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Playback2021日本記録/山縣亮太、病気とケガを乗り越えて9秒95!見事な復活遂げる


2021年は21個もの日本記録(タイ記録含む)が誕生した。東京五輪イヤーという特別な1年に樹立された日本記録を振り返っていく。

100mで山縣が9秒95

ここ10年ほど、男子短距離を牽引してきた山縣亮太(セイコー)が、ついに復活を遂げた。

2019年以降は腰や背中のケガ、肺気胸、足首の靭帯断裂など、アクシデントが幾度となく山縣を襲った。それでもエースは屈しなかった。

伏線はあった。

4月の織田記念で10秒15をマークして優勝。5月5日の水戸国際では大雨と猛烈な向かい風の中で走り、10秒95(-8.3)、10秒71(-4.7)だった。そのレース後、こう語っている。

「(風に恵まれないのは)よくあること。練習を頑張っていれば運(風)が味方してくれると思う」

そして迎えた6月6日の布勢スプリント。予選で10秒01(+1.7)をマークして、東京五輪の参加標準記録を突破した。そして2本目の決勝。その時がやってくる。

スタートは多田修平(住友電工)がリード。それを山縣がしっかりと追い、80m付近で山縣がややリードを奪うと、そのままフィニッシュした。フィニッシュタイマーに刻まれたタイムは「9.97」。サニブラウン・アブデル・ハキームの日本記録と同タイムか――。

正式結果が出る。9秒95。風は……公認ギリギリの2.0m。ついに9秒台、そして日本記録保持者になった瞬間だった。

2011年に台頭して以降、「9秒台に最も近い男」だった山縣。桐生祥秀が初めて9秒台に突入し、サニブラウンが続き、大学の後輩でもある小池祐貴も9秒台選手になった。それでも、山縣は一歩ずつ、自分の走りを追求し、積み上げてきた。

「9秒台をずっと出したいと思ってやってきた」

今夏の東京五輪では12年ロンドン、16年リオに続いて3大会連続のオリンピック出場。100mでは予選落ち、前回銀メダルを取った4×100mリレーでは2走を務めたものの多田とのバトンがつながらないと、悔しい結果に終わった。

それでも、オリンピックイヤーに不死鳥のごとく舞い戻った日本短距離のエースは、再び世界で戦うために走り続ける。

■男子100m日本歴代10傑
9.95 2.0 山縣 亮太(セイコー)2021. 6. 6
9.97 0.8 サニブラウン・A・ハキーム(フロリダ大) 2019. 6. 7
9.98 1.8 桐生 祥秀(東洋大4)2017. 9. 9
9.98 0.5 小池 祐貴(住友電工)2019. 7.20
10.00 1.9 伊東 浩司(富士通)1998.12.13
10.01 2.0 多田 修平(住友電工)2021. 6. 6
10.02 2.0 朝原 宣治(大阪ガス)2001. 7.13
10.03 1.8 末續 慎吾(ミズノ)2003. 5. 5
10.03 1.0 ケンブリッジ飛鳥(Nike)2020. 8.29
10.07 1.9 江里口匡史(早大3)2009. 6.28

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