HOME ニュース、国内

2021.06.07

山縣亮太100m9秒95の日本新!悲願の9秒台「ずっと出したかった」日本選手権3位以内で五輪内定
山縣亮太100m9秒95の日本新!悲願の9秒台「ずっと出したかった」日本選手権3位以内で五輪内定


◇布勢スプリント(6月6日/鳥取・布勢総合運動公園陸上競技場)

日本男子スプリントのエースが、完全復活を果たした瞬間だった。男子100m決勝で山縣亮太(セイコー)が刻んだタイムは、「9秒95」――。追い風2.0mの絶好の条件も後押しし、2019年にサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が作った日本記録(9秒97)を0.02秒塗り替える日本新記録を打ち立てた。

予選で自己3番目タイの10秒01(+1.7)をマークし、東京五輪参加標準記録(10秒05)をついに突破。3大会連続の五輪代表入りのために、必須だったハードルをクリアした。

広告の下にコンテンツが続きます

これで「肩の荷が下りた」という山縣の集中力が、決勝でさらに高まった。これまで届きそうで届かなった「9秒台」。その悲願をついに成し遂げ、「9秒台をずっと出したいと思ってやってきた。今日出せて良かった。いつも近くで支えてくれるチームメイトがすごく力になった」と喜びを語った。

そして、初めての「日本記録」も手にした山縣が目指すのは、東京五輪のファイナル。「勝負は五輪だと思っているので、そこに向けてがんばりたい」。過去2大会はいずれもセミファイナルに進出し、ロンドン五輪は予選で、リオ五輪は準決勝で自己新をマークした。五輪で見せてきたこのパフォーマンスこそが、山縣の真骨頂である。

6月下旬の日本選手権で3年ぶりの王座奪還を果たせば、名実ともに「日本最速」の称号を持って世界に挑むことになる。

広告の下にコンテンツが続きます

山縣を中盤までリードし、2位に入った多田修平(住友電工)も10秒01と力走を見せた。「山縣さんの速報を見て、僕も9秒99ぐらいいったかなと思いましたが……。後半の弱さが出てしまったけど、レースを重ねるたびに良くなっている」。4年ぶり自己新で日本歴代6位、さらに五輪参加標準も突破した。世界ランキングでも日本勢3番手につけていたが、これで日本選手権で3位以内に入れば即内定になる。

五輪標準突破者では小池祐貴(住友電工)が10秒13で3位。桐生は予選で追い風参考ながら10秒01(+2.6)をマークしたが、決勝は棄権した。2週間前に右足アキレス腱を痛めた影響で、この日は1本の予定だったそうで、「スタートから5mはもたついたけど、中盤から後半はイメージ通り」。5月9日のREADY STEADY TOKYOの予選でフライングをした影響を払拭する走りになったようだ。

女子100mハードルでも日本記録が誕生。青木益未(七十七銀行)が12秒87(+1.8)をマークし、5日前の木南記念で寺田明日香(ジャパンクリエイト)が作ったばかりの日本記録にピタリ並んだ。寺田も0.02秒差で2位に続き、同種目で初めて複数の日本人選手が13秒を切るレースとなった。

男子110mハードルは日本記録保持者の金井大旺(ミズノ)が13秒40(+1.8)で快勝。石川周平(富士通)が前日本記録保持者・高山峻野(ゼンリン)を13秒48の同タイムながら抑えて2位に食い込んだ。女子100mは御家瀬緑(住友電工)が社会人ベストの11秒57(+1.6)で制覇。北海道・恵庭北高3年だった2019年に日本選手権を制した逸材が、復調を見せた。

◇布勢スプリント(6月6日/鳥取・布勢総合運動公園陸上競技場) 日本男子スプリントのエースが、完全復活を果たした瞬間だった。男子100m決勝で山縣亮太(セイコー)が刻んだタイムは、「9秒95」――。追い風2.0mの絶好の条件も後押しし、2019年にサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が作った日本記録(9秒97)を0.02秒塗り替える日本新記録を打ち立てた。 予選で自己3番目タイの10秒01(+1.7)をマークし、東京五輪参加標準記録(10秒05)をついに突破。3大会連続の五輪代表入りのために、必須だったハードルをクリアした。 これで「肩の荷が下りた」という山縣の集中力が、決勝でさらに高まった。これまで届きそうで届かなった「9秒台」。その悲願をついに成し遂げ、「9秒台をずっと出したいと思ってやってきた。今日出せて良かった。いつも近くで支えてくれるチームメイトがすごく力になった」と喜びを語った。 そして、初めての「日本記録」も手にした山縣が目指すのは、東京五輪のファイナル。「勝負は五輪だと思っているので、そこに向けてがんばりたい」。過去2大会はいずれもセミファイナルに進出し、ロンドン五輪は予選で、リオ五輪は準決勝で自己新をマークした。五輪で見せてきたこのパフォーマンスこそが、山縣の真骨頂である。 6月下旬の日本選手権で3年ぶりの王座奪還を果たせば、名実ともに「日本最速」の称号を持って世界に挑むことになる。 山縣を中盤までリードし、2位に入った多田修平(住友電工)も10秒01と力走を見せた。「山縣さんの速報を見て、僕も9秒99ぐらいいったかなと思いましたが……。後半の弱さが出てしまったけど、レースを重ねるたびに良くなっている」。4年ぶり自己新で日本歴代6位、さらに五輪参加標準も突破した。世界ランキングでも日本勢3番手につけていたが、これで日本選手権で3位以内に入れば即内定になる。 五輪標準突破者では小池祐貴(住友電工)が10秒13で3位。桐生は予選で追い風参考ながら10秒01(+2.6)をマークしたが、決勝は棄権した。2週間前に右足アキレス腱を痛めた影響で、この日は1本の予定だったそうで、「スタートから5mはもたついたけど、中盤から後半はイメージ通り」。5月9日のREADY STEADY TOKYOの予選でフライングをした影響を払拭する走りになったようだ。 女子100mハードルでも日本記録が誕生。青木益未(七十七銀行)が12秒87(+1.8)をマークし、5日前の木南記念で寺田明日香(ジャパンクリエイト)が作ったばかりの日本記録にピタリ並んだ。寺田も0.02秒差で2位に続き、同種目で初めて複数の日本人選手が13秒を切るレースとなった。 男子110mハードルは日本記録保持者の金井大旺(ミズノ)が13秒40(+1.8)で快勝。石川周平(富士通)が前日本記録保持者・高山峻野(ゼンリン)を13秒48の同タイムながら抑えて2位に食い込んだ。女子100mは御家瀬緑(住友電工)が社会人ベストの11秒57(+1.6)で制覇。北海道・恵庭北高3年だった2019年に日本選手権を制した逸材が、復調を見せた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.17

青森山田10年連続男女V 男子は2時間5分27秒で31回目の都大路 女子は1時間10分08秒で33連覇/青森県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた青森県高校駅伝が10月17日、青森市の新青森県総合運動公園陸上競技場を発着点とする周辺周回コースで行われ、青森山田が10年連続の男女Vを遂げた。男子(7区間42.195km)は2時間5分27秒 […]

NEWS 花巻東がオール区間賞で4連覇 男子は一関学院2時間9分53秒で2年連続34回目のV/岩手県高校駅伝

2025.10.17

花巻東がオール区間賞で4連覇 男子は一関学院2時間9分53秒で2年連続34回目のV/岩手県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた岩手県高校駅伝が10月16日、花巻市特設高校駅伝コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は花巻東が1時間13分13秒で4年連続16回目の優勝を果たした。男子(7区間42.195km)は […]

NEWS 後藤大樹が300mH再びU18日本新の35秒44! 中盤にアクシデント「34秒台を目標にしていた」/U18・16大会

2025.10.17

後藤大樹が300mH再びU18日本新の35秒44! 中盤にアクシデント「34秒台を目標にしていた」/U18・16大会

◇第19回U18・第56回U16大会(10月17~19日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場)1日目 U18・U16大会の第1日目が行われ、U18男子300mハードル決勝は後藤大樹(洛南高1京都)が35秒44で優勝し、 […]

NEWS 日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名

2025.10.17

日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名

日本陸連は10月17日、主に大学アスリートを対象としたキャリアサポート支援の「ライフスキルトレーニングプログラム」の第6期受講生を発表した。 今回決まった受講生は9名。男子3000m障害で今年のアジア選手権4位に入賞した […]

NEWS ヴィンセント、池田耀平が故障のため欠場 近藤、飯田、森井らも調整不良のためキャンセル/東京レガシーハーフ

2025.10.17

ヴィンセント、池田耀平が故障のため欠場 近藤、飯田、森井らも調整不良のためキャンセル/東京レガシーハーフ

10月19日に行われる東京レガシーハーフマラソンの主催者は10月17日、招待選手の男子でイェゴン・ヴィンセント(Honda)、池田耀平(Kao)が欠場することを発表した。いずれも故障が理由という。 このほか、エリート男子 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top