◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km)
前回王者の駒大は、往路でトップ青学大と3分28秒差をつけられた。「この差は厳しいですが、箱根駅伝は何が起こるかわからない。7区以降で少しずつ近づいていきたい」。大八木弘明監督は復路での〝逆襲〟を狙っていた。
当日変更で最大となる4人をチェンジ。6区に佃康平(4年)、7区に白鳥哲汰(2年)、8区に鈴木芽吹(2年)、10区に青柿響(2年)を投入して、必死に前を追いかけた。
佃は帝京大をかわして2位に上がる。だが、7区の白鳥は順位をキープするが区間10位と伸び悩み、青学大の背中は離れていく。右大腿部骨折から復帰した鈴木は茅ヶ崎(6.7㎞地点)を2位で通過するなど前半は快調に見えた。しかし、終盤に大きく崩れ、藤色のタスキを渡した後、倒れ込んだ。
「芽吹は疲労骨折が治って、大丈夫かなと思っていたんですけど、急に動きがおかしくなったので、前のような状態になったのかもしれません。レース中に痛めたのは大腿部じゃなくてお尻の方です」(大八木監督)
アクシデントのあった鈴木は区間18位で6位まで順位を落とした。それでも2年連続で9区を任された山野力(3年)が攻めのレースを見せて、創価大と東京国際大をかわして4位に浮上。青柿は中大を逆転すると、終盤は東洋大との激戦を制して、トップ3を確保した。
前回王者として意地を見せた駒大だが、大八木監督は、「今回は大変でしたね」と振り返った。登録選手上位10人の10000m平均タイムトップ(28分24秒65)のスピードを生かすことができなかったといえる継走。2区でエース・田澤廉(3年)が区間賞に輝くも、3区・安原太陽(2年)が区間16位、白鳥が区間10位、そして鈴木が苦しんだ。
「区間ふたケタが3区間もあったら勝てないですよ。芽吹のところでだいぶ違いますし、3区も違う。全体的にスタミナ不足かな」と大八木監督。「コロナ禍でハーフに出られたった影響もあるかなと思いますね。3区にエントリーしていた佐藤条二(1年)は心肺機能が低下するなど体調が良くなかったので外しました。故障者がいたのでベストメンバーを組めなかった。やり直しです」と指揮官は言い聞かせるように語る。
それでも、「ただ初めて出場した選手のなかではしっかり走った選手もいるので、来季につなげたいなと思います」と前を向く。来季は有力ルーキーも加入予定。最終学年を迎える絶対エース・田澤、そしてリベンジを誓う新3年生世代を中心に、悲願の「駅伝3冠」を奪いにいく。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.29
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.30
【高校生FOCUS】男子棒高跳・井上直哉(阿南光高)「全国3冠取りたい」と意気込むボウルターは柔道黒帯
FOCUS! 高校生INTERVIEW 井上直哉 Inoue Naoya 阿南光高3徳島 注目の高校アスリートに焦点を当てる高校生FOCUS。今回はインターハイ徳島県大会男子棒高跳で5m21の県高校新記録をマークし、続く […]
2025.06.30
【学生長距離Close-upインタビュー】急成長を続ける大東大・大濱逞真 「自信を持ってエースと言えるように」
学生長距離Close-upインタビュー 大濱逞真 Ohama Takuma 大東大2年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。49回目は、大東大の大 […]
2025.06.30
64年東京五輪5000m銅のデリンジャー氏が死去 91歳 米国代表やオレゴン大コーチも務める
6月27日、米国の元長距離選手で、後にコーチとしても活躍したビル・デリンジャー氏が逝去した。91歳だった。 デリンジャー氏は5000mで3大会連続してオリンピックに出場(1956年メルボルン、1960年ローマ、1964年 […]
2025.06.30
100mトンプソンが世界歴代6位の9秒75!! シェリー・アンも最後の国内選手権で3位/ジャマイカ選手権
東京世界選手権の代表選考会となるジャマイカ選手権が6月26日から29日にキングストンで開催された。 男子100mはK.トンプソンが世界歴代6位、今季世界最高の9秒75(+0.8)で優勝した。トンプソンは現在23歳。これま […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会