写真 提供:日本陸上競技連盟 フォート・キシモト
東京五輪の男子短距離メンバーの合宿が8日から山梨県内でスタート。男子200m代表のサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)を除いた、100m、200、400mとリレーメンバーの、計14名が参加している。9日に公開練習とオンラインで会見に応じた。
100m日本記録9秒95を持ち、日本選手団の主将を務める山縣亮太(セイコー)も参加。オリンピックは3度目で、前回のリオ五輪では4×100mリレーで1走を務めて銀メダリストとなった。今回、走順については「1走を走ればこういう走りをしようなどは考えていますが、どの区間も経験があります。過去の経験をリレーに生かせれば」と語る。標高の高い場所で1週間程度の合宿となり、「負荷も大きいので“腹八分目”にして、しっかり調整していきたい」と語った。
日本選手権100mを初制覇した多田修平(住友電工)は「まだ疲労が残っているので、この合宿でもケアをしていきたい」と言う。17年以降、代表の常連となっているが、顔ぶれも少しずつ変わるなか「短距離チームというのは仲が良い雰囲気。信頼を持ってやっていけたらいいなと思います」。4×100mリレーは得意のスタートダッシュを生かして1走が有力視されているが、「過去の世界選手権などでは、バトンパスで減速があった。今は後半もスピードを維持できているので、それをリレーにも生かしたいです」と、悲願の金メダルに貢献する構えだ。
100m3人目の代表を勝ち取った小池。「今日はしっかり汗をかくくらいで、軽めの調整だった」と言い、「代表戦はワクワクすると日々感じる。早く走りたいです」と気持ちを静かに昂ぶらせる。まだ「出力が上がっていない」と言い、本番に向けてこれから調子を上げていくだろう。
リオ五輪銀メダルメンバーで100m代表だった桐生祥秀(日本生命)は、今回リレーメンバーとして代表に。痛めていたアキレス腱は「今日は痛みがほぼゼロ。気にならないところまで来ている」と言い、「この合宿で確かめたい」と語る。
4×100mリレーでは不動の3走として活躍してきた。日本が37秒台を出したすべての記録はすべて桐生が3走を務めている。「会場がどんな雰囲気でも、2走がどの位置できても、対応できる経験が僕にはある。4人に入れるように経験をアピールしながら、ベストパフォーマンスをして貢献したい」。日本のメダルに桐生の爆走が不可欠だ。
日本陸連の土江寛裕・男子短距離オリンピック強化コーチは、「(4継の)オーダーについてはみなさんで予想して楽しんでもらえれば」と明かさず。「みんながベストの状態になれば、ドーハの記録(37秒43=アジア記録)は上回れる。ドーハ以来、真剣勝負のリレーはしていないが、信頼関係があるので心配していない。この合宿を通して、より一層信頼関係を築いていきたい」とした。
また、男子4×400mリレーは、日本選手権400m上位4選手を中心に、400m代表でケガから復調途上のウォルシュ・ジュリアン(富士通)を加えた編成。
山村貴彦・男子短距離オリンピック強化コーチコーチは「オリンピックで日本新をメダル獲得に向けて頑張ってきた。最終日、最後の種目に残れるように」と選手たちに期待を寄せた。
合宿は8日から16日まで行われる。
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