HOME 国内

2023.01.30

4年ぶりレースの前田彩里がセカンドベストでMGC切符つかむ 育児と競技「がむしゃらに」取り組む/大阪国際女子マラソン
4年ぶりレースの前田彩里がセカンドベストでMGC切符つかむ 育児と競技「がむしゃらに」取り組む/大阪国際女子マラソン

4年ぶりフルマラソンに参戦した前田彩里(2023年大阪国際女子マラソン)

◇第42回大阪国際女子マラソン(1月29日/大阪・ヤンマーフィールド長居発着)

JMCシリーズG1でブダペスト世界選手権代表選考会となる第42回大阪国際女子マラソンが行われた。

フィニッシュ後、愛娘の彩葉(いろは)ちゃんを抱きかかえて見せた笑顔が印象的だった。母となって初となる4年ぶりのフルマラソンに挑んだ前田彩里(ダイハツ)がセカンドベストとなる2時間25分24秒の日本人4位(6位)でパリ五輪の選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得。

広告の下にコンテンツが続きます

「タイム的には2時間24分切りが目標だったので満足はしていませんが、MGCの権利を獲得でき次のつながるレースになった」と納得の表情で話した。

佛教大時代の2014年に日本人学生記録を樹立。彗星のごとくマラソンデビューを果たした。15年には北京世界選手権にも出場。その後はケガが続き16年に脚を手術した。18年に結婚、20年12月に長女の出産を経て、21年末にチームに合流し復帰。昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)後に本格的なマラソン練習に入り、この日を迎えていた。

育児と競技の両立について「いろいろ試行錯誤を重ねながらがむしゃらにやっています」と前田。練習内容や質を含め、以前の自分と比べるのではなく「ここからもう一度スタート。今の自分と向き合い、新たな気持ちでマラソンに臨んでいます」と現状を口にする。

「まだスピードが物足りない」と序盤から第2集団でレースを進めた前田。30km以降は上杉真穂(スターツ)、吉川侑美(ユニクロ)と3人の争いになったが「後半は、呼吸は楽だったのですが脚が残っていませんでした。他の選手と争いながらタイムをキープすることを意識して走りました」。

日本人2位争いには敗れたものの堂々の復活のフィニッシュ。自己ベスト(2時間22分48秒)には及ばなかったものの、沿道で応援した彩葉ちゃんの応援も「力になりました」。

4年ぶりのマラソンを終え、課題も少しずつ見えてきた前田。「体力面も含めMGCで戦うには力不足。まだ距離もしっかり踏めていなかったので、今後は速いペースでの距離走などをしっかりこなし備えていきたい」と力強かった。

文/花木 雫

◇第42回大阪国際女子マラソン(1月29日/大阪・ヤンマーフィールド長居発着) JMCシリーズG1でブダペスト世界選手権代表選考会となる第42回大阪国際女子マラソンが行われた。 フィニッシュ後、愛娘の彩葉(いろは)ちゃんを抱きかかえて見せた笑顔が印象的だった。母となって初となる4年ぶりのフルマラソンに挑んだ前田彩里(ダイハツ)がセカンドベストとなる2時間25分24秒の日本人4位(6位)でパリ五輪の選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得。 「タイム的には2時間24分切りが目標だったので満足はしていませんが、MGCの権利を獲得でき次のつながるレースになった」と納得の表情で話した。 佛教大時代の2014年に日本人学生記録を樹立。彗星のごとくマラソンデビューを果たした。15年には北京世界選手権にも出場。その後はケガが続き16年に脚を手術した。18年に結婚、20年12月に長女の出産を経て、21年末にチームに合流し復帰。昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)後に本格的なマラソン練習に入り、この日を迎えていた。 育児と競技の両立について「いろいろ試行錯誤を重ねながらがむしゃらにやっています」と前田。練習内容や質を含め、以前の自分と比べるのではなく「ここからもう一度スタート。今の自分と向き合い、新たな気持ちでマラソンに臨んでいます」と現状を口にする。 「まだスピードが物足りない」と序盤から第2集団でレースを進めた前田。30km以降は上杉真穂(スターツ)、吉川侑美(ユニクロ)と3人の争いになったが「後半は、呼吸は楽だったのですが脚が残っていませんでした。他の選手と争いながらタイムをキープすることを意識して走りました」。 日本人2位争いには敗れたものの堂々の復活のフィニッシュ。自己ベスト(2時間22分48秒)には及ばなかったものの、沿道で応援した彩葉ちゃんの応援も「力になりました」。 4年ぶりのマラソンを終え、課題も少しずつ見えてきた前田。「体力面も含めMGCで戦うには力不足。まだ距離もしっかり踏めていなかったので、今後は速いペースでの距離走などをしっかりこなし備えていきたい」と力強かった。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.26

【学生長距離Close-upインタビュー】全日本大学駅伝1区区間賞の志學館大・中村晃斗 「結果にこだわっていきたい」

学生長距離Close-upインタビュー 中村 晃斗 Nakamura Akito 志學館大3年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。54回目は、志 […]

NEWS 熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

2025.11.26

熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

熊本信愛女学院高(熊本)の元陸上競技部監督で、長年多くのランナーを育てた山口和也さんが11月23日、病気のため亡くなった。71歳。 1980年に同校に赴任した山口さん。当時の日本女子長距離は黎明期であったが、山口さんは高 […]

NEWS 世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里

2025.11.26

世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里

日本陸連は11月26日、第46回世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日/米国・タラハシー)の男女U20日本代表代表選考会(11月30日/京都)の確定エントリーリストを発表した。 男子は当初エントリーしていた24 […]

NEWS パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定

2025.11.26

パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定

男子短距離のQ.ウィルソン(米国)がメリーランド大へ入学することが発表された。 ウィルソンは2008年生まれの17歳。23年ごろから400mで頭角を現し、同年の米国室内選手権で優勝するなど注目を浴びた。今年6月には400 […]

NEWS 男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」

2025.11.26

男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」

2016年リオ五輪の男子3000m障害で銀メダルに輝いたE.ジャガー(米国)が引退を表明した。 ジャガーは35歳。ジュニア時代には中長距離でU20世界選手権1500m7位などの成績を収め、シニアでは3000m障害で世界的 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top