HOME ニュース、国内

2022.01.30

福士加代子 大阪で笑顔のラストラン 五輪4大会出場のレジェンドが現役生活に幕
福士加代子 大阪で笑顔のラストラン 五輪4大会出場のレジェンドが現役生活に幕


現役引退を発表している女子長距離のレジェンド・福士加代子(ワコール)が、ラストレースとなる大阪ハーフマラソンに出場し、1時間16分を過ぎたあたりでフィニッシュした。

最後まで笑顔だった。長居スタジアムの最後の直線。右手を何度か挙げながらフィニッシュへ向かう。12月に現役引退を発表した福士。1月16日の都道府県対抗女子駅伝を終え、残すはこの大阪ハーフマラソンだけだった。挫折も栄光も味わった大阪。福士は「代名詞」とも言える満面の笑みでフィニッシュした。「マジできついって。こんなボロボロになるはずじゃないのに」。やっぱり笑っていた。

数々の記録を打ち立て、オリンピックは4大会出場。5大会出場した世界選手権では13年のモスクワ大会マラソン銅メダル。まさに日本陸上界のレジェンドだった。

広告の下にコンテンツが続きます

1982年3月生まれで、青森・五所川原工高から2000年にワコールに入社。01年に3000m、5000m、10000mの3種目でジュニア日本新記録を打ち立てて頭角を現した。

02年の日本選手権で5000mと10000mで2冠を獲得。7月に5000mで日本記録を更新すると、10月の釜山アジア大会では、日本記録をさらに0.02秒更新する14分55秒19をマーク。10000mでは日本歴代2位の30分51秒81でいずれも銀メダルを手にした。

初の五輪代表となった04年のアテネ大会では10000mに出場。08年北京(5000mと10000m)、12年ロンドン(5000mと10000m)に出場するなど、トラック種目で日本女子長距離界を牽引した。

マラソン初挑戦は08年の大阪国際で、この時は終盤にスタミナ切れを起こして失敗。4度目の挑戦となった13年の大阪国際で2位(後に優勝者のドーピング違反で繰り上げ優勝)に入り、同年のモスクワ世界選手権代表に選ばれた。本番では日本勢2大会ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。

16年の大阪国際で優勝を果たし、リオ五輪代表に選出。4回目の五輪は14位だった。30代後半を迎えてからも第一線で活躍。19年の名古屋ウィメンズで日本人2番目の8位に入り、東京五輪マラソン代表を決める同年9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)にも出場している(7位)。

トラックのラストランは昨年5月、東京五輪選考会の日本選手権10000m。引退レースを前にしても「さっそうとかっこよく走りたい」。現役ラストに選んだのは、転倒しながらもフィニッシュし、そして世界への扉を掴んだ大阪。倒れても倒れても、笑顔で走り続けてきた、誰からもあこがれられ、目標とされた日本陸上界のレジェンドがシューズを脱いだ。

自己記録は5000m14分53秒22(05年、日本歴代2位)、10000m30分51秒81(02年、日本歴代4位)、マラソン2時間22分17秒(16年、日本歴代10位)。

現役引退を発表している女子長距離のレジェンド・福士加代子(ワコール)が、ラストレースとなる大阪ハーフマラソンに出場し、1時間16分を過ぎたあたりでフィニッシュした。 最後まで笑顔だった。長居スタジアムの最後の直線。右手を何度か挙げながらフィニッシュへ向かう。12月に現役引退を発表した福士。1月16日の都道府県対抗女子駅伝を終え、残すはこの大阪ハーフマラソンだけだった。挫折も栄光も味わった大阪。福士は「代名詞」とも言える満面の笑みでフィニッシュした。「マジできついって。こんなボロボロになるはずじゃないのに」。やっぱり笑っていた。 数々の記録を打ち立て、オリンピックは4大会出場。5大会出場した世界選手権では13年のモスクワ大会マラソン銅メダル。まさに日本陸上界のレジェンドだった。 1982年3月生まれで、青森・五所川原工高から2000年にワコールに入社。01年に3000m、5000m、10000mの3種目でジュニア日本新記録を打ち立てて頭角を現した。 02年の日本選手権で5000mと10000mで2冠を獲得。7月に5000mで日本記録を更新すると、10月の釜山アジア大会では、日本記録をさらに0.02秒更新する14分55秒19をマーク。10000mでは日本歴代2位の30分51秒81でいずれも銀メダルを手にした。 初の五輪代表となった04年のアテネ大会では10000mに出場。08年北京(5000mと10000m)、12年ロンドン(5000mと10000m)に出場するなど、トラック種目で日本女子長距離界を牽引した。 マラソン初挑戦は08年の大阪国際で、この時は終盤にスタミナ切れを起こして失敗。4度目の挑戦となった13年の大阪国際で2位(後に優勝者のドーピング違反で繰り上げ優勝)に入り、同年のモスクワ世界選手権代表に選ばれた。本番では日本勢2大会ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。 16年の大阪国際で優勝を果たし、リオ五輪代表に選出。4回目の五輪は14位だった。30代後半を迎えてからも第一線で活躍。19年の名古屋ウィメンズで日本人2番目の8位に入り、東京五輪マラソン代表を決める同年9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)にも出場している(7位)。 トラックのラストランは昨年5月、東京五輪選考会の日本選手権10000m。引退レースを前にしても「さっそうとかっこよく走りたい」。現役ラストに選んだのは、転倒しながらもフィニッシュし、そして世界への扉を掴んだ大阪。倒れても倒れても、笑顔で走り続けてきた、誰からもあこがれられ、目標とされた日本陸上界のレジェンドがシューズを脱いだ。 自己記録は5000m14分53秒22(05年、日本歴代2位)、10000m30分51秒81(02年、日本歴代4位)、マラソン2時間22分17秒(16年、日本歴代10位)。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.24

女子はレムンゴルが2連覇達成 男子はサミュエルがV/全米学生クロカン

11月22日、米国ミズーリ州コロンビアで全米学生クロスカントリー選手権が行われ、女子(6km)はD.レムンゴル(アラバマ大/ケニア)が18分25秒4で連覇を飾った。 レムンゴルはケニア出身の23歳。23年秋にアラバマ大に […]

NEWS 七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福

2025.11.24

七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福

女子七種競技東京世界選手権金メダリストのA.ホール(米国)が婚約を自身のSNSで発表した。お相手はNFL選手でニューヨーク・ジャイアンツ所属のダリアス・スレイトンさん。「初めて出会った場所で、永遠を誓う」というテキストと […]

NEWS バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー

2025.11.24

バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー

11月23日、世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールド第6戦のアタプエルカ国際クロスがスペイン・アタプエルカで行われ、女子(6.821km)はパリ五輪・東京世界選手権10000m銀メダリストのN.バットクレッティ […]

NEWS 円盤投・湯上剛輝が2大会ぶり世界一「やっと取れた」デフリンピック新の58m93

2025.11.24

円盤投・湯上剛輝が2大会ぶり世界一「やっと取れた」デフリンピック新の58m93

聴覚障害者のスポーツ国際大会、デフリンピックの陸上競技が行われ、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が金メダルを獲得した。 64m48の日本記録を持ち、今年の東京世界選手権にも出場した湯上。「理想の展開としては1回目にし […]

NEWS 3区で五島莉乃と廣中璃梨佳が熱走!東京世界陸上はじめ「日本代表」たちが力走/クイーンズ駅伝

2025.11.24

3区で五島莉乃と廣中璃梨佳が熱走!東京世界陸上はじめ「日本代表」たちが力走/クイーンズ駅伝

◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 女子駅伝日本一を懸けた全日本実業団対抗女子駅伝が行われ、「日本代表」 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top