◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)5日目
ブダペスト世界陸上5日目のアフタヌーンセッションが行われ、女子5000m予選で田中希実(New Balance)が衝撃のパフォーマンスを披露。これまでの日本記録(14分52秒84/廣中璃梨佳)を15秒近く更新する14分37秒98という特大の日本新を樹立し、組6着で8位以内に入って決勝進出を決めた。
「思いがけないペースメーカーになりました」と笑顔を見せる田中。同じく1500mに出場したシファン・ハッサン(オランダ)が飛び出すなか、「1500mもあったので急激なことはしないだろうという希望があった」と迷いなくついた。
最後は苦しくなったが、「走っていてもラスト1000mで失速して3分10秒かかっても日本記録は出ると思いましたが、着(決勝進出)が取れない日本記録はうれしくない。順位を落とさないように意識しました」。田中らしい意地だった。
14分40秒切りについては「初めて世界選手権に出て(19年ドーハ)15分を切れるかどうかだった時に、『来年は14分台、14分40秒台』と思っていました。理想値ばかり上がってかけ離れていたのが、やっと合致しました」と目指していたところでもあった。
「展開的にまだ世界と戦えるとは思っていないですが」と冷静に振り返りつつ、「タイムとしての実力は今の100点満点を見せられたし、自分でも見ることができました」と胸を張った。
決勝進出へ強い気持ちを懸けてきた1500mで準決勝敗退。「なかなか切り替えられなかった」。この苦しみは「誰もが通る道」とわかりつつも、なかなか消化できず。父である田中健智コーチともぶつかった。「1人で戦っているのではないのですが、力の借り方がへたで、誰に対しても傷つける言動をしてしまう。支え合いだけではない、苦しみ抜いた数日でした」と心境を吐露する。
それでも父、そして周囲のスタッフの支えが温かく、「一緒に苦しみ抜いてくださった方々がいたからスタートラインに立てたし、最後まで走り切れました」と感謝。その上で、「人として成長して、自分だけでも大丈夫だと言えるようになりたい」。それもまた、この5000mで見せた大きな成長だった。
これでドーハ、オレゴンに続いて3大会連続の決勝。「入賞がないので狙っていきたい」。1500mの挫折、そこから這い上がって日本新を出した5000m。来年のパリ五輪の参加標準記録(14分52秒00)も突破し、たった数日でひと回りも、ふた回りも大きくなった田中は、「負けてもいいチャレンジという気持ち」で全力で世界と対峙する。
【動画】5000m衝撃レース!田中希実の自己ベストや5000m日本歴代10傑もチェック!
●田中希実の自己ベスト 800m 2.02.36=日本歴代5位 1000m 2.37.33=日本記録 1500m 3.59.19=日本記録 3000m 8.40.84=日本記録 5000m 14.53.60=日本記録 10000m 31分59秒89 ●女子50000m日本歴代10傑 14.37.98 田中 希実(New Balance) 2023. 8.23 14.52.84 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 2021. 8. 2 14.53.22 福士加代子(ワコール) 2005. 7. 8 14.55.83 新谷 仁美(積水化学) 2020. 9.20 14.59.36 萩谷 楓(エディオン) 2021. 9.26 15.02.48 木村 友香(資生堂) 2021.12.10 15.03.67 弘山 晴美(資生堂) 1998. 8. 5 15.05.37 小林祐梨子(豊田自動織機) 2008.10.18 15.06.07 赤羽有紀子(ホクレン) 2008. 7.13 15.06.66 一山 麻緒(ワコール) 2020. 7.18【#世界陸上ブダペスト 】
— TBS 陸上 (@athleteboo) August 23, 2023
✅女子5000m 予選2組#田中希実
日本新記録更新で決勝進出!!!!
6着14分37秒98
15秒近くも記録を縮める快挙✨✨✨
🇳🇱#ハッサン 1着 14分32秒29
🇰🇪#キピエゴン 2着 14分32秒31
📺TBS系列 生中継 https://t.co/Lqf1adF9Sc
📱ライブ配信はTVer・UーNEXT Paraviコーナー pic.twitter.com/XaLrKBs4a1
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2026.09.17
山本匠真が地元の施設野菜メーカー・村上農園とスポンサー契約! 「ともに世界を目指して取り組んでいく」
施設野菜メーカーの株式会社村上農園(広島市)は9月17日、広島市の広島大学霞キャンパスで記者発表会を開き、男子100mの山本匠真(広島大院)とスポンサー契約を結んだと発表した。 広島県出身の山本は100mの自己ベストが1 […]
2026.09.17
愛知製鋼が陸上競技部寮を新設 新鋭の競歩・原圭佑「選手にとって大きな力」
愛知製鋼は9月17日、陸上競技部の寮が完成したことを発表し、同日竣工式を執り行った。 同社は2030年ビジョンの経営指針の一つとして「従業員の幸せと会社の発展」を掲げており、従業員の環境整備に力を入れ、今回の寮新設もその […]
2026.09.17
名古屋アジア大会TEAM JAPAN公式ライセンス新商品発売! ポムポムプリンコラボグッズや記念メダルなど
日本オリンピック委員会(JOC)は9月15日、名古屋アジア大会のTEAM JAPAN公式ライセンス商品をオンラインショップや各地のオフィシャルショップなどで販売すると発表した。 公式ライセンス商品は、TEAM JAPAN […]
2026.09.17
27年厦門アジア選手権の派遣設定記録発表 北京世界選手権へ重要な一戦、各種目最大3人代表
日本陸連は9月16日、来年5月に中国・厦門で行われるアジア選手権の代表選考要項を更新し、派遣設定記録を発表した。 今大会から、各種目の代表枠が1つ増えて3人に。世界大会出場のためのワールドランキングのポイント獲得のため、 […]
2026.09.17
ミズノからランニングとライフスタイルをつなぐ「WAVE RIDER 30.1」「WAVE RIDER 30.2」が登場!
ミズノは9月17日、「WAVE RIDER」シリーズから「WAVE RIDER 30.1(ウエーブライダーサーティーポイントワン)」「WAVE RIDER 30.2(ウエーブライダーサーティーポイントツー)」を9月18日 […]
Latest Issue
最新号
2026年10月号 (9月14日発売)
アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集