2023.02.27
◇大阪マラソン2023(2月26日/大阪・大阪府庁前~大阪城公園)
男子はマラソン初挑戦の西山和弥(トヨタ自動車)が、日本歴代7位タイとなる2時間6分45秒で日本人トップの6位。前回Vの星岳(コニカミノルタ)が打ち立てた2時間7分31秒の初マラソン日本最高を46秒も更新した。
「うれしいのひと言。20km手前で少し脚が重くなり最後まで持つが心配でしたが、その後は持ち直して29㎞の上りで思いのほか身体が軽く感じ余裕ができたのが良かった。35km過ぎから同級生の池田選手(耀平/Kao)との勝負となりましたが、失うものは何もないという気持ちで前に出ました」。西山は笑顔を見せて振り返った。
本格的なマラソン練習を開始したのは昨年10月から。その直前の9月にイギリスで行われたハーフマラソンに池田らと参加し、あの選手から大きな刺激を受けた。
「タフなコースで自分たちはまったく対応できませんでしたが、一緒に出場していた大迫(傑/Nike)さんの走りを見て、今のままではマラソンには通用しないと思いました。あのレースがターニングポイントでした」
それまでのバネの効いた走りから、重心移動を意識した省エネ走法にフォームを変更。「ハードワークにも耐えられる身体、動き作りをしてきたことが結果に出せて良かったです」と話した。
勝負どころとなった35kmからの5kmを14分55秒でカバー。そこを14分30秒で駆け抜けた先頭争いを演じた海外勢にはリードを広げられたが「苦しいと言われる35kmから粘れたのは収穫」と今回に手応えを感じつつも、「目指してはいましたが、正直言うとこういった結果を出せるとは思っていなかったので、少し驚いています」と胸の内を明かした。
さらに今後を冷静に見つめている。「次のレースからが本当の勝負になってくると思います。安定して結果が残せるよう練習を積んでいきたい」。
大阪を初マラソンの舞台に選んだのには理由があった。「5歳まで大阪の門真市に住んでおりなじみが深かったこと。前回、同学年の星君が初マラソン日本人最高をマークしたのを見て、自分も挑みたいと思った」。
ペースメーカーがスタートか1kmをほぼ3分ペースで先導。ペースメーカーが離れる30kmまで40人を越える選手が先頭集団でレースを進めた。結果的に、日本選手10人が2時間8分以内でフィニッシュし、同8分台は8人、9分台は4人を数え、日本選手だけでサブテンは22人を数える。その中で西山、池田ら新たに9人がパリ五輪代表選考レース・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得するなど盛況だった。
文/花木 雫
次のページ 大阪マラソンの上位20位&MGC獲得者
大阪マラソンの上位20位&MGC獲得者
■上位20位までの成績 優勝 H.キプロス(エチオピア) 2.06.01 2位 V.キプランガット(ウガンダ) 2.06.03 3位 A.シンブ(タンザニア) 2.06.19 4位 C.K.カマウ(NTN) 2.06.37 5位 S.モコカ(南アフリカ) 2.06.42 6位 西山和弥(トヨタ自動車) 2.06.45=初マラソン日本最高 7位 池田耀平(Kao) 2.06.53=初マラソン日本最高 8位 大塚祥平(九電工) 2.06.57 9位 M.ケセテ(エリトリア) 2.07.06 10位 定方俊樹(三菱重工) 2.07.24 11位 吉岡幸輝(中央発條) 2.07.28 ―以上、大会新記録― 12位 川内優輝(あいおいニッセイ同和損保) 2.07.35 13位 作田将希(JR東日本) 2.07.49 14位 E.ゲブレヒウェト(イタリア) 2.07.53 15位 土井大輔(黒崎播磨) 2.07.55 16位 O.アイトシタシェン(モロッコ) 2.07.57 17位 小山裕太(トーエネック) 2.07.57 18位 山口 武(西鉄) 2.07.58 19位 西 研人(大阪ガス) 2.08.11 20位 柏 優吾(東洋大) 2.08.11 ■MGC獲得者 ●今大会の成績のみで手にした選手 西山和弥(トヨタ自動車) 池田耀平(Kao) 吉岡幸輝(中央発條) 作田将希(JR東日本) 土井大輔(黒崎播磨) 小山裕太(トーエネック) ●ワイルドカードでの出場権獲得者 23位 畔上和弥(トヨタ自動車)2.08.29 25位 河合代二(トーエネック)2.08.32 32位 大六野秀畝(旭化成)2.09.26
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2025.07.11
【世界陸上プレイバック】―11年テグ―ボルト100mでまさかのフライング失格 室伏広治が大会最年長金メダルの偉業
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.07.11
U16リレー大会の競技時間を再度変更 猛暑予想のため 日本選手権リレーも変更の可能性
日本陸連は、7月12、13日に岐阜県で開くU16リレー大会について、競技時間の変更を決めた。 暑熱環境下での競技について日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」に基づいた運営の取り組みを日本陸連。熱中 […]
2025.07.11
編集部コラム「これが“近畿”」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
2025.07.11
アディダスから爆発的なスピードを生み出すことを目指したスパイク最新モデル「ADIZERO PRIME SP 4」が登場!
アディダス ジャパンは、1秒でも速いベストタイムを目指して走るランナーのためのランニングシリーズ「アディゼロ」より、100mなど短距離のレースで最速のパフォーマンスを発揮することを目指した、陸上用スパイク「ADIZERO […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会