◇第106回日本選手権リレー(10月1日~2日/国立競技場)
日本選手権リレーの最終種目となった4×400mリレーは、男子は早大が3分05秒23で2大会ぶり、女子は立命大が3分37秒85で2018年以来の優勝を飾った。
男子は早大が混戦を力強く抜け出した。3週間前の日本インカレでは2位。その時のオーダーと同じ1走・眞々田洸大、2走・新上健太、3走・藤好駿太、4走・竹内彰基が、「悔しかった」と口をそろえる日本インカレの雪辱を果たし、「それぞれが磨いてきた力を発揮できました」と竹内は胸を張った。
4×100mとの「リレー2冠」を目標に掲げて臨んだが、4継は3位に。「『僕たちが4継の分も』と思いましたが、大前祐介監督らコーチ陣から『自分の走りに集中しよう』と言われて集中できた」と新上。5月の関東インカレでは序盤から後手を踏む展開になって7位だったチームは、前半から勝負していくように改善。日本インカレを経て、「高い次元でそれをできたことが勝因です」と新上は振り返る。
タイムの面では、目指していた学生記録(3分03秒71)や早大記録(3分04秒34)の更新はできず、「少し悔しさが残った」と眞々田。それでも、藤好が「前半のスピードに不安があったので、予選は出し過ぎないことを意識していたら前半から行けていなかった。決勝は力感は変えずに、前半から行く意識に変えたらうまく走れた」と言うように、個々がそれぞれの課題をしっかりと修正して勝負を制した。
「決勝の前に主将の三浦(励央奈)先輩から『早稲田はチームで勝つ』と言われました。個の力がリレーとして形となり、チームが形作れるからこそ個もある。来年も全員が残るし、他にもメンバーがいるので、いいチームを作っていきたい」と眞々田が言えば、竹内も「2冠は来年に」ときっぱり。
早大スプリント陣がさらなる飛躍への一歩を踏み出した。
女子の立命大は、1走から松尾季奈、工藤芽衣、吉岡里奈、山本亜美と、2連覇を飾った日本インカレと同じオーダー。400mハードルで日本選手権2連覇中のアンカー・山本は、「他のチームは『立命に勝ちたい』と臨んで来るけど、私たちも勝ちたい、負けたくない。だから、せっかくなら楽しもうと臨みました」。
その言葉通りに、4人は力を発揮。松尾が福岡大に先行を許したものの、「自分のレースに集中して」2番手できっちりと渡す。「前を追うほうが得意」という工藤が、一気にトップを奪った。
そして、「このメンバーで走るのは最後。松尾さんにいい思いを」と吉岡がリードを広げ、その位置をしっかり守ってフィニッシュした山本は「うれしいというより安心しました」と重圧をはねのけホッとした笑顔を見せた。
「関西インカレ、日本インカレ、日本選手権優勝の『3大目標』を初めて達成できました」と工藤。2年生として、「日本インカレ4連覇、学生新も出せるように個々の力をつけていきたい」と力強く語る。
ただ1人の4年生・松尾は、「これが立命として走る最後のレース。日本一を目標にやってきて、日本一を取れてうれしい。1年生の時の先輩がこの大会で優勝し、すごい感動をもらった。先輩たちが残してくれた強い立命を引き継いで、これからもいいチームを作ってほしい」と思いを託した。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.22
米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す
-
2025.10.21
-
2025.10.21
-
2025.10.21
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
-
2025.10.18
-
2025.10.19
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.22
高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦
10月に入って全国高校駅伝(12月21日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて、東北、関東を中心に9県で開催される。 23日には福島県大会が行われ、学法石川を中心にハイレベルの争いと […]
2025.10.22
関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!
来年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選を兼ねた第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山)のエントリーが、10月22日に関西実業団連盟から発表された。 前回と同じ13チームがエントリー。各チ […]
2025.10.22
米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す
米国陸連(USATF)は10月20日、米国陸連主催のUSATFツアーを新設することを発表した。 ツアーは2026年から実施予定で、現在は既存大会および新設大会を対象に参入申請を受け付けている。陸連はツアー化によって大会日 […]
2025.10.21
【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号
世界と戦うトップアスリートも愛用するサポート・ケア製品ブランド「ZAMST(ザムスト)」を展開する日本シグマックス株式会社。 同社から発売中の寒い時期でも快適にスポーツを行うことができるよう保温性に優れ、手首から上腕にか […]
2025.10.21
東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」
公益財団法人東京2025世界陸上財団は10月21日、第31回理事会を開き、大会の開催結果について報告したあと、報道陣への記者ブリーフィングを開いた。 9月13日から21日まで、東京・国立競技場をメイン会場に開かれた世界選 […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望