HOME 駅伝、箱根駅伝

2022.01.04

青学大、10分以上の大差をつける歴史的圧勝で2年ぶり王座奪還!「駅伝男」岸本&佐藤の復路起用が的中「総合力で優勝できた」/箱根駅伝
青学大、10分以上の大差をつける歴史的圧勝で2年ぶり王座奪還!「駅伝男」岸本&佐藤の復路起用が的中「総合力で優勝できた」/箱根駅伝


◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km)

箱根駅伝で青学大が2年ぶり6度目の総合優勝を『圧巻レース』で完結させた。

往路で2位・帝京大に2分37秒差というセーフティリードを奪った青学大だが、原晋監督は「復路優勝と完全優勝を狙います」とギアを緩めない。青学大の選手は後ろを気にすることなく、ひたすら前を見つめて攻め込んだ。

6区・高橋勇輝(4年)は「あとの4人に負担をかけてしまいました」と悔しい走りも、区間8位でまとめると、7区・岸本大紀(3年)は区間賞の快走でリードを拡大する。8区佐藤一世(2年)も区間2位と好走。9区中村唯翔(3年)は2008年に中央学大・篠藤淳が樹立した区間記録(1時間8分01秒)を大幅に塗り替える1時間7分15秒と爆走した。

最後は2年連続でアンカーを務めた中倉啓敦(3年)がパワフルな走りで、大手町のフィニッシュに飛び込んだ。中倉も1時間7分50秒で区間新記録を樹立。往路に続き、復路も制すと、総合成績は10時間43分42秒をマーク。5時間21分36秒の復路新記録だけでなく、2年前に先輩たちが樹立した大会記録(10時間45分23秒)も更新して、2位の順大に現行コースで最大差となる10分51秒という歴史的な大差をつけた。

原監督は、「復路については本来往路に出場してもいいぐらいの能力の高い5人が出走することになり、実力通りの走りをしてくれた結果だと思っています」と選手たちの走りを絶賛。そして当初は「2区・岸本、4区・佐藤」というオーダーを準備していたことを明かした。

広告の下にコンテンツが続きます

「岸本と佐藤は夏合宿以降100%の練習メニューをこなすことができませんでした」と原監督。岸本は2年前の箱根で2区を務めて快走を見せたが、その後は故障で苦しんだ。昨年11月の全日本大学駅伝で復帰したものの仙骨の疲労骨折で、「全日本後に故障で3週間はノーランニングの状態でした」(原監督)。

さらに「直前に佐藤は10日前に発熱しました。2人の往路は難しいと判断して、復路に起用したんです」。イチかバチかにも思えなくない采配だが「彼らは駅伝力が高いので、スタートラインに立ったときは必ず走ってくれると思っていました」と、青学大が誇る“駅伝男”2人の力を信じて送り出した。

青学大の選手たちは原監督の狙い通りの快走を連発。圧倒的な強さで『戦国駅伝』とも言われた一戦を“一強”状態で制圧した。
 
主将の飯田貴之(4年)は、「前回(4位)は主将でエースの神林(勇太)さんが欠場することになって、戦略的にも精神的にも崩れてしまいました。今季は一人ひとりが、自分が走って優勝させるんだという気持ちで取り組んできました」と意識改革を明かす。

シーズン通してトラックで好記録を連発し、「5000m13分台が続出して、秋の10000mも28分台がたくさん出ました。出雲と全日本は勝ち切ることができませんでしたが、今回の箱根駅伝に関しては、『自分たちの力を発揮できれば圧勝することができるんだ』と自分からみんなに話したんです」と飯田。その言葉通り、「出場した10人が自分の力を発揮して、総合力で優勝することができました。何があっても崩れないチームを体現できたと思っています」と胸を張った。

2年ぶりの王座奪還。もちろん、他校は「打倒・青学大」を掲げて1年間過ごしてくるが、タレントがそろう3年生を中心に、「史上最強チーム」をさらに高みへと押し上げてライバルたちをはねのける。

【関連記事】箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧

◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km) 箱根駅伝で青学大が2年ぶり6度目の総合優勝を『圧巻レース』で完結させた。 往路で2位・帝京大に2分37秒差というセーフティリードを奪った青学大だが、原晋監督は「復路優勝と完全優勝を狙います」とギアを緩めない。青学大の選手は後ろを気にすることなく、ひたすら前を見つめて攻め込んだ。 6区・高橋勇輝(4年)は「あとの4人に負担をかけてしまいました」と悔しい走りも、区間8位でまとめると、7区・岸本大紀(3年)は区間賞の快走でリードを拡大する。8区佐藤一世(2年)も区間2位と好走。9区中村唯翔(3年)は2008年に中央学大・篠藤淳が樹立した区間記録(1時間8分01秒)を大幅に塗り替える1時間7分15秒と爆走した。 最後は2年連続でアンカーを務めた中倉啓敦(3年)がパワフルな走りで、大手町のフィニッシュに飛び込んだ。中倉も1時間7分50秒で区間新記録を樹立。往路に続き、復路も制すと、総合成績は10時間43分42秒をマーク。5時間21分36秒の復路新記録だけでなく、2年前に先輩たちが樹立した大会記録(10時間45分23秒)も更新して、2位の順大に現行コースで最大差となる10分51秒という歴史的な大差をつけた。 原監督は、「復路については本来往路に出場してもいいぐらいの能力の高い5人が出走することになり、実力通りの走りをしてくれた結果だと思っています」と選手たちの走りを絶賛。そして当初は「2区・岸本、4区・佐藤」というオーダーを準備していたことを明かした。 「岸本と佐藤は夏合宿以降100%の練習メニューをこなすことができませんでした」と原監督。岸本は2年前の箱根で2区を務めて快走を見せたが、その後は故障で苦しんだ。昨年11月の全日本大学駅伝で復帰したものの仙骨の疲労骨折で、「全日本後に故障で3週間はノーランニングの状態でした」(原監督)。 さらに「直前に佐藤は10日前に発熱しました。2人の往路は難しいと判断して、復路に起用したんです」。イチかバチかにも思えなくない采配だが「彼らは駅伝力が高いので、スタートラインに立ったときは必ず走ってくれると思っていました」と、青学大が誇る“駅伝男”2人の力を信じて送り出した。 青学大の選手たちは原監督の狙い通りの快走を連発。圧倒的な強さで『戦国駅伝』とも言われた一戦を“一強”状態で制圧した。   主将の飯田貴之(4年)は、「前回(4位)は主将でエースの神林(勇太)さんが欠場することになって、戦略的にも精神的にも崩れてしまいました。今季は一人ひとりが、自分が走って優勝させるんだという気持ちで取り組んできました」と意識改革を明かす。 シーズン通してトラックで好記録を連発し、「5000m13分台が続出して、秋の10000mも28分台がたくさん出ました。出雲と全日本は勝ち切ることができませんでしたが、今回の箱根駅伝に関しては、『自分たちの力を発揮できれば圧勝することができるんだ』と自分からみんなに話したんです」と飯田。その言葉通り、「出場した10人が自分の力を発揮して、総合力で優勝することができました。何があっても崩れないチームを体現できたと思っています」と胸を張った。 2年ぶりの王座奪還。もちろん、他校は「打倒・青学大」を掲げて1年間過ごしてくるが、タレントがそろう3年生を中心に、「史上最強チーム」をさらに高みへと押し上げてライバルたちをはねのける。 【関連記事】箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.21

大阪マラソン、来年は2月22日に開催 今年は近藤亮太が初マラソン日本最高をマーク

大阪マラソンの大会組織委員会は、2026年の開催日を2月22日(日)に決定したと発表した。大会要項は今後の理事会などを経て発表される見込み。 同大会は次回で42回を数える。びわ湖毎日マラソンと市民マラソンと統合するかたち […]

NEWS ハードルの豊田兼がトヨタ自動車へ「世界に挑戦している環境」パリ五輪の悔しさバネに今季は400mHに注力

2025.03.21

ハードルの豊田兼がトヨタ自動車へ「世界に挑戦している環境」パリ五輪の悔しさバネに今季は400mHに注力

トヨタ自動車は今春入社するアスリート社員の入社会見を都内で開き、男子400mハードルでパリ五輪に出場した豊田兼(慶大)が登壇した。 400mハードルで47秒99(日本歴代3位)のベストを持ち、昨年は日本選手権を制してパリ […]

NEWS 【大会結果】世界室内選手権(2025年3月21日~23日)

2025.03.21

【大会結果】世界室内選手権(2025年3月21日~23日)

【大会結果】世界室内選手権(2024年3月21日~23日/中国・南京) 男子 60m 金 銀 銅 [日本代表] 西岡尚輝(東海大仰星高3大阪) 予選:4組3着6秒67=準決勝進出 準決勝: 木梨嘉紀(筑波大院) 予選:8 […]

NEWS セイコーGGP出場第1弾発表 110mH村竹ラシッド&泉谷駿介、400mH豊田兼、100mH福部真子&田中佑美 海外勢も予定

2025.03.21

セイコーGGP出場第1弾発表 110mH村竹ラシッド&泉谷駿介、400mH豊田兼、100mH福部真子&田中佑美 海外勢も予定

日本陸連は3月21日、セイコーゴールデングランプリ2025東京(5月18日/東京・国立競技場)の男子110mハードル、同400mハードル、女子100mハードル出場予定選手を発表した。出場選手の発表は第1弾となる。 男子1 […]

NEWS キプチョゲが8月のシドニーマラソン参戦! 大会は今年からWMMに加盟

2025.03.21

キプチョゲが8月のシドニーマラソン参戦! 大会は今年からWMMに加盟

男子マラソンのE.キプチョゲ(ケニア)が8月31日に豪州で開催されるシドニーマラソンへ出場することが発表された。 キプチョゲはリオ、東京五輪でマラソン金メダルを獲得している40歳。メジャーマラソンでは14年のシカゴ以来、 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top