2020.03.30
【学生駅伝ストーリー】
東海大黄金世代、それぞれの4年間④關 颯人 トラックで世界へ

東海大を牽引してきた4年生たちが卒業を迎えた。この世代は5000m13分台3人、全国高校駅伝1区の上位選手と、高校時代に華々しい活躍を見せた選手がそろい、「黄金世代」と言われた。
苦楽をともにし、切磋琢磨してきた4年間。3年時の箱根駅伝で大学にとって悲願の初優勝を成し遂げるなど、学生長距離界を盛り上げた東海大4年生世代から、館澤亨次、阪口竜平、小松陽平、關颯人の4人の足跡を追った。最後は關を紹介する。
【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間①館澤亨次 頼れる主将
【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間②阪口竜平 世界を目指し続けた
【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間③小松陽平 箱根MVPの“叩き上げ”
世代トップが圧巻デビュー
「黄金世代」が脚光を浴びた2015年の全国高校駅伝。後に東海大へ進む選手たちが躍動した1区で、区間賞を獲得した長野・佐久長聖高の關颯人は、間違いなく「世代トップ」に君臨していた。
高校3年時に5000mで13分51秒85をマーク。ケガの影響でトラックシーズンは目立った成績は残していなかったが、1月の全国都道府県対抗男子駅伝では、最長区間の5区(8. 5km)で区間賞を獲得し、鳴り物入りで東海大へ進学した。
「両角(速)先生(駅伝監督)に高1の終わりから気にかけていただき、他の大学も見た中で一番練習環境が整っていたのが東海大学でした。他にも強い選手が集まると聞いていたので、この環境で4年間競技をやりたいと思いました」
大学1年目は同期の鬼塚翔太とともに5000mと10000mで活躍。4月の兵庫リレーカーニバルのアシックスチャレンジ10000mでいきなり28分48秒63をマークすると、7月のU20世界選手権では9位(28分57秒76)と入賞まであと一歩に迫った。
「初めての海外で、行きの飛行機で財布を盗られるなど生活面でアクシデントはありましたが、レースではしっかり対応できたのではないかと思います」
その後は駅伝シーズンで本領を発揮し、学生駅伝デビュー戦となる10月の出雲駅伝でいきなり3区区間賞。しかも、1区の鬼塚、2区の館澤亨次とルーキー同士でつないできたタスキを2位からトップに押し上げる活躍。「黄金世代」がより世間から注目を集めるレースだった。
2年目は「一番調子良く走れた」というシーズンとなり、5000mは7月にベルギーのレースで13分35秒81、10000mは9月に28分23秒37をマーク。特に「夏の欧州遠征で自信をつけた」と振り返り、10月の出雲駅伝では6区区間賞でチームの優勝に貢献した。
3、4年はケガに苦しむ
だが競技人生は「明」から「暗」へ、ここから長いケガとの戦いが続いていく。
翌月の全日本大学駅伝では4区区間6位で走った後、脚に違和感を覚えた。そのまま走り続けた結果、11月の上尾ハーフ(1時間3分12秒)後に左脚脛骨の疲労骨折が判明。箱根駅伝ではエントリーされたものの、出走することはかなわなかった。
「元々高校時代からケガが多かったのですが、調子が良い時にやり過ぎてしまう傾向がありました。3年目以降はずっとその繰り返しでした」
その結果、総合優勝を遂げた3年目の箱根と4年目の全日本の両駅伝で出走メンバーに入ることができず。
4年目の夏以降は月間走行距離が900kmを超えるなど手応えをつかんでいたが、9月の日本インカレでアキレス腱を痛め、11月に復帰後は右膝を痛めて箱根に間に合わせることができなかった。
後半の2年間はほとんどがケガとの戦いに終わってしまったが、關自身はこの4年間をこう振り返る。
「特に3、4年目は思うようにいかないことが多かったのですが、その中でも2年目は5000mで13分35秒までいきましたし、出雲駅伝でも優勝のフィニッシュテープを切れた。ある程度は実績を残せたのかなと思います。ただ、上級生になってチームを引っ張っていけなかったことは、悔しさが残ります」
今後は同期の阪口竜平と同じSGホールディングスグループへ進み、「最初は1500mと5000mでスピードを磨き、特に5000mで世界の舞台を目指していきたい」と意気込む。
そのためには「13分10秒前後のタイムが必要だと思うので、まずはコンスタントに13分30秒で走れるようにしていけたら」と、輝きを取り戻すつもりだ。

關颯人/1997年4月11日生まれ、A型。178cm、57kg。長野・茅野東部中→佐久長聖高→東海大→SGホールディングスグループ。箱根駅伝では1年時に2区13位。自己ベスト5000m13分35秒81、10000m28分23秒37。
(※月刊陸上競技3月号に掲載)
文/松永貴允
東海大黄金世代、それぞれの4年間④關 颯人 トラックで世界へ
東海大を牽引してきた4年生たちが卒業を迎えた。この世代は5000m13分台3人、全国高校駅伝1区の上位選手と、高校時代に華々しい活躍を見せた選手がそろい、「黄金世代」と言われた。
苦楽をともにし、切磋琢磨してきた4年間。3年時の箱根駅伝で大学にとって悲願の初優勝を成し遂げるなど、学生長距離界を盛り上げた東海大4年生世代から、館澤亨次、阪口竜平、小松陽平、關颯人の4人の足跡を追った。最後は關を紹介する。【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間①館澤亨次 頼れる主将
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「黄金世代」が脚光を浴びた2015年の全国高校駅伝。後に東海大へ進む選手たちが躍動した1区で、区間賞を獲得した長野・佐久長聖高の關颯人は、間違いなく「世代トップ」に君臨していた。 高校3年時に5000mで13分51秒85をマーク。ケガの影響でトラックシーズンは目立った成績は残していなかったが、1月の全国都道府県対抗男子駅伝では、最長区間の5区(8. 5km)で区間賞を獲得し、鳴り物入りで東海大へ進学した。「両角(速)先生(駅伝監督)に高1の終わりから気にかけていただき、他の大学も見た中で一番練習環境が整っていたのが東海大学でした。他にも強い選手が集まると聞いていたので、この環境で4年間競技をやりたいと思いました」 大学1年目は同期の鬼塚翔太とともに5000mと10000mで活躍。4月の兵庫リレーカーニバルのアシックスチャレンジ10000mでいきなり28分48秒63をマークすると、7月のU20世界選手権では9位(28分57秒76)と入賞まであと一歩に迫った。「初めての海外で、行きの飛行機で財布を盗られるなど生活面でアクシデントはありましたが、レースではしっかり対応できたのではないかと思います」 その後は駅伝シーズンで本領を発揮し、学生駅伝デビュー戦となる10月の出雲駅伝でいきなり3区区間賞。しかも、1区の鬼塚、2区の館澤亨次とルーキー同士でつないできたタスキを2位からトップに押し上げる活躍。「黄金世代」がより世間から注目を集めるレースだった。 2年目は「一番調子良く走れた」というシーズンとなり、5000mは7月にベルギーのレースで13分35秒81、10000mは9月に28分23秒37をマーク。特に「夏の欧州遠征で自信をつけた」と振り返り、10月の出雲駅伝では6区区間賞でチームの優勝に貢献した。3、4年はケガに苦しむ
だが競技人生は「明」から「暗」へ、ここから長いケガとの戦いが続いていく。 翌月の全日本大学駅伝では4区区間6位で走った後、脚に違和感を覚えた。そのまま走り続けた結果、11月の上尾ハーフ(1時間3分12秒)後に左脚脛骨の疲労骨折が判明。箱根駅伝ではエントリーされたものの、出走することはかなわなかった。「元々高校時代からケガが多かったのですが、調子が良い時にやり過ぎてしまう傾向がありました。3年目以降はずっとその繰り返しでした」 その結果、総合優勝を遂げた3年目の箱根と4年目の全日本の両駅伝で出走メンバーに入ることができず。 4年目の夏以降は月間走行距離が900kmを超えるなど手応えをつかんでいたが、9月の日本インカレでアキレス腱を痛め、11月に復帰後は右膝を痛めて箱根に間に合わせることができなかった。 後半の2年間はほとんどがケガとの戦いに終わってしまったが、關自身はこの4年間をこう振り返る。「特に3、4年目は思うようにいかないことが多かったのですが、その中でも2年目は5000mで13分35秒までいきましたし、出雲駅伝でも優勝のフィニッシュテープを切れた。ある程度は実績を残せたのかなと思います。ただ、上級生になってチームを引っ張っていけなかったことは、悔しさが残ります」 今後は同期の阪口竜平と同じSGホールディングスグループへ進み、「最初は1500mと5000mでスピードを磨き、特に5000mで世界の舞台を目指していきたい」と意気込む。 そのためには「13分10秒前後のタイムが必要だと思うので、まずはコンスタントに13分30秒で走れるようにしていけたら」と、輝きを取り戻すつもりだ。
關颯人/1997年4月11日生まれ、A型。178cm、57kg。長野・茅野東部中→佐久長聖高→東海大→SGホールディングスグループ。箱根駅伝では1年時に2区13位。自己ベスト5000m13分35秒81、10000m28分23秒37。
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