◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)5日目
3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会最終日に行われた成年5000mは山本有真(愛知・名城大)が15分16秒71の大会新、日本人学生最高の好タイムで頂点に立った。
オレゴン世界選手権代表の廣中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)が出場するとあって注目を集めた成年女子5000mレース。しかし、成長著しい山本が残り300mで一気に抜け出し、殊勲の勝利を挙げた。
「あこがれの存在でもある廣中さんについていって勝負できればと思っていましたが、まさか本当にそうなるとは夢にも思っていませんでした。自分でもびっくりしています」とゴール後のインタビューでも驚きを隠せない様子。「最後も思っていた以上に余裕があって前に出ましたが、いつ抜かれるかと思って疑心暗鬼だったので、優勝できて本当にうれしいです」と笑顔で振り返る。
「駅伝に向けての最後のトラックで調子も上がってきていた」と話す山本。レースは序盤から廣中が引っ張り2000mを6分10秒、3000mを9分16秒で通過。その後もふたりのマッチレースが続き、4000mを12分24秒で通過した後に徐々にペースアップ。「余裕があった」と話すように、最後の1000mを2分52秒でカバーし実力を示した。
大学2年時にはケガなども重なり「陸上を辞めようと思った」という山本。その危機を乗り越え、「やるからには学生記録を狙い、上を目指して取り組んできた」ことが今回の快走につながった。
「駅伝を走るために名城大に進学した」と話すように、4年生として最後の全日本大学女子駅伝を月末に控える。「そこでしっかり結果を残し、今年度中には、学生記録(15分13秒09)を更新したい」と力を込める。
15分23秒09で2位に敗れた廣中は、「自分のコンディションが悪いなか、どれだけ走れるかと思っていたので、2位でも悔いはありません。3年ぶりの国体の開催で、長崎代表として走れる喜びをかみしめながら挑みました。ここから駅伝シーズンに向け少しずつ体調を上げていきたい」とさばさばとした表情で話した。
文/花木 雫
■女子5000m学生歴代10傑
15.13.09 W.ワンガリ(立命館APU4) 2008. 4. 5
15.16.71 山本 有真(名城大4) 2022.10.10
15.17.53 木村 泰子(京産大2) 1995. 6.10
15.20.68 不破聖衣来(拓大1) 2021. 7.17
15.22.86 佐藤 由美(京産大3) 1997.10. 3
15.23.70 藤永 佳子(筑波大1) 2000. 5.13
15.24.99 竹中 理沙(立命大3) 2010.12. 5
15.25.14 和田 有菜(名城大3) 2020.12. 4
15.25.50 西原 加純(佛教大4) 2010.12. 5
15.26.72 吉本ひかり(佛教大3) 2010. 4.18

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