陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が8月19日から8月27日まで、ハンガリー・ブダペストの国立競技場で行われている。
日本とハンガリーとの時差は7時間。現地の午前セッションは日本時間の昼過ぎから20時頃まで、午後セッションは深夜から未明にかけて実施される。
Day5(日本時間23日~24日)の注目は、前回銅メダリスト・北口榛花(JAL)が出場する17時20分からの女子やり投予選だ。ダイヤモンドリーグ・シレジア大会では67m04の日本新を樹立して優勝。同パリ大会でも優勝、ローザンヌ大会で2位と、今年は世界の強豪相手に好成績を収めてきた。61m50を投げれば自動的に決勝へ進出。今季の成績を考えればさほど難しくないが、できるだけ1投目で決めて2日後の決勝へ好感触を残したいところだ。
北口と同じA組には上田百寧(ゼンリン)が、18時55分からのB組では斉藤真理菜(スズキ)も出場。自己記録は上田が61m75、斉藤が62m37と、ともに予選通過ラインを超えている。まずは確実に予選を突破し、北口を含めた3人で決勝に並べるか。
19時15分からの男子200m予選には鵜澤飛羽(筑波大)、上山紘輝(住友電工)、飯塚翔太(ミズノ)が登場。なかでも鵜澤は6月の日本選手権、7月中旬のアジア選手権と連勝して絶好調だ。自己記録はアジア選手権決勝で出した20秒23。準決勝でさらなる更新ができればファイナルが見えてくる。
上山は前回大会の予選で自己新(20秒26)を出し、準決勝まで進出した。今季は昨年ほどの勢いが見られないものの、前回大会で見せた抜群のピーキングを再現できれば再びのセミファイナル進出は十分可能だ。32歳の飯塚は追加代表入りというかたちで5回目の出場を決めた。持ち前の勝負強さで確実に予選を突破したいところだ。
男子走幅跳予選(18時15分)には橋岡優輝(富士通)、城山正太郎(ゼンリン)、吉田弘道(神崎郡陸協)が挑む。2019年ドーハ大会8位、21年東京五輪6位と入賞実績のある橋岡、ドーハ大会11位の城山は予選突破を経験済み。確実に予選通過ラインの8m15以上を跳び、再び決勝の舞台で勝負したいところ。今季最も良い8m26を跳んでいる初出場の吉田も実力を発揮できれば十分に予選を突破できる実力を有する。
24日2時02分から行われる女子5000m予選には田中希実(New Balance)、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、山本有真(積水化学)が登場。日本選手権覇者の田中は今大会1500mで準決勝進出、廣中は10000m7位とすでに1種目めを終えており、疲労との戦いになる。ともに14分台の自己記録を持ち、予選通過は十分可能性を秘める。アジア選手権で金メダルを獲得した山本は、まず自己記録(15分16秒71)更新が予選通過への最低条件となりそうだ。
この他にも男子棒高跳予選に柄澤智哉(日体大)、女子200m予選に鶴田玲美(南九州ファミリーマート)、女子三段跳予選に森本麻里子(内田建設AC)と髙島真織子(九電工)と初出場組が世界へ挑む。
この日は日本勢が登場する決勝種目はなく、1つでもラウンド突破して翌日以降に駒を進めたい。
海外勢では絶好調のヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)が初優勝を目指す男子1500m決勝(24日4時15分)、世界記録保持者で東京五輪金のカールステン・ワルホルム(ノルウェー)、前回王者のアリソン・ドス・サントス(ブラジル)、両大会銀メダルのライ・ベンジャミン(米国)による超ハイレベルな三つ巴が予想される男子400m決勝(24日4時50分)に注目だ。
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東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)