HOME 駅伝、箱根駅伝

2022.01.03

王座奪還の青学大 史上最強軍団に原監督「あっぱれ」主将・飯田「何があっても崩れない」/箱根駅伝
王座奪還の青学大 史上最強軍団に原監督「あっぱれ」主将・飯田「何があっても崩れない」/箱根駅伝


◇第98回箱根駅伝・復路(神奈川・箱根町~東京・大手町/5区間109.6km)

主将で4区を走った飯田貴之(4年)は「圧倒的な力を示せた。いい駅伝ができました」と堂々を話した。原晋監督がかねてから「史上最強軍団」とうたっていたが、その評価が「口だけじゃなく、現実のものになった」(原監督)。

往路から安定したタスキリレーだった。1区・志貴勇斗(2年)が区間5位。「初舞台で緊張しましたが、楽しくレースができました」と、しっかり役割を果たした。2区に入ったエースの近藤幸太郎(3年)は「最低限の走りができてホッとしています」と区間7位ながら2位へと躍り出る。

3区に入ったルーキーの太田蒼生は強心臓ぶりを見せて区間2位でトップへ。この快走にも「東京国際大の丹所(健)さんについていっただけ。運も味方してくれました」と淡々と振り返る。4区の飯田も区間3位でつなぎ、5区に入ったこちらも1年生の若林宏樹が区間3位で往路優勝のフィニッシュ。「こんな貴重な体験をできてありがたいです」と初々しく話した。

順調に来ていたが、悔し涙を流したのは6区の高橋勇輝(4年)。57分台を期待されたが、59分03秒で区間8位。「本来であれば4年生として差を広げなければいけなかった。申し訳ない」と言葉を絞り出す。だが、「それを帳消しにするくらい復路の選手が走ってくれた」と高橋は続ける。

前回、主将の神林勇太をケガで欠いた影響が響いて4位。それからは「何があっても崩れないチームというのを目標にしていた」と飯田が言うように、決して崩れない総合力を積み上げてきた。

広告の下にコンテンツが続きます

ケガから復活を遂げた岸本大紀(3年)が、「ケガもありましたが最終的にまとめることができた」と、青学大にとって今大会初の区間賞で勢いを加速させると、8区・佐藤一世(2年)も万全ではないなかで区間2位。圧巻だったのが9区・中村唯翔(3年)と10区・中倉啓敦(3年)の連続区間新。中村は篠藤淳(中央学大)の区間記録を14年ぶりに46秒も更新して見せた。

中倉は「中村が区間新できたので負けられないと思いました」と奮起。前回10区で4位と悔しいフィニッシュテープだったが、「今回は一番うれしいかたちでゴールができてよかったです」と話し、「たくさんの方の思いがつまっている」タスキをトップで大手町に持ち帰った。

原監督は「選手にあっぱれ、褒めてあげたい」と笑顔。「青学大には強くなるメソッドがあります。その通り自律すれば成長できる。自ら考え、行動し、課題に向き合っていける」と、教え子たちの快走に胸を張った。

4年生は飯田、高橋の2人だけ。エース・近藤、復活を遂げた岸本、そして今回区間新を叩き出した中村、中倉が3年生。過去最強軍団として大会新を叩き出した青学大に、4連覇を飾った時以上の黄金時代がやってくるかもしれない。ライバル校へ強烈な印象を与える圧倒的な完全優勝だった。

◇第98回箱根駅伝・復路(神奈川・箱根町~東京・大手町/5区間109.6km) 主将で4区を走った飯田貴之(4年)は「圧倒的な力を示せた。いい駅伝ができました」と堂々を話した。原晋監督がかねてから「史上最強軍団」とうたっていたが、その評価が「口だけじゃなく、現実のものになった」(原監督)。 往路から安定したタスキリレーだった。1区・志貴勇斗(2年)が区間5位。「初舞台で緊張しましたが、楽しくレースができました」と、しっかり役割を果たした。2区に入ったエースの近藤幸太郎(3年)は「最低限の走りができてホッとしています」と区間7位ながら2位へと躍り出る。 3区に入ったルーキーの太田蒼生は強心臓ぶりを見せて区間2位でトップへ。この快走にも「東京国際大の丹所(健)さんについていっただけ。運も味方してくれました」と淡々と振り返る。4区の飯田も区間3位でつなぎ、5区に入ったこちらも1年生の若林宏樹が区間3位で往路優勝のフィニッシュ。「こんな貴重な体験をできてありがたいです」と初々しく話した。 順調に来ていたが、悔し涙を流したのは6区の高橋勇輝(4年)。57分台を期待されたが、59分03秒で区間8位。「本来であれば4年生として差を広げなければいけなかった。申し訳ない」と言葉を絞り出す。だが、「それを帳消しにするくらい復路の選手が走ってくれた」と高橋は続ける。 前回、主将の神林勇太をケガで欠いた影響が響いて4位。それからは「何があっても崩れないチームというのを目標にしていた」と飯田が言うように、決して崩れない総合力を積み上げてきた。 ケガから復活を遂げた岸本大紀(3年)が、「ケガもありましたが最終的にまとめることができた」と、青学大にとって今大会初の区間賞で勢いを加速させると、8区・佐藤一世(2年)も万全ではないなかで区間2位。圧巻だったのが9区・中村唯翔(3年)と10区・中倉啓敦(3年)の連続区間新。中村は篠藤淳(中央学大)の区間記録を14年ぶりに46秒も更新して見せた。 中倉は「中村が区間新できたので負けられないと思いました」と奮起。前回10区で4位と悔しいフィニッシュテープだったが、「今回は一番うれしいかたちでゴールができてよかったです」と話し、「たくさんの方の思いがつまっている」タスキをトップで大手町に持ち帰った。 原監督は「選手にあっぱれ、褒めてあげたい」と笑顔。「青学大には強くなるメソッドがあります。その通り自律すれば成長できる。自ら考え、行動し、課題に向き合っていける」と、教え子たちの快走に胸を張った。 4年生は飯田、高橋の2人だけ。エース・近藤、復活を遂げた岸本、そして今回区間新を叩き出した中村、中倉が3年生。過去最強軍団として大会新を叩き出した青学大に、4連覇を飾った時以上の黄金時代がやってくるかもしれない。ライバル校へ強烈な印象を与える圧倒的な完全優勝だった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

PR

2025.05.01

KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム

KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]

NEWS セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

2025.05.01

セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]

NEWS 坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

2025.05.01

坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

5月1日、日本陸連はセイコーゴールデングランプリ(5月18日/東京・国立競技場)の欠場者を発表した。 日本人選手で欠場するのは、男子100mの坂井隆一郎(大阪ガス)、同200mの水久保漱至(宮崎県スポ協)、同400mの中 […]

NEWS アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

2025.05.01

アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

日本陸連は5月1日、韓国・クミで開催されるアジア選手権の代表選手の入れ替えを発表した。 男子400mで選出されていた中島佑気ジョセフ(富士通)が辞退。右ハムストリングスのケガのためとしている。中島は昨年のパリ五輪代表。4 […]

NEWS 東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

2025.05.01

東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top