HOME 駅伝、箱根駅伝

2022.01.04

15年ぶりトップ3位入りの2位・順大「今度は総合優勝を目指すと堂々と言いたい」/箱根駅伝
15年ぶりトップ3位入りの2位・順大「今度は総合優勝を目指すと堂々と言いたい」/箱根駅伝


◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km)

総合優勝11回を誇る順大が、伝統の継走で輝きを取り戻した。優勝した青学大から10分以上離されたものの、10時間54分33秒で総合2位。トップ3は最後に優勝した2007年以来、15年ぶりだった。

全日本大学駅伝で3位。長門俊介監督は「学生たちは総合優勝を掲げていた」と話す。前評判では「往路優勝もあり得る」という“前半型”が予想されるチーム。ところが、序盤は苦しい展開が待っていた。1区には東京五輪3000m障害代表の三浦龍司(2年)ではなく平駿介(3)を起用したが区間18位と出遅れる。三浦を2区に投入し区間11位。順位を1つ上げてつないだ。

広告の下にコンテンツが続きます

3区・伊豫田達弥(3年)、4区・石井一希(2年)が安定した走りを見せて5位で往路を終える。そして翌日。これまで「復路の順大」といわれ、何度も逆転劇を演じてきた伝統は、やはり健在だった。

当日変更で6区に入った主将の牧瀬圭斗(4年)が区間賞を獲得。「最初の上りは得意ではないのですがうまく上れて、今日は行けるなと思いました」という牧瀬は、駒大を一度はかわして2位に上がるほどの力走だった。「自分の走りができれば区間賞争いに加われると思っていました。結果的に記録がついてきた」と、5位で小田原中継所にたどり着く。さらに8区の津田将希(4年)も「途中からは自分のペースで押し切れました」と区間賞。単独2位に躍り出た。

9、10区と区間ふたケタだったものの2位をしっかり死守。長門監督は「箱根駅伝はやっぱり4年生の力が必要。頑張ってくれました」と、区間賞を獲得した牧瀬と津田の走りを称える。

青学大とは大差がついただけに、「悔しさは残る」と指揮官は言うものの「全日本が3位だったので3位以上を取れてホッとしている部分もあります」と安堵感と充実感も漂わせる。自身が学生だった2007年優勝時以来の表彰台。「3年生以下が、元気がいいので、底力をつけてまた挑戦したい。今度は総合優勝を目指す、と堂々と言いたいと思います」と言うように、今回の2位をステップに、順大完全復活に向けて歩みが止まることはない。

■順大の箱根駅伝至近10回の成績
13年 6位
14年 16位
15年 12位
16年 6位
17年 4位
18年 11位
19年 8位
20年 14位
21年 7位
22年 2位

【関連記事】箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧

◇第98回箱根駅伝(神奈川・箱根町~東京・大手町/10区間217.1km) 総合優勝11回を誇る順大が、伝統の継走で輝きを取り戻した。優勝した青学大から10分以上離されたものの、10時間54分33秒で総合2位。トップ3は最後に優勝した2007年以来、15年ぶりだった。 全日本大学駅伝で3位。長門俊介監督は「学生たちは総合優勝を掲げていた」と話す。前評判では「往路優勝もあり得る」という“前半型”が予想されるチーム。ところが、序盤は苦しい展開が待っていた。1区には東京五輪3000m障害代表の三浦龍司(2年)ではなく平駿介(3)を起用したが区間18位と出遅れる。三浦を2区に投入し区間11位。順位を1つ上げてつないだ。 3区・伊豫田達弥(3年)、4区・石井一希(2年)が安定した走りを見せて5位で往路を終える。そして翌日。これまで「復路の順大」といわれ、何度も逆転劇を演じてきた伝統は、やはり健在だった。 当日変更で6区に入った主将の牧瀬圭斗(4年)が区間賞を獲得。「最初の上りは得意ではないのですがうまく上れて、今日は行けるなと思いました」という牧瀬は、駒大を一度はかわして2位に上がるほどの力走だった。「自分の走りができれば区間賞争いに加われると思っていました。結果的に記録がついてきた」と、5位で小田原中継所にたどり着く。さらに8区の津田将希(4年)も「途中からは自分のペースで押し切れました」と区間賞。単独2位に躍り出た。 9、10区と区間ふたケタだったものの2位をしっかり死守。長門監督は「箱根駅伝はやっぱり4年生の力が必要。頑張ってくれました」と、区間賞を獲得した牧瀬と津田の走りを称える。 青学大とは大差がついただけに、「悔しさは残る」と指揮官は言うものの「全日本が3位だったので3位以上を取れてホッとしている部分もあります」と安堵感と充実感も漂わせる。自身が学生だった2007年優勝時以来の表彰台。「3年生以下が、元気がいいので、底力をつけてまた挑戦したい。今度は総合優勝を目指す、と堂々と言いたいと思います」と言うように、今回の2位をステップに、順大完全復活に向けて歩みが止まることはない。 ■順大の箱根駅伝至近10回の成績 13年 6位 14年 16位 15年 12位 16年 6位 17年 4位 18年 11位 19年 8位 20年 14位 21年 7位 22年 2位 【関連記事】箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.17

クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒

一般社団法人日本実業団陸上競技連合は11月17日、全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城/11月23日)における「クマ対応」を発表した。 頻発するクマによる被害を鑑みての対応。松島町の文化交流館前のスタート地点 […]

NEWS 長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

2025.11.17

長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

日本陸連は11月17日、新たな協賛企業として、スポーツ施設総合建設業の長谷川体育施設(本社・東京都世田谷区/仁ノ平俊和社長)が決定したと発表した。11月からの契約で、カテゴリーとしては「オフィシャルサポーティングカンパニ […]

NEWS 男子は東京世界陸上5000m11位のキプサング、女子はアメバウが制覇 そろってツアー2勝目/WAクロカンツアー

2025.11.17

男子は東京世界陸上5000m11位のキプサング、女子はアメバウが制覇 そろってツアー2勝目/WAクロカンツアー

世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドの第4戦「クロス・インターナショナル・デ・ソリア」が11月16日、スペイン北部のソリアで開催され、男子(8km)はM.キプサング(ケニア)が23分10秒で優勝した。 キプサ […]

NEWS 女子砲丸投・鞏立姣が現役引退 世界選手権2連覇含む8大会連続メダル獲得

2025.11.17

女子砲丸投・鞏立姣が現役引退 世界選手権2連覇含む8大会連続メダル獲得

女子砲丸投の五輪・世界選手権金メダリストの鞏立姣(中国)が現役を引退することがわかった。 鞏立姣は東京五輪で金メダルを獲得している36歳。世界選手権では2017年ロンドン、19年ドーハ大会で2連覇している。 18歳で初出 […]

NEWS 佐久長聖2時間4分57秒で27連覇 長野東1時間8分10秒でV17 地区代表は2年連続で長野日大&新潟一/北信越高校駅伝

2025.11.16

佐久長聖2時間4分57秒で27連覇 長野東1時間8分10秒でV17 地区代表は2年連続で長野日大&新潟一/北信越高校駅伝

北信越高校駅伝が11月16日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とする駅伝周回コースで行われ、男子(7区間42.195Km)は佐久長聖(長野)が2時間4分57秒で27連覇を決めた。女子(5区間21.0975Km) […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top