2022.12.19
箱根駅伝Stories
新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。
城西大のルーキー・斎藤将也は、今年7月に5000m13分53秒14、11月には28分37秒90のタイムをマーク。28分台を出した翌週の激坂王決定戦では、先輩の山本唯翔(3年)に59秒の差をつけて優勝を飾った。初の箱根駅伝に向けてどんな思いを抱いているのだろうか。
中学時代から全国大会に出場、走る楽しさを知る
福井県・陽明中学校の時は野球部で、ピッチャーやサード。運動神経の良さを買われてたびたび陸上の試合に出ることもあり、中学3年時には全中駅伝に出場して1区17位。都道府県対抗男子駅伝のメンバーにも選ばれ2区23位の成績を残している。
全国の強豪が集まる大会を経験し「走るのって楽しいな」、そして「もっと他の人に勝ちたいな」という気持ちに。小学校の時にテレビで見た箱根駅伝で、青学大の神野大地(現・セルソース)が5区で逆転し、チームを優勝に導いたシーンが印象に残っている。「自分も箱根駅伝を走って目立ちたい」。高校から本格的に陸上部に入部して陸上を始めることにした。
野球の強豪校でもある敦賀気比高に進学。走る練習をする時は基本的に1人だった中学時代と違い、初めて集団での練習に強度も上がった。「中学の時は『ただ走り込んでいただけ』で、陸上というものをほとんど知りませんでした。動き作りやフォーム、インターバルやペースを守った距離走など、陸上ならではのメニューになじむのは苦戦しました」。
それでも順調に実力を伸ばし、秋には国体男子少年B3000mに出場して11位。しかし2年になってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動が制限されたり、大会がなくなったりして、練習に身が入らないこともあり伸び悩んだ。
3年の前半には調子が良く、5000mでインターハイにも出場。この時は予選17位で決勝には進めなかった。その後は疲れもあり調子を崩し、熱心に陸上に打ち込めない時期もあったという。
「自分に必要なものが感覚的にわかっていたのかもしれない」。改めて自分に向き合い、与えられた練習をするだけではなく「何が足りないのか」を自ら考えた。自分に必要な練習をすることで調子を取り戻すことができ、12月の全国高校駅伝ではエースの集う1区で11位と好走した。
次ページ 意見を尊重してくれる城西大の環境で成長
中学時代から全国大会に出場、走る楽しさを知る
福井県・陽明中学校の時は野球部で、ピッチャーやサード。運動神経の良さを買われてたびたび陸上の試合に出ることもあり、中学3年時には全中駅伝に出場して1区17位。都道府県対抗男子駅伝のメンバーにも選ばれ2区23位の成績を残している。 全国の強豪が集まる大会を経験し「走るのって楽しいな」、そして「もっと他の人に勝ちたいな」という気持ちに。小学校の時にテレビで見た箱根駅伝で、青学大の神野大地(現・セルソース)が5区で逆転し、チームを優勝に導いたシーンが印象に残っている。「自分も箱根駅伝を走って目立ちたい」。高校から本格的に陸上部に入部して陸上を始めることにした。 野球の強豪校でもある敦賀気比高に進学。走る練習をする時は基本的に1人だった中学時代と違い、初めて集団での練習に強度も上がった。「中学の時は『ただ走り込んでいただけ』で、陸上というものをほとんど知りませんでした。動き作りやフォーム、インターバルやペースを守った距離走など、陸上ならではのメニューになじむのは苦戦しました」。 それでも順調に実力を伸ばし、秋には国体男子少年B3000mに出場して11位。しかし2年になってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動が制限されたり、大会がなくなったりして、練習に身が入らないこともあり伸び悩んだ。 3年の前半には調子が良く、5000mでインターハイにも出場。この時は予選17位で決勝には進めなかった。その後は疲れもあり調子を崩し、熱心に陸上に打ち込めない時期もあったという。 「自分に必要なものが感覚的にわかっていたのかもしれない」。改めて自分に向き合い、与えられた練習をするだけではなく「何が足りないのか」を自ら考えた。自分に必要な練習をすることで調子を取り戻すことができ、12月の全国高校駅伝ではエースの集う1区で11位と好走した。 次ページ 意見を尊重してくれる城西大の環境で成長意見を尊重してくれる城西大の環境で成長
城西大を選んだのも、「やらされる練習より自分で考えてやる練習」ができる環境にあったから。低酸素室などの環境も整っており、卒業生に村山紘太(現・旭化成)、山口浩勢(現・愛三工業)という2人のオリンピアンがいることも決め手になった。 「箱根だけで終わるのではなく、その先を見据えてやりたいと思っているので、それを考えたら城西大が一番当てはまっているのかなと思いました」 実際に入学してみて、「やりたいことをやらせてくれる」という印象は変わっていない。櫛部静二監督やコーチも斎藤の意見を聞いてくれたり、練習を見て細かいところまでアドバイスしてくれたりと、非常にやりやすい環境でここまで競技に取り組めている。 [caption id="attachment_89159" align="alignnone" width="800"]
「城西大のエース」としての走りを
10月の箱根駅伝予選会では、初のハーフマラソンながら1時間3分18秒で総合27位。チーム内ではヴィクター・キムタイ(1年)に次ぐ2番目で、チームの3位通過に大きく貢献した。 この時も距離に少し不安はあったというが、練習をしっかり積めていたので「ある程度ペースを守っていけば、結果はついてくる」と思って臨み、そのとおりになった。その後もケガなく練習を継続できていることが10000m28分台にもつながった。激坂王決定戦については「練習の一環」として出場。櫛部監督は斎藤の走りに「まさかここまで走れるとは、いい意味で想定外でしたね」と評価する。 まずは学生トップレベルの選手になり、いずれはマラソンにも挑戦したいと目標を語る。まずは他校のエースたちと戦い、どれだけ食らいついていけるか試してみたいという。目標とするのは「國學院大の平林清澄選手」。同じ福井県出身の1学年上で、高校時代から走りを見ていたという。都道府県対抗男子駅伝のメンバーに選ばれた際には一緒に合宿するなど近い存在だった。 その平林は1年目から箱根駅伝で活躍し、日本学生ハーフマラソンで優勝、さらにはドイツのレースに招待されるなど活躍。その姿を見て「自分も負けたくないし、そこを目指したいです」と話す。 [caption id="attachment_89158" align="alignnone" width="800"]
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