64m36で東京五輪の標準突破
日本グランプリ木南記念(5月6日/長居)の女子やり投で、日大4年の北口榛花が5回目に64m36を投げて優勝した。

女子やり投で日本記録を樹立した北口榛花(日大)。写真は織田記念
ついに〝その時〟が訪れた。北口は2回目に59m54を投げると、4回目に63m58と記録を伸ばした。そして迎えた5回目。課題だった助走はリズム良くスムーズでスピードを増し、放たれたやりはまっすぐに空へ飛んだ。突き刺さったのは、日本記録を示す赤いラインを超えていた。64m36は、日本人初の64mを超える日本新、アジア歴代5位、学生新の大記録。さらに、今年のドーハ世界選手権のみならず、来年の東京五輪の参加標準記録も突破した。
北口は幼いころからスポーツ少女で、バドミントンと競泳を習っていた。北海道・旭川東高時代に、顧問の松橋昌巳先生に誘われて陸上競技の道へ。最初は競泳と並行していたが、やり投では1年目から活躍したことで専念。高1からインターハイに進むと、秋の日本ユースでは49m31(現・高1歴代3位タイ)で3位。翌年はインターハイ、日本ユース、国体の高校3冠を果たした。さらに、3年時には、世界ユースにも出場し、100g軽い500gの規格ではあるが、60m35でユース世代の世界一となる。秋には高校記録58m90を投げ、将来を期待され日大へ進学した。
順調なキャリアを歩んできているように見えるが、大学進学後は、肘のケガ、練習環境の変化などで苦しんだ。〝一発〟は出ることがあっても、なかなか継続することがなく、世界選手権やリオ五輪も代表ならず。涙を流すことのほうが多かった。
この冬は世界のやり投関係者が集うサミットに参加し、その後は「自分を変えたい」と自ら連絡を取って欧州・チェコに飛んだ。そこでは、「ブロックに入る際の右足が使えていない」と指摘された課題を修正。国内初戦の織田記念では59m75で、「まっすぐ飛べば64~65mの手ごたえはあります」と話していた通り、まっすぐに飛んだやりは、目指していた場所に刺さった。
競泳とバドミントンに明け暮れた少女は、女子やり投で世界ユースチャンピオンとなり、高校記録保持者となり、U20日本記録保持者となり、日本記録保持者となった。北の大地の大器が、再び世界へと飛び立とうとしている。
北口榛花(きたぐち・はるか)
1998年3月16日生まれ
179cm、86kg
旭川東高→日大
年次記録
高1 49m31=高1歴代3位タイ
高2 53m15=高2歴代6位
高3 58m90=高校記録
大1 61m38=U20日本記録
大2 61m07
大3 60m48
大4 64m36=日本記録
女子やり投 日本歴代5傑
64m36 北口 榛花(日大4) 2019. 5. 6
63m80 海老原有希(スズキ浜松AC) 2015. 5.10
62m37 斉藤真理菜(国士大4) 2017. 8.25
61m15 三宅 貴子(ミキハウス) 2001. 5. 6
60m86 宮下 梨沙(大体大TC) 2016. 9.24
64m36で東京五輪の標準突破
日本グランプリ木南記念(5月6日/長居)の女子やり投で、日大4年の北口榛花が5回目に64m36を投げて優勝した。 [caption id="attachment_3401" align="alignleft" width="267"]
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