HOME 国内、大学

2022.10.10

山本有真が15分16秒71の日本人学生最高タイムで5000m制す 世界選手権代表の廣中破る殊勲/栃木国体
山本有真が15分16秒71の日本人学生最高タイムで5000m制す 世界選手権代表の廣中破る殊勲/栃木国体


◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)5日目

3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会最終日に行われた成年5000mは山本有真(愛知・名城大)が15分16秒71の大会新、日本人学生最高の好タイムで頂点に立った。

オレゴン世界選手権代表の廣中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)が出場するとあって注目を集めた成年女子5000mレース。しかし、成長著しい山本が残り300mで一気に抜け出し、殊勲の勝利を挙げた。

広告の下にコンテンツが続きます

「あこがれの存在でもある廣中さんについていって勝負できればと思っていましたが、まさか本当にそうなるとは夢にも思っていませんでした。自分でもびっくりしています」とゴール後のインタビューでも驚きを隠せない様子。「最後も思っていた以上に余裕があって前に出ましたが、いつ抜かれるかと思って疑心暗鬼だったので、優勝できて本当にうれしいです」と笑顔で振り返る。

「駅伝に向けての最後のトラックで調子も上がってきていた」と話す山本。レースは序盤から廣中が引っ張り2000mを6分10秒、3000mを9分16秒で通過。その後もふたりのマッチレースが続き、4000mを12分24秒で通過した後に徐々にペースアップ。「余裕があった」と話すように、最後の1000mを2分52秒でカバーし実力を示した。

大学2年時にはケガなども重なり「陸上を辞めようと思った」という山本。その危機を乗り越え、「やるからには学生記録を狙い、上を目指して取り組んできた」ことが今回の快走につながった。
「駅伝を走るために名城大に進学した」と話すように、4年生として最後の全日本大学女子駅伝を月末に控える。「そこでしっかり結果を残し、今年度中には、学生記録(15分13秒09)を更新したい」と力を込める。

15分23秒09で2位に敗れた廣中は、「自分のコンディションが悪いなか、どれだけ走れるかと思っていたので、2位でも悔いはありません。3年ぶりの国体の開催で、長崎代表として走れる喜びをかみしめながら挑みました。ここから駅伝シーズンに向け少しずつ体調を上げていきたい」とさばさばとした表情で話した。

文/花木 雫

■女子5000m学生歴代10傑
15.13.09 W.ワンガリ(立命館APU4) 2008. 4. 5
15.16.71 山本 有真(名城大4)    2022.10.10
15.17.53 木村 泰子(京産大2)    1995. 6.10
15.20.68 不破聖衣来(拓大1)     2021. 7.17
15.22.86 佐藤 由美(京産大3)    1997.10. 3
15.23.70 藤永 佳子(筑波大1)    2000. 5.13
15.24.99 竹中 理沙(立命大3)    2010.12. 5
15.25.14 和田 有菜(名城大3)    2020.12. 4
15.25.50 西原 加純(佛教大4)    2010.12. 5
15.26.72 吉本ひかり(佛教大3)    2010. 4.18

◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)5日目 3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会最終日に行われた成年5000mは山本有真(愛知・名城大)が15分16秒71の大会新、日本人学生最高の好タイムで頂点に立った。 オレゴン世界選手権代表の廣中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)が出場するとあって注目を集めた成年女子5000mレース。しかし、成長著しい山本が残り300mで一気に抜け出し、殊勲の勝利を挙げた。 「あこがれの存在でもある廣中さんについていって勝負できればと思っていましたが、まさか本当にそうなるとは夢にも思っていませんでした。自分でもびっくりしています」とゴール後のインタビューでも驚きを隠せない様子。「最後も思っていた以上に余裕があって前に出ましたが、いつ抜かれるかと思って疑心暗鬼だったので、優勝できて本当にうれしいです」と笑顔で振り返る。 「駅伝に向けての最後のトラックで調子も上がってきていた」と話す山本。レースは序盤から廣中が引っ張り2000mを6分10秒、3000mを9分16秒で通過。その後もふたりのマッチレースが続き、4000mを12分24秒で通過した後に徐々にペースアップ。「余裕があった」と話すように、最後の1000mを2分52秒でカバーし実力を示した。 大学2年時にはケガなども重なり「陸上を辞めようと思った」という山本。その危機を乗り越え、「やるからには学生記録を狙い、上を目指して取り組んできた」ことが今回の快走につながった。 「駅伝を走るために名城大に進学した」と話すように、4年生として最後の全日本大学女子駅伝を月末に控える。「そこでしっかり結果を残し、今年度中には、学生記録(15分13秒09)を更新したい」と力を込める。 15分23秒09で2位に敗れた廣中は、「自分のコンディションが悪いなか、どれだけ走れるかと思っていたので、2位でも悔いはありません。3年ぶりの国体の開催で、長崎代表として走れる喜びをかみしめながら挑みました。ここから駅伝シーズンに向け少しずつ体調を上げていきたい」とさばさばとした表情で話した。 文/花木 雫 ■女子5000m学生歴代10傑 15.13.09 W.ワンガリ(立命館APU4) 2008. 4. 5 15.16.71 山本 有真(名城大4)    2022.10.10 15.17.53 木村 泰子(京産大2)    1995. 6.10 15.20.68 不破聖衣来(拓大1)     2021. 7.17 15.22.86 佐藤 由美(京産大3)    1997.10. 3 15.23.70 藤永 佳子(筑波大1)    2000. 5.13 15.24.99 竹中 理沙(立命大3)    2010.12. 5 15.25.14 和田 有菜(名城大3)    2020.12. 4 15.25.50 西原 加純(佛教大4)    2010.12. 5 15.26.72 吉本ひかり(佛教大3)    2010. 4.18

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.28

中国陸連にWA加盟連盟賞 世界室内、ダイヤモンドリーグなど開催 競技会、ロードレースには600万人が参加

世界陸連(WA)は11月28日、ワールド・アスレティックス・アワード2025の加盟連盟賞に中国陸連を選出したと発表した。 加盟連盟賞は、年間を通して顕著な功績を挙げ、陸上競技の発展や知名度向上に大きく貢献した加盟連盟を表 […]

NEWS 青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

2025.11.28

青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]

NEWS デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

2025.11.28

デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。創設100周年の節目で初の日本開催だった今回、日本代表は過去最多となる51個のメダルを獲得した。各会場も盛り上がりを見 […]

NEWS 22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

2025.11.28

22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]

NEWS プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top