日本陸連は9月2日、東京世界選手権の日本代表第二次発表を行い、すでに内定を得ていた選手を含め、男子49名、女子31名の総勢80名となった。これは世界選手権としては史上最多だった2007年大阪(81人)に次ぐ人数となる。
注目の男子100mは日本選手権を制し、その後に9秒99をマークした桐生祥秀(日本生命)、同7位で10秒00を出した守祐陽(大東大)が選ばれた。桐生は19年ドーハ以来の個人代表、守は初。また、日本選手権はケガで予選敗退も、昨年のパリ五輪で9秒96と参加標準記録を突破していたサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が選出。サニブラウンは2大会連続で100mの決勝に進んでいる。
男子200mは内定済みの鵜澤飛羽(JAL)のほか、ワールドランキングで資格を得た飯塚翔太(ミズノ)、標準突破者の水久保漱至(宮崎県スポ協)が代表入り。飯塚は6度目の世界選手権になる。
男子400mは参加標準突破の中島佑気ジョセフ(富士通)と、日本選手権で失格から一転覆って優勝となった佐藤風雅(ミズノ)が選ばれた。
男子10000mではパリ五輪代表の葛西潤(旭化成)が代表入り。ターゲットナンバーから外れていた鈴木芽吹(トヨタ自動車)も、上位者に辞退が出たため繰り上がりで出場権を得た。
男子走高跳は8月のAthlete Night Games in FUKUIで2m33の参加標準記録を突破した瀬古優斗(FAAS)、22年オレゴン大会8位の真野友博(九電工)、昨年のパリ五輪5位の赤松諒一(SEIBU PRINCE)の最強布陣で臨む。
男子走幅跳は橋岡優輝(富士通)と津波響樹(大塚製薬)、伊藤陸(スズキ)が代表に入った。
男子リレーメンバーには、4×100mリレーは日本選手権入賞者のなかから、世界リレー代表だった大上直起(青森県庁)と井上直紀(早大)、リレー候補基準記録の10秒08を出した小池祐貴(住友電工)が選出。また男女混合4×400mリレー枠で、100mで10秒00の参加標準記録を突破していた栁田大輝(東洋大)と高校生2年生の清水空跳(星稜高・石川)を選出。あくまでも4×100mリレーメンバーとして、目標の金メダルへ戦力に厚みを持たせたかたちだ。4×400mリレーは日本選手権2位の今泉堅貴(内田洋行AC)をはじめ、マイルチームを牽引してきた佐藤拳太郎(富士通)らも選ばれた。
女子800mは久保凛(東大阪大敬愛高3)が初出場。女子個人の高校生代表は5人目となる。
女子100mハードルは参加標準記録突破の中島ひとみ(長谷川体育施設)と福部真子(日本建設工業)、日本選手権Vの田中佑美(富士通)とフルエントリーする。
女子長距離では廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が5000m、10000mの2種目で代表入り。5000mは内定済みの田中希実(New Balance)のほか山本有真(積水化学)が2大会連続、10000mは矢田みくに(エディオン)が入った。
自国開催のため、開催国枠も設けられていた。ターゲットナンバー(出場枠)のプラス10以内や、日本陸連が独自に定めた開催国枠エントリー設定記録を突破した日本選手権優勝者に付与され、男子800mの落合晃(駒大)、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)らが代表入り。円盤投の代表は07年大阪大会の畑山茂雄以来となる。
女子200m日本記録保持者の井戸アビゲイル風果(東邦銀行)、400mの松本奈菜子(同)らが初出場。200mは15年北京の福島千里以来、400mは09年ベルリンの丹野麻美以来となる。
女子跳躍は4種目ともにエントリー。走高跳の髙橋渚(センコー)、棒高跳の諸田美咲(アットホーム)がいずれも初出場。走幅跳の秦澄美鈴(住友電工)は3大会連続、三段跳の髙島真織子(九電工)は2回目、森本麻里子(オリコ)は3回目の世界陸上に挑む
女子円盤投の郡菜々佳(サトウ食品新潟アルビレックスRC)は19年ドーハ以来の3大会ぶりの代表入り。
男女混合4×400mリレーのメンバーにはペルーから帰化した青木アリエ(日体大)が選ばれている。
3枠が埋まっていなかった女子競歩では20kmの柳井綾音(立命大)、35kmの渕瀬真寿美(建装工業)、矢来舞香(千葉興業銀行)が代表入り。39歳の渕瀬は女子最多の7回目となる。
ターゲットナンバー付近にいた中では、男子3000m障害の新家裕太郎(愛三工業)や前回ファイナル進出の青木涼真(Honda)、女子やり投の斉藤真理菜(スズキ)らはターゲットナンバーに入れなかった。また、日本選手権で開催国枠エントリー設定記録で優勝した選手のうち、男子棒高跳の江島雅紀(富士通)、山下航平(ANA)は選出されたなかった。
なお、女子やり投の北口榛花(JAL)、男子110mハードルの村竹ラシッド(同)、男子3000m障害の三浦龍司(SUBARU)、マラソン、競歩などはすでに内定、発表済み。
辞退者などが出た場合、世界陸連(WA)から追加のインビテーション(招待枠)が届くこともあるが、日本陸連は「今後の追加は基本的にはない」(日本陸連)としている。
日本代表が出そろい、いよいよ自国開催の世界選手権へ向かっていく。東京世界選手権は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に行われる。
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【男子】 ・100m 桐生祥秀(日本生命) 4回目 守祐陽(大東大) 初出場 サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)6回目 ・200m 鵜澤飛羽(JAL) 2回目 飯塚翔太(ミズノ) 6回目 水久保漱至(宮崎県スポ協)2回目 ・400m 中島佑気ジョセフ(富士通)3回目 佐藤風雅(ミズノ) 3回目 ・800m 落合晃(駒大) 初 ・1500m 飯澤千翔(住友電工) 初 ・5000m 森凪也(Honda) 初 ・10000m 葛西潤(旭化成) 初 鈴木芽吹(トヨタ自動車) 初 ・110mH 村竹ラシッド(JAL) 2回目 泉谷駿介(住友電工) 4回目 野本周成(愛媛競技力本部)初 [adinserter block="4"] ・400mH 井之上駿太(富士通) 初 小川大輝(東洋大) 初 豊田兼(トヨタ自動車) 初 ・3000m障害 三浦龍司(SUBARU) 3回目 ・走高跳 瀬古優斗(FAAS) 初 真野友博(九電工) 3回目 赤松諒一(SEIBU PRINCE) 3回目 ・走幅跳 橋岡優輝(富士通) 4回目 津波響樹(大塚製薬) 2回目 伊藤陸(スズキ) 初 ・円盤投 湯上剛輝(トヨタ自動車) 初 ・ハンマー投 福田翔大(住友電工) 初 ・やり投 﨑山雄太(愛媛競技力本部)2回目 ディーン元気(ミズノ) 3回目 長沼元(スズキ) 初 [adinserter block="4"] ・マラソン 小山直城(Honda) 初 吉田祐也(GMOインターネットグループ) 初出場 近藤亮太(三菱重工) 初 ・20km競歩 山西利和(愛知製鋼) 4回目 吉川絢斗(サンベルクス) 初 ・20km・35km競歩 丸尾知司(愛知製鋼) 3回目 ・35km競歩 川野将虎(旭化成) 3回目 勝木隼人(自衛隊体育学校)2回目 ・リレー 大上直起(青森県庁) 初 井上直紀(早大) 初 小池祐貴(住友電工) 4回目 栁田大輝(東洋大) 3回目 清水空跳(星稜高2石川) 初 今泉堅貴(内田洋行AC) 2回目 田邉奨(中大) 初 吉津拓歩(ミキハウス) 初 佐藤拳太郎(富士通) 5回目 林申雅(筑波大) 初 ※マラソン補欠 細谷恭平(黒崎播磨) ※20km競歩補欠 古賀友太(大塚製薬) [adinserter block="4"] 【女子】 ・200m 井戸アビゲイル風果(東邦銀行) 初 ・400m 松本奈菜子(東邦銀行) 3回目 ・800m 久保凛(東大阪大敬愛高3大阪) 初 ・1500m・5000m 田中希実(New Balance) 4回目 ・1500m 木村友香(積水化学) 2回目 ・5000m 山本有真(積水化学) 2回目 ・5000m、10000m 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 3回目 ・10000m 矢田みくに(エディオン) 初 ・100mH 中島ひとみ(長谷川体育施設) 初 福部真子(日本建設工業) 2回目 田中佑美(富士通) 2回目 ・3000m障害 齋藤みう(パナソニック) 初 [adinserter block="4"] ・走高跳 髙橋渚(センコー) 初 ・棒高跳 諸田実咲(アットホーム) 初 ・走幅跳 秦澄美鈴(住友電工) 3回目 ・三段跳 髙島真織子(九電工) 2回目 森本麻里子(オリコ) 2回目 ・円盤投 郡菜々佳(サトウ食品新潟アルビレックスRC) 2回目 ・やり投 北口榛花(JAL) 4回目 上田百寧(ゼンリン) 3回目 武本紗栄(オリコ) 2回目 ・マラソン 安藤友香(しまむら) 2回目 小林香菜(大塚製薬) 初 佐藤早也伽(積水化学) 2回目 ・20km競歩 藤井菜々子(エディオン) 4回目 岡田久美子(富士通) 6回目 柳井綾音(立命大) 2回目 ・35km競歩 梅野倖子(LOCOK) 2回目 渕瀬真寿美(建装工業) 7回目 矢来舞香(千葉興業銀行) 初 ・リレー 青木アリエ(日体大) 初 ※マラソン補欠 鈴木優花(第一生命グループ)RECOMMENDED おすすめの記事
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