となった。

また、女子棒高跳はニーナ・ケネディ(豪州)とケイト・ムーン(米国)が4m90で並び、無効試技数も同じだったため、両者協議の上、2人が金メダルを獲得することになった。

日本勢では女子5000m予選で田中希実(New Balance)で14分37秒98の衝撃的な日本記録を樹立。女子やり投でも北口榛花(JAL)が悠々と予選を通過している。

6日目はモーニングセッションで男女の35km競歩。午後には男子走幅跳、男子400mなど合計7種目で決勝が行われる。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)5日目 ブダペスト世界選手権5日目が行われ、男子1500mは東京五輪3位のジョシュ・カー(英国)が3分29秒38で優勝した。今季、ダイヤモンドリーグ(DL)で4戦4勝と優勝候補筆頭だったヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)は0.17秒差で2位に敗れた。 12人によって行われた1500m決勝。レースの主導権を握ったのは5000mとの2冠を目指すインゲブリグトセンだった。 いつものように集団を引っ張るフロントランを見せ、前回7位のアベル・キプサング(ケニア)が競りかけるも、その都度突き放して1000mを2分22秒で通過し、トップでラスト1周に入った。 だが、逃げるインゲブリグトセンに対し待ったを掛けたのが25歳のカーだった。1100m地点では1秒近いリードがあったが、鐘とともに切り替えるとバックストレートで一気に並びかける。第3コーナーでは粘るインゲブリグトセンをアウトレーンから追い抜き、ラストの直線では身体1つ前に出た。 真っ先にフィニッシュラインを駆け抜けたカーは大喜び。これまで世界大会では入賞の常連だったが、インゲブリグトセンに勝った経験はなく、今回も伏兵的な存在と見られていた。 殊勲の優勝となったカーは「残り200メートルに、これまで打ち込んできたの16年のすべてを懸けた。最後まで最後まであきらめなかったのが良かった」と興奮気味に話した。 前回のオレゴン大会でも英国のジェイク・ワイトマンが優勝。実は2人は同じクラブチーム「エディンバラAC」の出身。ワイトマンはケガで今大会を欠場しているが、カーは4歳上のワイトマンの背中を見て育ってきたと明かす。 「栄養、睡眠、トレーニング、レースレビュー、すべてにおいて全力を尽くした。もし今日が金メダルでなかったとしても、それがベストだった」とカー。レースプランについては前回ワイトマンが優勝したオレゴンのレースを参考にしたという。 悲願の世界一となり、「長い間待ち望んでいた。自分を誇りに思う」と噛みしめるように語った。 一方、前回に続き、またも世界選手権で不覚をとってしまったインゲブリグトセンは「ジョシュはいいレースをした。でも、僕がシーズン中にずっとやってきたことが、ここでできなかったのは、ちょっと不運だったと思う」とコメント。数日前から体調を崩しており、「喉が少し乾いていて、この2日間でさらにひどくなった。体調が100%ではなかったと思う」と敗戦の要因をして上げると、レース後には涙を流す場面も見せた。 また、3位にはN.G.ノルドス(ノルウェー)が入り、ノルウェー勢が2位、3位。この結果、アフリカ勢が大会史上初めてメダルを逃すことになった。 男子400mハードルでは世界記録保持者のカールステン・ワルホルム(ノルウェー)が強さを見せて圧勝。途中でライ・ベンジャミン(米国)が競りかけて慌てさせる場面もあったが、ラストの直線で力強く抜け出してただ一人46秒台となる46秒89で快勝。2大会ぶりの優勝を勝ち取った。 女子400mはマリレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)が48秒76の自国新。2位に0.81秒の大差での優勝となった。 また、女子棒高跳はニーナ・ケネディ(豪州)とケイト・ムーン(米国)が4m90で並び、無効試技数も同じだったため、両者協議の上、2人が金メダルを獲得することになった。 日本勢では女子5000m予選で田中希実(New Balance)で14分37秒98の衝撃的な日本記録を樹立。女子やり投でも北口榛花(JAL)が悠々と予選を通過している。 6日目はモーニングセッションで男女の35km競歩。午後には男子走幅跳、男子400mなど合計7種目で決勝が行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.18

5000m予選・田中希実は14分47秒14で5着通過 4大会連続の決勝進出/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、女子5000m予選1組に登場した田中希実(New Balance)は14分47秒14で5着となり、4大会連続の決勝 […]

NEWS 400m・中島佑気ジョセフが日本勢34年ぶり決勝! 200m・鵜澤飛羽、井戸アビゲイル風果が準決勝に登場/東京世界陸上DAY6イブニングみどころ

2025.09.18

400m・中島佑気ジョセフが日本勢34年ぶり決勝! 200m・鵜澤飛羽、井戸アビゲイル風果が準決勝に登場/東京世界陸上DAY6イブニングみどころ

◇東京世界陸上(9月13日〜21日/国立競技場)6日目 大会も後半戦を迎える東京世界陸上。日本男子短距離界に新たな歴史が生まれようとしている。 男子400m決勝に中島佑気ジョセフ(富士通)が挑む。予選で44秒44の日本記 […]

NEWS 最速王者も“10秒チャージ” 森永製菓が16万個以上の商品提供で東京世界陸上の参加選手を“応援チュウ!”

2025.09.18

最速王者も“10秒チャージ” 森永製菓が16万個以上の商品提供で東京世界陸上の参加選手を“応援チュウ!”

東京世界陸上オフィシャルサポーターの森永製菓は、9月13日から開催されている同大会の参加アスリートに「inゼリー」、「inバー」、「ハイチュウ」など日本生まれの栄養補助食品やお菓子を無償で提供しているが、その数量が16万 […]

NEWS 35km競歩金のダンフィー 20km競歩棄権表明「出場できないのは残念だが、レースには応援に行くつもり」/東京世界陸上

2025.09.18

35km競歩金のダンフィー 20km競歩棄権表明「出場できないのは残念だが、レースには応援に行くつもり」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場) 9月18日、東京世界陸上初日の男子35km競歩で金メダルを獲得したエヴァン・ダンフィー(カナダ)が、自身のSNSを更新し、8日目(20日)の20km競歩を棄権することを発 […]

NEWS DAY6イブニングセッションのチケット完売 残りのイブニングセッションも完売間近/東京世界陸上

2025.09.18

DAY6イブニングセッションのチケット完売 残りのイブニングセッションも完売間近/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京2025世界陸上財団は9月18日、大会6日目のイブニングセッションのチケットが完売したと発表した。13日のDAY1、14日のDAY2のイブニングセッションに続く […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top