月刊陸上競技が発信する国内初の陸上競技総合Webメディア

【展望】日本選手権・室内競技/五輪出場に向けトップ選手が大阪城に集結

【展望】
日本選手権・室内競技 大会展望
五輪出場に向けトップ選手が大阪城に集結

2月1日、2日、大阪城ホールで日本選手権・室内競技が開催される。

例年、ジュニア選手を中心とした大会として定着していた室内競技会だが、東京五輪の代表選考の一つであるワールドランキングを上げる目的で、今年からシニアの部を「日本選手権」とし、大会の格づけ(カテゴリー)もFからDへとランクアップした。

ワールドランキングとは……選手の記録、順位、大会の格付けによってポイント化し、個人の上位成績(※種目によって規定の試合数は異なる)の平均ポイントで順位づけされる。スコアは「リザルトスコア+プレイシングスコア」で計算される。リザルトスコアは「屋内外、世界陸連得点表、風速など」から算出し、プレイシングスコアは「大会のカテゴリーやラウンド、エリアチャンピオンシップなど」によって決定する。

東京五輪は各種目に参加標準記録と出場枠が設定されている。参加標準記録を突破した選手が出場枠に満たない場合は、この「ワールドランキング」の上位から出場権を得ることになる。そのワールドランキングでのポイント獲得を狙って、日本選手権・室内競技には日本トップクラスの選手が集い、華やかな顔ぶれとなった。

大会は入場無料。屋外スタジアムと異なり、間近で選手のハイパフォーマンスを観戦することができるオススメの大会。いくつかの注目種目を紹介する。

スタートリスト
競技日程

U20・U16の展望はこちら

●男子60m
世界選手権代表の多田、白石が参戦
室内日本記録 6秒54(S・A・ハキーム、川上拓也)
多田修平(住友電工)

 ドーハ世界選手権の4×100mリレー銅メダルメンバーから、多田修平(住友電工)、白石黄良々(セレスポ)がエントリーした。

 多田は大学1年の終わりの2016年の大会(当時はオープン)に出場し、6秒66をマーク。優勝した山縣亮太(セイコー)に肉薄し、その後のブレークの予兆を感じさせた。昨年は6秒58の好タイムをマークし、持ち前のスタートからの加速で地元・大阪の観衆を沸かせた。

 リレーにとどまらず個人でも200mで世界選手権出場を果たすなど、一躍トップスプリンターの仲間入りを果たした白石。得意なのは200mだが、本人は100mへの意欲も高い。現在、大東大の佐藤真太郎コーチに師事して高め合っている2人の激突に注目が集まる。

 また、東洋大の宮本大輔もエントリー。100m中学記録を樹立し、中学卒業前のこの大会60m(中学生の部)では優勝している。大学2年目を迎えた昨年は、関東インカレ100m連覇など前半戦は存在感を示したが、後半はケガで苦しんだ。復調度合いも含めて、新しい宮本大輔を示すことができるか。

●男子棒高跳
東京五輪にらみトップ3がそろう
日本記録 5m83(澤野大地)

江島雅紀(日大)

 昨年の日本ランキング上位選手が軒並み出場する。日本選手権トップ3でドーハ世界選手権代表の江島雅紀(日大)、澤野大地(富士通)、山本聖途(トヨタ自動車)の空中戦には大きな期待が寄せられる。また、昨年5m61のベストを跳んだ澤慎吾(きらぼし銀行)もこの争いに加わるかもしれない。

 東京五輪の参加標準記録は5m80。これを超えたことのある日本人は澤野ただ一人で、これを超えるためには、日本記録5m83を狙えるような力が必要となるだろう。

 棒高跳の五輪出場枠は「32」。1月21日時点のワールドランキング(1ヵ国3選手)では、山本が16位、江島が26位、澤野が38位に位置している。中国で開催予定だったアジア室内選手権が新型肺炎の影響で中止が決定。

 もちろん、参加標準記録突破することが最善だが、ここでポイントを稼いでおくのも大事になってくる。

●女子60mH
日本トップハードラーの競演
室内日本記録 8秒12(金沢イボンヌ)

寺田明日香(パソナグループ)

 昨年100mハードルで日本人初の12秒台をマークして歴史を作った寺田明日香(パソナグループ)が初参戦する。

 高校時代からタイトルを総なめにしてきた寺田だが、13年に引退し、出産、ラグビー経験を経て19年4月にレース復帰。1ヵ月後には13秒19をマークして衝撃を与えた。それだけにとどまらず、日本選手権で3位に入ると、7月に13秒07、8月に13秒00の日本タイ記録と勢いを増す。

 そして9月に12秒97の日本新。金沢イボンヌが2000年に打ち立てた13秒00を更新した。室内60mハードルの日本記録は奇しくも金沢の持つ8秒12。これを塗り替えてくるだろうか。

 もちろん、ライバルたちも多士済々。こちらも高校時代から〝無敵〟を誇り、実業団1年目で本格化した福部真子(日本建設工業)も好調だ。福部は高校卒業間際の14年にこの大会(ジュニアの部)に出場して8秒57で優勝。久しぶりのレースでどんな走りを見せるか。

 昨年の大会(オープン)で8秒18をマークした青木益未(七十七銀行)も順調に冬季を過ごしているという。また、前回第1レースでU20日本記録となる8秒29をマークした小林歩未(筑波大、当時・市船橋高)もエントリーしている。

 100mハードルの出場枠は「40」で、ワールドランキング(1ヵ国3選手、1月21日時点)では、木村文子(エディオン)が21位、紫村仁美(東邦銀行)が35位。2人は今大会エントリーしていない。いずれも100mハードル参加標準記録の12秒84は当然狙っているものの、ランキング外の寺田や41位の青木らは、ここでランキングを上げておきたいところだ。

 今大会は入場無料。室内大会はスタンドからアリーナの距離も近く、選手たちのスピード感や迫力をダイレクトに感じることができる。スプリント時の足音や、歓喜の声、コーチの指示など、普段は聞き取れない〝音〟も聞こえてくる。海外では室内競技会が盛んに行われ、たくさんの観客でにぎわうことも。オリンピックイヤー初戦となる日本選手権・室内競技、日本室内大阪大会に、ぜひ足を運んでみてほしい。

▼大会期間中は動画でLIVE配信あり
◎1日目(2月1日)

◎2日目(2月2日)

文/向永拓史



月刊陸上競技最新号

WordPress Theme NATURAL PRESS by WEB-JOZU.com