◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km)
激動の箱根駅伝で、文字通り「栄枯盛衰」を味わってきたのが名門・中大だ。かつては6連覇(1959~1964年)の金字塔を成し遂げるなど、総合優勝は最多14回。出場回数も95回目でトップにつけるが、近年は低迷した。
今季も予選会からの出場。だが、今大会は1区・吉居大和(2年)が区間新記録の爆走でスタートすると、往路を6位で折り返した。そして復路も力強いレース運びを見せる。
6区・若林陽大(3年)が区間5位の好走で5位に浮上すると、7区・居田優太(2年)は脚にアクシデントがありながら7位に踏みとどまる。続く中澤雄大(3年)は4人抜きで3位に急上昇した。タスキを受けた湯浅仁(2年)も区間3位の走りで順位をキープ。アンカーの井上大輝(4年)は6位まで順位を落とすが、序盤からハイペースでレースを進めて駒大とも競り合った。
主将の6位フィニッシュに「C」のマークが大手町で久しぶりに沸いた。シード権獲得は実に10年ぶり。名門復活への大きな一歩になった。
「復路は若林と中澤をポイント区間にしていました。居田は16㎞辺りで脚を結構叩いていたので、無理をさせずにしっかりとつなぐことを優先させました。湯浅は非常に調子が良かったので、実力をしっかりと発揮してくれましたね。アンカーの井上も攻めの走りをしてくれました。往路・復路とも100点のレースです。学生に少しずつ強さが備わってきたなと思っています」(藤原正和駅伝監督)
レジェンドが指揮官に就任して6年目。1年目は予選会敗退で、連続出場が87で途切れた。その屈辱から、着実にチーム力を上げ、今季は全日本大学駅伝に9年ぶりに出場すると、10年ぶりにシード権を獲得。箱根駅伝では10年ぶりのシード権を獲得しただけでなく、10区の途中までトップスリーを争った。
「今年のチームは全日本大学駅伝でひとつ大きな自信を得て、この大会でも結果を出せた。ようやく強化のサイクルと結果がリンクし始めたかなと感じているので、来季は表彰台に乗れるようにやっていきたいなと思っています」と藤原監督が言えば、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ主将・井上も「みんなに感謝していますし、これから強いチームになっていくと思います」と後輩たちに期待を込めた。
1区・吉居はMVPに当たる金栗四三杯を受賞し、名門に新たな勲章が加わった。ようやく前進を始めた超名門。目指すは100回大会での総合優勝。かつての“栄光”を取り戻す時がいよいよ近づいてきた。

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