7月15日から開幕するオレゴン世界選手権の日本代表の第一陣が7月10日、成田空港から米国オレゴン州ユージンに向けて出発した。
この日のメンバーは男子主将の橋岡優輝、同3000m障害の三浦龍司(順大)、同100mの坂井隆一郎(大阪ガス)、女子中長距離の田中希実(豊田自動織機)ら選手約20名と、山崎一彦監督らスタッフ陣。選手はそのほとんどが大会初日から登場するとあって、気合十分の表情で出発ゲートを後にした。
メディアの取材に応じた橋岡は、主将として「代表は新しい顔ぶれが多いので、初日、2日目で勢いづけられるように、僕ががんばりたい」と力強く語った。前回が7m97で8位だった個人に向けても、「前回以上の成績をしっかり残したい。8mを跳んで、上位入入賞したい」。
昨年の東京五輪は予選を1回目の試技で突破しながらも、中1日を経た決勝は疲労から思うような跳躍ができなかった。世界選手権は予選が初日、決勝はその翌日というハードルスケジュールだが、「それは他の選手も同じ。今年から栄養面のアドバイスを受けるようになり、どうすればベストかを予想しながら実行してきた」と対策は練ってきた。同時に、「ピークを予選に合わせず、決勝にもってくる」というトライも考えているという。
800m、1500m、5000mの3種目出場へのチャレンジを決めた田中は、「思った以上に良くなるか、ダメになるかやってみなければわからないけど、だからこそ楽しみ」と話す。
ラウンドを突破していけば、毎日のようにレースがある状況だが、「私が一番長く戦う姿を見てもらえる」とハードスケジュールに挑む覚悟を決めた。
「気持ちが疲れていなければ、身体はいける。あとは力をどう発揮していくかをメインにやっていくという段階まで来た。3種目でどんな結果になるかは、最初の1500m次第だと思う。うまく波に乗っていきたい」
男子200mと4×100mリレー代表の小池祐貴(住友電工)は、「世界一を決める大会に出場できるのはシンプルにうれしい」と笑顔をのぞかせる。個人では前回準決勝に進んだ100mは出場を逃し、200mのみとなったが、「200mは自分の力を出し切った選手が結果を出していく印象がある。タイムよりもフィーリングを重視し、行けるなら(最初から)行くというスタイルでいけるよう、向こうで調整していきたい」と話した。
また、4×100mリレーでも年長者として「チームとしてはメダルを目標に」ときっぱり。1週間前のリレー合宿では、目標に向けた記録水準などが提示されたそうで、「自分たちがこれぐらいいけばいいという目標値をほぼ達成できている」と手応えを得たようだ。
男子3000m障害の三浦龍司(順大)は「心も身体もこれから」という段階だそうで、「第一目標は決勝に残ること、東京五輪の再現ができれば最高と思っている」。
その東京五輪では、日本陸上チームのトップバッターとして出場。8分09秒92の日本新記録で予選突破を果たしてチームを勢いづけるとともに、決勝でも7位入賞の快挙を成し遂げた。その経験は大きく、初めての世界選手権にも「過剰に反応することなく、自分のペースでできている」と言う。
6月30日には初めてダイヤモンドリーグに出場。3000mではあったが、「障害がなくなると、走力の差がもろに出ると感じた」。だが、「すべては自分の最終的な目標を達成するための糧」と、さらなる飛躍へ気を引き締めていた。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)