陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が7月15日から7月24日までの10日間、米国・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで行われている。
Day5はイブニングセッションのみの日程となり、日本勢では日本時間19日10時50分(以下文中は日本時間)からの男子200m準決勝に上山紘輝(住友電工)と飯塚翔太(ミズノ)の2人が登場する。決勝進出条件は各組2着までと3着以下のタイム上位2名。決勝進出となれば2003年パリ大会の末續慎吾、2017年ロンドン大会のサニブラウン・アブデル・ハキーム以来、3回目の快挙となる
上山は予選を日本歴代9位の20秒26(+1.0)の2着で突破し、初の世界大会ながら勢いに乗る。準決勝では3組6レーンにエントリーされた。同組にはU20世界記録保持者で“ポスト・ウサイン・ボルト”の呼び声も高い18歳のエリヨン・ナイトン(米国)や、昨年の東京五輪入賞のアーロン・ブラウン(カナダ)、ラッシャード・ドワイアー(ジャマイカ)、19秒88のベストを持つ謝震業(中国)など、そうそうたる顔ぶれがそろった。自己記録の比較では8人中7番目だが、予選を上回る走りができれば、決勝の可能性も見えてくる。
一方、予選を20秒72(±0)の組3着で通過した飯塚は3度目のセミファイナリストに。飯塚の1組には今大会100m金メダルのフレッド・カーリー(米国)や世界歴代2位の記録を持つヨハン・ブレイク(ジャマイカ)も走る。2レーンに入った飯塚は、1レーンのブレイクに着いていくことで、シーズンベストや自己ベストの更新を目指したい。
また、2組目には前回王者のノア・ライルズ(米国)、東京五輪銀のケネス・ベドナレク(米国)が出場。100mに続く米国勢のメダル独占に向けて、4人全員が決勝に進みたいところだ。
決勝が行われる4種目で、特に注目なのが11時50分からの男子400mハードルだ。
東京五輪ではカルステン・ワルホルム(ノルウェー)が45秒94の世界新で金メダルを獲得。2位のライ・ベンジャミン(米国)、3位のアリソン・ドス・サントス(ブラジル)も世界歴代2位、3位の好タイムをマークした。昨年からダイヤモンドリーグなどで何度も対戦している3人は、今回も順当に決勝に駒を進めている。
6月の大会で脚を痛めたワルホルムは準決勝で48秒00のシーズンベストをマーク。3連覇を疑問視する声を払拭した。ベンジャミンも悠々と準決勝を突破し、5月に今季世界最高記録の46秒80を出しているドス・サントスは準決勝で、ただ1人47秒台となる47秒85で走った。直近の記録面ではドス・サントスがライバルを1歩リードしている。決勝ではベンジャミンが3レーン、ワルホルムが4レーン、ドス・サントスが6レーンに入った。コース的にはライバルの走りを見ながら走れる内側の選手が有利と見られるが、勢いのあるドス・サントスが逃げ切る可能性もありそうだ。
男子1500mは東京五輪で1位、2位を分け合ったのヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)とティモシー・チェルイヨット(ケニア)の一騎打ちが予想される。これにケニアのトライアルで優勝したアベル・キプサング(ケニア)がどこまで迫れるか。
女子走高跳(9時40分)はヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)が1歩リード。3月の世界室内選手権も、ロシアによる軍事侵攻のさなかにウクライナ国内から3日掛けて移動して参戦し、見事に優勝を飾った。今季ベストの2m03は唯一の2m台であり、金メダルで母国に勇気と希望を与えたい。
男子円盤投(10時33分)は五輪王者のダニエル・ストール(スウェーデン)に23歳の新鋭・クリスティアン・チェー(スロベニア)が挑む構図だ。シーズンベストはストールが6月に71m47の今季世界最高を投げてリードするが、今季の対戦成績はストールの1勝に対し、チェーの5勝となっている。新たな王者の誕生となるだろうか。
このほか、女子400mハードル予選(9時15分)と女子200m準決勝(10時05分)が行われる。

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