男子110mハードルの日本記録保持者・泉谷駿介(住友電工)が8月4日、都内でトレーニングを公開し記者会見を開いた。
約2週間後に開幕するブダペスト世界選手権。「調子はまずまず」。この日はスプリントの動きを確認。1本ずつスタッフが撮影した動画を確認し、自身の感覚とポイントをすり合わせた。
今季は5月のセイコーゴールデングランプリで13秒07をマークして優勝すると、日本選手権では13秒04と自身の日本記録を2年ぶりに0.02秒更新して3連覇。3大会連続となる世界選手権代表に内定した(※19年は欠場)。
次のステージへ進むため、海外転戦。コンチネンタルツアーのゴールデンスパイク(チェコ・オストラヴァ)は13秒37(+0.5)にとどまったが、初参戦のダイヤモンドリーグ(DL)ローザンヌ大会では、13秒22(-1.0)で日本男子初優勝の快挙を成し遂げた。さらに、急きょ出場が決まったDLロンドン大会では、13秒06(+1.3)で2位。世界選手権王者のグラント・ホロウェイ(米国)をあと少しのところまで追い詰めた。
この連戦を通し、「自信がつきました」と泉谷。「ダイヤモンドリーグは昔から見ていて緊張しましたが、力を出せました」。ローザンヌは「調子があまり良くない中で勝負に勝てた」と振り返る。
ロンドンについては「練習が積めていて調子が良かった。インターバルの刻みや素早い動きもできていました」と状態も上がっていたようで、「最後までホロウェイ選手についていけて良かった」と笑顔を見せる。
今季の世界ランキングでは堂々の5位。海外レースでも国内と同じようなパフォーマンスを見せているだけに、メダルという大快挙も十分にあり得る。
だが、東京五輪、昨年のオレゴン世界選手権と準決勝で涙をのんでいるだけに、「これまで決勝に行ったことがないので、まずは決勝を目指します。準決勝では冷静に走りたい。普通に走れば今の状態なら行けると思います。決勝に行けたら力を出し切るだけ。準決勝も決勝も100%で走ります。結果は後からついてくると思います」と泉谷は「自分の走り」に徹するつもりだ。
かつて『世界から最も遠いスプリント種目』とまで言われていた110mハードルが、今や日本の『お家芸』となりつつある。これまでも圧倒的な走りで周囲を驚かせてきた泉谷が、いよいよ世界をアッと言わせる時が来る。
ブダペスト世界選手権は8月19日から27日に開催。男子110mハードルの予選は8月20日のモーニング・セッション(※日本時間8月20日20時05分)、8月21日のイブニング・セッションに準決勝と決勝が行われる(※同8月21日深夜の3時05分に準決勝、4時40分に決勝)。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.08
富士山女子駅伝の全日本大学選抜に立教大・小川陽香、明治国際医療大・古西亜海ら12人選出
-
2025.12.08
-
2025.12.08
-
2025.12.08
-
2025.12.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.08
サニブラウンがU20合宿にサプライズ登場!「みなさんが日本陸上界の未来」期待のジュニア選手たちにエール
有力ジュニア選手が全国から集まるU20オリンピック育成競技者研修合宿が12月4日から7日までの4日間、ナショナルトレーニングセンターで行われた。 選手たちが集合し、開講式が開かれて最初の研修に登場したのが男子短距離のサニ […]
2025.12.08
U20世代トップ選手約60人が4日間合宿! 100mインターハイ2位の菅野翔唯、100mH高校記録保持者・石原南菜ら参加
ジュニア世代の有力選手が対象の「U20オリンピック育成競技者研修合宿」が12月4~7日の4日間、東京都北区のナショナルトレーニングセンターで行われた。 インターハイやU20日本選手権、U18大会などで上位に入った高校生や […]
2025.12.08
富士山女子駅伝の全日本大学選抜に立教大・小川陽香、明治国際医療大・古西亜海ら12人選出
日本学生陸上競技連合は12月8日、2025全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)に出場する全日本大学選抜チームの選手を発表した。 全日本大学選抜チームは全国8地区学連(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国四国、 […]
2025.12.08
2026年関東インカレは5月21日~24日に宇都宮で初開催! 参加標準記録も発表
12月8日、関東学連は2026年の関東インカレを、栃木県宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで5月21日から24日に開催すると発表した。 関東の学生ナンバーワンを決める関東インカレは、来年で第105回を迎える伝統の対校戦。 […]
2025.12.08
女子400mのナセルがアディダスと契約 パリ五輪銀、東京世界陸上銅メダリスト
女子400mのアジア記録保持者、S.E.ナセル(バーレーン)がアディダスとのプロ契約を結んだことを発表した。自身のSNSで契約締結に関して「新たな挑戦と歴史的偉業に向け、アディダスの献身的な取り組みとパートナーシップは極 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025