2020.06.03
陸上競技部とスポーツ振興プロジェクト
2019年度振り返りと2020年度展望
トップアスリートと医療人の育成を目指した「スポーツ振興プロジェクト」を2015年にスタートさせ、競技力向上はもちろんのこと日々のコンディショニングやケガからの早期復帰をトータルでサポートする「アスリートサポートセンター」など、医療大学だからこそできるプロジェクトを次々と進めている明治国際医療大学。「スポーツ×医療」をスローガンにスタートしたこの取り組みは、次のステージへと踏み出した。
競技面では、「投てきブロック」の活躍が目を引く。2019年度は、チームの〝エース〟的存在である3年生の若山哲也と、同期の田村啓斗がともにハンマー投で日本選手権初出場。若山は惜しくもトップ8入りこそ逃したが、9位と健闘した。
学生の舞台では、日本学生個人選手権で若山4位、田村8位と2年連続のダブル入賞を達成。さらに、日本インカレでは最上級生の仲西隆世が7位に入賞している。
今春も田村の弟でインターハイ砲丸投5位の星哉(京都・乙訓高出身)、U18日本選手権で三段跳4位&走高跳8位とダブル入賞を果たした三好ひなの(京都・西城陽高出身)らが入学。部員数も100人に迫る大所帯だ。
![]() |
![]() |
![]() |
ハード面ではオールウェザートラックはもちろん、大学内では数少ない投てき専用の練習場、前述のアスリートサポートセンターによる食事面、フィジカルケアなど競技力向上に欠かせない多方面からの支援が充実。部内での競争も年々高まり、選手層の厚みも増してきた。さらに今年度は京都の公立高校で全国トップクラスの選手を何人も育てきた前府高体連陸上競技専門部委員長の山瀬純氏が指導スタッフに加わり、全国制覇に向けた気運が高まっている。
女子アスリートにおいては、「部活女子」を支え、応援するために、敷地内に「全個室の女子寮」や女子向けのセミナー開催など、ハード・ソフトの両面からのバックアップが整う。近年は、難しいとされた「看護系」と「クラブ」の両立を目指す学生が増え、「チーム看護女子」というワードが生まれるほどだ。
![]() 昨年度から女子長距離も「全日本大学女子駅伝初出場」を目指して本格強化がスタート。写真は日本インカレ800m出場の長沼明音(2年)。インターハイ800m3位の実績を持つ |
「部活女子」のサポートも明治国際医療大学のテーマ。その中から日本インカレ100mハードルに出場した川口愛華(4年)ら、全国の舞台で活躍する選手が着々と育っている |
![]() 敷地内に全個室の女子寮が完成するなど、バックアップ体制も充実 |
スポーツと医療の学びから
初のVリーガー&なでしこリーガーが誕生
資格取得面では、はり師、きゅう師、柔道整復師、看護師、救急救命士を学びの中心としている一方で、複数の資格取得や本学オリジナルの「メディカルアスレチックトレーナー」(MAT)など、即戦力としての活躍を目指して、学びを広げる学生も多くいるのが明治国際医療大学の特長だ。
陸上競技部の中でも、例えば若山は柔道整復師の資格取得を目指しながら、目標である教員免許取得のための講義も受けており、将来は、自身が悩まされた故障に対するケアができる指導者を夢見ている。
また、国内でも珍しい「アスレティックトレーナー部」の学生たちは、専門のはり師、きゅう師、柔道整復師に加えて、すぐにプロスポーツチームでも活躍できる医療技術と資格を携えるために、本学独自の認定資格「メディカルアスレチックトレーナー」取得を目指し、プログラムに励んでいる。部員のほとんどは元部活生で、将来、スポーツを支えて生きる道を選んだ。
医療資格を目指す大学でスポーツの強豪校は少なく、講義で得た知識をすぐに全国を舞台に活躍する選手、クラブを通じて実践できるのが強み。さらには医療分野とスポーツ現場での300時間を超えるフィールドワーク、さらには最新のテクノロジーに触れ、実践&即戦力としての力を養っている。
こういった学びの中から、この春、待望のトップリーグ・アスリートが誕生した。男子バレーボール部からⅤリーグ(2部チーム)へ、女子サッカー部からもなでしこリーグの1部チームへそれぞれ1人ずつ入団。高校時代は全国的には無名な存在だったが、医療を学び自身の身体を多面的に知ることで素質が開花し、トップリーグ入りを果たした。Vリーグ入りした男子選手は、選手と共にトレーナーとしての活躍も期待されている。いずれもはり師・きゅう師、柔道整復師の国家試験にも合格を果たしており、スポーツメディカリストとして夢への第一歩を踏み出した。
明治国際医療大学認定資格
「メディカルアスレチックトレーナー」
育成プログラム
2019年度に明治国際医療大学独自の資格「メディカルアスレチックトレーナー」育成プログラムがスタート。数多くの実践を積むことで即戦力としての力を磨くことができる
医療大学が描く未来のトレーナー像
競技スポーツの普及・発展とともにメディアで広く紹介されるなど「アスレチックトレーナー」という言葉は現在一般的となっている。
アメリカでは全米アスレチックトレーナーズ協会(NATA)認定のアスレチックトレーナーが、選手にとって最善のコンディションをつくり、最高のパフォーマンスに導く役割を担うなど、その資格および地位が確立されている。
しかし、日本では日本スポーツ協会、特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)が発行する資格が普及しつつあるものの国家資格ではなく、はり師・きゅう師、柔道整復師のように明確に決められたものがないのが現状だ。
そこで医療大学である明治国際医療大学は、これまでも西洋医学と東洋医学の融合を進め、人々の健康に寄与してきた経験を最大限に活用した。
医療資格を持ち、選手のパフォーマンス発揮に不可欠な知識をはじめ、スポーツ栄養学や心理学、コンディショニングおよびリ-コンディショニング、さらには本学オリジナルの体調管理アプリ「MY TRAINER」など最新テクノロジーを駆使した科学的アプローチにより、選手はもちろん子供から高齢者まで、健康を願う人たちをあらゆる角度から総合的に支えることのできる「メディカルアスレチックトレーナー」を育成するプログラムを2019年度からスタートしたのだ。
「メディカルアスレチックトレーナー」育成プログラムが描く新しいトレーナー像
選手をあらゆる角度から総合的に支えるMAT
MAT資格の特長は、鍼灸、柔道整復の医療資格取得を目指す学びと並行し、JATACで習得する学びを含め、4年間で300時間を超える実習にある。
合わせて、トレーナー部の活動を通じ、各種大会やスポーツイベントで学内外のトップアスリートをサポートするなど、数多くの実践を積むことで即戦力として力を磨くことができる。
東京五輪を控え、スポーツへの関心が高まるなか、アスレチックトレーナーへの注目度もアップしている。MATは明治国際医療大学が初めて作った資格でもあり、医療従事者として医療のこと、身体のこと、さらに競技のこと、健康のことを理解した総合的な資格となるよう取り組んでいく。
明治国際医療大学オリジナル無料アプリ
「MY TRAINER」
明治国際医療大学オリジナルのトレーナー無料アプリ「MY TRAINER」
子供から高齢者まで日々の健康管理に最適
~アプリで簡単、体調チェック~
スポーツ、部活動に打ち込む中学・高校生はもちろん、子供から高齢者までの日々の体調管理用に開発された大学オリジナルのトレーナーアプリ「MY TRAINER(YOMOGI)」(無料)。手順に沿って質問に答えるだけで、現在の心や栄養の状態などを含めた体調はもちろん、足りない要素や最適なトレーニング方法などを確認することができる。
身体の状況を把握することで体調管理や故障予防、さらには科学的データの活用などを含めたスポーツでの成績アップにもつなげることができる。ぜひご家庭でご活用あれ。
![]()
|
![]() |
手軽に今の体調をチェックでき、足りない要素や最適なトレーニングも提示してくれる
明治国際医療大学オリジナル無料アプリ
「MY TRAINER」
https://mytrainer.kenko1192.com/
明治国際医療大学オフィシャルサイト。陸上競技部の詳細はHPのキャンパスライフへ
https://www.meiji-u.ac.jp/
スポーツ振興プロジェクト2020パンフレットはこちら
陸上競技部とスポーツ振興プロジェクト 2019年度振り返りと2020年度展望
トップアスリートと医療人の育成を目指した「スポーツ振興プロジェクト」を2015年にスタートさせ、競技力向上はもちろんのこと日々のコンディショニングやケガからの早期復帰をトータルでサポートする「アスリートサポートセンター」など、医療大学だからこそできるプロジェクトを次々と進めている明治国際医療大学。「スポーツ×医療」をスローガンにスタートしたこの取り組みは、次のステージへと踏み出した。 競技面では、「投てきブロック」の活躍が目を引く。2019年度は、チームの〝エース〟的存在である3年生の若山哲也と、同期の田村啓斗がともにハンマー投で日本選手権初出場。若山は惜しくもトップ8入りこそ逃したが、9位と健闘した。 学生の舞台では、日本学生個人選手権で若山4位、田村8位と2年連続のダブル入賞を達成。さらに、日本インカレでは最上級生の仲西隆世が7位に入賞している。 今春も田村の弟でインターハイ砲丸投5位の星哉(京都・乙訓高出身)、U18日本選手権で三段跳4位&走高跳8位とダブル入賞を果たした三好ひなの(京都・西城陽高出身)らが入学。部員数も100人に迫る大所帯だ。![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() 敷地内に全個室の女子寮が完成するなど、バックアップ体制も充実 |
スポーツと医療の学びから 初のVリーガー&なでしこリーガーが誕生
資格取得面では、はり師、きゅう師、柔道整復師、看護師、救急救命士を学びの中心としている一方で、複数の資格取得や本学オリジナルの「メディカルアスレチックトレーナー」(MAT)など、即戦力としての活躍を目指して、学びを広げる学生も多くいるのが明治国際医療大学の特長だ。 陸上競技部の中でも、例えば若山は柔道整復師の資格取得を目指しながら、目標である教員免許取得のための講義も受けており、将来は、自身が悩まされた故障に対するケアができる指導者を夢見ている。 また、国内でも珍しい「アスレティックトレーナー部」の学生たちは、専門のはり師、きゅう師、柔道整復師に加えて、すぐにプロスポーツチームでも活躍できる医療技術と資格を携えるために、本学独自の認定資格「メディカルアスレチックトレーナー」取得を目指し、プログラムに励んでいる。部員のほとんどは元部活生で、将来、スポーツを支えて生きる道を選んだ。 医療資格を目指す大学でスポーツの強豪校は少なく、講義で得た知識をすぐに全国を舞台に活躍する選手、クラブを通じて実践できるのが強み。さらには医療分野とスポーツ現場での300時間を超えるフィールドワーク、さらには最新のテクノロジーに触れ、実践&即戦力としての力を養っている。 こういった学びの中から、この春、待望のトップリーグ・アスリートが誕生した。男子バレーボール部からⅤリーグ(2部チーム)へ、女子サッカー部からもなでしこリーグの1部チームへそれぞれ1人ずつ入団。高校時代は全国的には無名な存在だったが、医療を学び自身の身体を多面的に知ることで素質が開花し、トップリーグ入りを果たした。Vリーグ入りした男子選手は、選手と共にトレーナーとしての活躍も期待されている。いずれもはり師・きゅう師、柔道整復師の国家試験にも合格を果たしており、スポーツメディカリストとして夢への第一歩を踏み出した。明治国際医療大学認定資格 「メディカルアスレチックトレーナー」 育成プログラム
2019年度に明治国際医療大学独自の資格「メディカルアスレチックトレーナー」育成プログラムがスタート。数多くの実践を積むことで即戦力としての力を磨くことができる

「メディカルアスレチックトレーナー」育成プログラムが描く新しいトレーナー像
選手をあらゆる角度から総合的に支えるMAT MAT資格の特長は、鍼灸、柔道整復の医療資格取得を目指す学びと並行し、JATACで習得する学びを含め、4年間で300時間を超える実習にある。 合わせて、トレーナー部の活動を通じ、各種大会やスポーツイベントで学内外のトップアスリートをサポートするなど、数多くの実践を積むことで即戦力として力を磨くことができる。 東京五輪を控え、スポーツへの関心が高まるなか、アスレチックトレーナーへの注目度もアップしている。MATは明治国際医療大学が初めて作った資格でもあり、医療従事者として医療のこと、身体のこと、さらに競技のこと、健康のことを理解した総合的な資格となるよう取り組んでいく。明治国際医療大学オリジナル無料アプリ 「MY TRAINER」

![]() |
![]() |
手軽に今の体調をチェックでき、足りない要素や最適なトレーニングも提示してくれる
明治国際医療大学オリジナル無料アプリ
「MY TRAINER」 https://mytrainer.kenko1192.com/ 明治国際医療大学オフィシャルサイト。陸上競技部の詳細はHPのキャンパスライフへ https://www.meiji-u.ac.jp/ スポーツ振興プロジェクト2020パンフレットはこちら
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
2025.04.28
100mH田中佑美が国内初戦「ここから毎週のように緊張する」/織田記念
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
2025.04.30
100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」
福島千里や寺田明日香ら女子短距離を中心に数々の名選手を育成した中村宏之氏が4月29日に79歳で他界したことを受け、寺田が自身のSNSを更新して思いを綴った。 寺田は北海道・恵庭北高時代に中村氏の指導を受け、100mハード […]
2025.04.30
9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート
東京都は今年9月に国立競技場をメイン会場として開かれる世界選手権に都内の子どもたちを無料招待すると発表した。 「臨場感あふれる会場での観戦を通じて、都内の子供たちにスポーツの素晴らしさや夢と希望を届ける」というのが目的。 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)