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2022.10.09

青学大・原監督「前半はハイペースな展開になる」各校3区に主力が集中/出雲駅伝前日会見
青学大・原監督「前半はハイペースな展開になる」各校3区に主力が集中/出雲駅伝前日会見

10月10日(日)に開催される出雲駅伝の前日会見が9日に行われ、上位争いが予想される7大学(青学大、順大、駒大、東洋大、東京国際大、中大、國學院大)の指揮官がプレスインタビューに応えた。

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「ここに並んでいるチームの中から優勝するでしょう。私どもも負けないように優勝争いに絡んでいきたい。久しぶりに出雲駅伝が大激戦になる。テレビをご覧の皆さんにはワクワクをお届けできる大会になるのではないかと思います」

こう口火を切ったのは、今年の箱根駅伝を制した青学大の原晋監督。エース級の近藤幸太郎、中村唯翔(ともに4年)を補員登録したことを問われると「パフォーマンスです」と冗談めかして答えた。

前回大会で初出場・初優勝を果たしたのが東京国際大。連覇がかかるが、大志田秀次監督は「『今年は連覇?』とよく聞かれるのですが、今年のチームで今年の戦い方をして流れに乗り、最終的には一番でフィニッシュしたいと思います。連覇にこだわらずに、選手がのびのびと自分の走りをしてくれることを期待したいと思います」とコメントした。

今夏は昨年度よりも練習の質を上げたところ故障者が増えたといい、前回の優勝メンバーのうち、山谷昌也(4年)ら半数がメンバー外だった。補員登録された日本人エース・丹所健(4年)の起用どころが鍵となりそうだ。

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オリンピアンの三浦龍司(3年)を擁する順大は、経験豊富な4年生を4区間にエントリー。「本学は学生たちが3冠を目標に掲げており、力のある4年生がまとまっています。初戦である出雲駅伝では幸先の良いスタートを切りたい。優勝とはなかなか言えないかもしれませんが、できるだけ長い時間優勝争いができたらいいなと思っています」と、長門俊介駅伝監督は目標を口にした。

3000m障害で東京五輪7位、今年は世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ファイナルで4位に入ったスーパーエース・三浦龍司(3年)を補員登録したことについては「ギリギリまで何が起こるか分からないので、いろんなところに対応できる三浦を補員にしました」と説明した。

駒大は、2区に注目のルーキー・佐藤圭汰を起用し、3区起用の大エース・田澤廉(4年)につなぐ。4月の日本学生個人選手権10000m優勝の篠原倖太朗(2年)らを欠いたものの、次期エース候補の鈴木芽吹(3年)が長期のケガから回復し、アンカーに登録された。盤石の布陣といえそうだ。

「三大駅伝初戦、私どもも3冠を狙っていきたいと選手たちは言っていますので、しっかり先頭争いをできるように、最終的には優勝できるようにがんばっていきたいと思います」と大八木弘明監督は意気込む。

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出雲駅伝を「チャレンジ」と位置づける東洋大は、6人中3人が2年生とフレッシュな顔ぶれで「3位以内」を目標に掲げる。

「出雲駅伝らしい、新しいことを試したい。今夏は、強度的にはここ数年の中でも高強度の練習を入れながらも、故障者の数は例年より少なかった。相対的には誰を起用してもいい状況までトレーニングができたと思う」

酒井俊幸監督は、夏合宿の充実ぶりを強調する。昨年もエースの松山和希(3年)がメンバー外だったが、3位に食い込む健闘を見せており、今回もしぶとい駅伝を見せそうだ。

今回9年ぶりの出場となるのが中大だ。「9大会ぶりですが、学生たちが『3位以内を目指したい』と言ってきましたので、そのあたりを目指してがんばりたいと思います。前年の卒業生たちのがんばりのおかげでこの地に来られましたので、その子たちの分も楽しくやらせていただきたいなと思います」と藤原正和駅伝監督に気負いはない。直近の記録会等で好記録を連発して勢いがあるだけに、ダークホースとなる可能性も秘めているだろう。

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3年前のチャンピオンである國學院大も充実している。前半3区間を勢いのある下級生が担い、後半3区間には頼れる上級生を配した。「学生たちは3番以内を目標を掲げてこの地に来ましたが、混戦が予想されるなか、しっかり勝ち切りたいという思いが強くなってきています。しっかり勝負して、優勝争いに絡みと思います」と、前田康弘監督は自信をのぞかせる。去年の夏は主力選手がほとんど故障し、出雲は急ピッチの仕上げで臨んだ。今年の夏は主力選手が充実した夏を過ごすことができたそうで、「昨年よりも良いかたちで臨めそうです」と明るい表情を見せた。

例年は最長区間の6区にエース格を起用し、アンカー勝負を仕掛けるチームが多かったが、今回は3区に各大学のエース級の選手が集った印象がある。

「6区間しかありませんし、距離も短いので、全区間とりこぼしがない戦いをしないと優勝はできない。各大学3区に主力を起用しており、ここで置いていかれるか、前に出ていくかによって、ある程度順番がわかってくるのかなと思います。明日は西風がかなり強いと思いますので、前半はハイペースな展開になると思う」

青学大の原監督がこう話すように、序盤から目が離せないレースが繰り広げられそうだ。

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【会見出席大学の暫定オーダー一覧】

●青学大
1区 目片将大(4年)
2区 横田俊吾(4年)
3区 野村昭夢(2年)
4区 志貴勇斗(3年)
5区 田中悠登(2年)
6区 山内健登(3年)
補員 近藤幸太郎(4年)
補員 中村唯翔(4年)

●順大
1区 野村優作(4年)
2区 石井一希(3年)
3区 伊豫田達弥(4年)
4区 油谷航亮(2年)
5区 西澤侑真(4年)
6区 四釜峻佑(4年)
補員 三浦龍司(3年)
補員 石岡大有(1年)

●駒大
1区 花尾恭輔(3年)
2区 佐藤圭汰(1年)
3区 田澤 廉(4年)
4区 山野 力(4年)
5区 安原太陽(3年)
6区 鈴木芽吹(3年)
補員 伊藤蒼唯(1年)
補員 山川拓馬(1年)

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●東洋大
1区 児玉悠輔(4年)
2区 甲木康博(2年)
3区 石田洸介(2年)
4区 佐藤真優(3年)
5区 前田義弘(4年)
6区 吉田 周(3年)
補員 奥山 輝(4年)
補員 西村真周(3年)

●東京国際大
1区 冨永昌輝(2年)
2区 白井勇佑(2年)
3区 Y.ヴィンセント(4年)
4区 川端拳史(3年)
5区 堀畑佳吾(4年)
6区 村松敬哲(3年)
補員 丹所 健(4年)
補員 林 優策(3年)

●中央大
1区 吉居大和(3年)
2区 千守倫央(4年)
3区 中野翔太(3年)
4区 阿部陽樹(3年)
5区 溜池一太(1年)
6区 吉居駿恭(1年)
補員 若林陽大(4年)
補員 湯浅 仁(3年)

●國學院大
1区 青木瑠郁(1年)
2区 山本歩夢(2年)
3区 平林清澄(2年)
4区 中西大翔(4年)
5区 藤本 竜(4年)
6区 伊地知賢造(3年)
補員 坂本健悟(4年)
補員 上原琉翔(1年)

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文/和田悟志

10月10日(日)に開催される出雲駅伝の前日会見が9日に行われ、上位争いが予想される7大学(青学大、順大、駒大、東洋大、東京国際大、中大、國學院大)の指揮官がプレスインタビューに応えた。 「ここに並んでいるチームの中から優勝するでしょう。私どもも負けないように優勝争いに絡んでいきたい。久しぶりに出雲駅伝が大激戦になる。テレビをご覧の皆さんにはワクワクをお届けできる大会になるのではないかと思います」 こう口火を切ったのは、今年の箱根駅伝を制した青学大の原晋監督。エース級の近藤幸太郎、中村唯翔(ともに4年)を補員登録したことを問われると「パフォーマンスです」と冗談めかして答えた。 前回大会で初出場・初優勝を果たしたのが東京国際大。連覇がかかるが、大志田秀次監督は「『今年は連覇?』とよく聞かれるのですが、今年のチームで今年の戦い方をして流れに乗り、最終的には一番でフィニッシュしたいと思います。連覇にこだわらずに、選手がのびのびと自分の走りをしてくれることを期待したいと思います」とコメントした。 今夏は昨年度よりも練習の質を上げたところ故障者が増えたといい、前回の優勝メンバーのうち、山谷昌也(4年)ら半数がメンバー外だった。補員登録された日本人エース・丹所健(4年)の起用どころが鍵となりそうだ。 オリンピアンの三浦龍司(3年)を擁する順大は、経験豊富な4年生を4区間にエントリー。「本学は学生たちが3冠を目標に掲げており、力のある4年生がまとまっています。初戦である出雲駅伝では幸先の良いスタートを切りたい。優勝とはなかなか言えないかもしれませんが、できるだけ長い時間優勝争いができたらいいなと思っています」と、長門俊介駅伝監督は目標を口にした。 3000m障害で東京五輪7位、今年は世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ファイナルで4位に入ったスーパーエース・三浦龍司(3年)を補員登録したことについては「ギリギリまで何が起こるか分からないので、いろんなところに対応できる三浦を補員にしました」と説明した。 駒大は、2区に注目のルーキー・佐藤圭汰を起用し、3区起用の大エース・田澤廉(4年)につなぐ。4月の日本学生個人選手権10000m優勝の篠原倖太朗(2年)らを欠いたものの、次期エース候補の鈴木芽吹(3年)が長期のケガから回復し、アンカーに登録された。盤石の布陣といえそうだ。 「三大駅伝初戦、私どもも3冠を狙っていきたいと選手たちは言っていますので、しっかり先頭争いをできるように、最終的には優勝できるようにがんばっていきたいと思います」と大八木弘明監督は意気込む。 出雲駅伝を「チャレンジ」と位置づける東洋大は、6人中3人が2年生とフレッシュな顔ぶれで「3位以内」を目標に掲げる。 「出雲駅伝らしい、新しいことを試したい。今夏は、強度的にはここ数年の中でも高強度の練習を入れながらも、故障者の数は例年より少なかった。相対的には誰を起用してもいい状況までトレーニングができたと思う」 酒井俊幸監督は、夏合宿の充実ぶりを強調する。昨年もエースの松山和希(3年)がメンバー外だったが、3位に食い込む健闘を見せており、今回もしぶとい駅伝を見せそうだ。 今回9年ぶりの出場となるのが中大だ。「9大会ぶりですが、学生たちが『3位以内を目指したい』と言ってきましたので、そのあたりを目指してがんばりたいと思います。前年の卒業生たちのがんばりのおかげでこの地に来られましたので、その子たちの分も楽しくやらせていただきたいなと思います」と藤原正和駅伝監督に気負いはない。直近の記録会等で好記録を連発して勢いがあるだけに、ダークホースとなる可能性も秘めているだろう。 3年前のチャンピオンである國學院大も充実している。前半3区間を勢いのある下級生が担い、後半3区間には頼れる上級生を配した。「学生たちは3番以内を目標を掲げてこの地に来ましたが、混戦が予想されるなか、しっかり勝ち切りたいという思いが強くなってきています。しっかり勝負して、優勝争いに絡みと思います」と、前田康弘監督は自信をのぞかせる。去年の夏は主力選手がほとんど故障し、出雲は急ピッチの仕上げで臨んだ。今年の夏は主力選手が充実した夏を過ごすことができたそうで、「昨年よりも良いかたちで臨めそうです」と明るい表情を見せた。 例年は最長区間の6区にエース格を起用し、アンカー勝負を仕掛けるチームが多かったが、今回は3区に各大学のエース級の選手が集った印象がある。 「6区間しかありませんし、距離も短いので、全区間とりこぼしがない戦いをしないと優勝はできない。各大学3区に主力を起用しており、ここで置いていかれるか、前に出ていくかによって、ある程度順番がわかってくるのかなと思います。明日は西風がかなり強いと思いますので、前半はハイペースな展開になると思う」 青学大の原監督がこう話すように、序盤から目が離せないレースが繰り広げられそうだ。 【会見出席大学の暫定オーダー一覧】 ●青学大 1区 目片将大(4年) 2区 横田俊吾(4年) 3区 野村昭夢(2年) 4区 志貴勇斗(3年) 5区 田中悠登(2年) 6区 山内健登(3年) 補員 近藤幸太郎(4年) 補員 中村唯翔(4年) ●順大 1区 野村優作(4年) 2区 石井一希(3年) 3区 伊豫田達弥(4年) 4区 油谷航亮(2年) 5区 西澤侑真(4年) 6区 四釜峻佑(4年) 補員 三浦龍司(3年) 補員 石岡大有(1年) ●駒大 1区 花尾恭輔(3年) 2区 佐藤圭汰(1年) 3区 田澤 廉(4年) 4区 山野 力(4年) 5区 安原太陽(3年) 6区 鈴木芽吹(3年) 補員 伊藤蒼唯(1年) 補員 山川拓馬(1年) ●東洋大 1区 児玉悠輔(4年) 2区 甲木康博(2年) 3区 石田洸介(2年) 4区 佐藤真優(3年) 5区 前田義弘(4年) 6区 吉田 周(3年) 補員 奥山 輝(4年) 補員 西村真周(3年) ●東京国際大 1区 冨永昌輝(2年) 2区 白井勇佑(2年) 3区 Y.ヴィンセント(4年) 4区 川端拳史(3年) 5区 堀畑佳吾(4年) 6区 村松敬哲(3年) 補員 丹所 健(4年) 補員 林 優策(3年) ●中央大 1区 吉居大和(3年) 2区 千守倫央(4年) 3区 中野翔太(3年) 4区 阿部陽樹(3年) 5区 溜池一太(1年) 6区 吉居駿恭(1年) 補員 若林陽大(4年) 補員 湯浅 仁(3年) ●國學院大 1区 青木瑠郁(1年) 2区 山本歩夢(2年) 3区 平林清澄(2年) 4区 中西大翔(4年) 5区 藤本 竜(4年) 6区 伊地知賢造(3年) 補員 坂本健悟(4年) 補員 上原琉翔(1年) 文/和田悟志

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