2019.01.13
桂中が前人未到のアベックV&5連覇
全国中学校駅伝 優勝 桂(京都)
〝伝統の力〟で王者の強さを証明
これまでに数々の学校が挑みながら跳ね返されてきた〝高い壁〟だった。そんな前人未到の金字塔を打ち立てたのが、開催地の滋賀県からほど近い京都市立桂中。女子は前回大会まで4連覇中、男子も前回5位のメンバーが4人残っており、史上初のアベック優勝なるかに注目が集まっていた。
しかし、ここまでの道のりは順調ではなかった。特に女子は秋までチームがまとまらず、片山典子監督によると「まずは全中駅伝に出よう」という状態。実際に11月11日の京都府大会では最終区までもつれる接戦となり、わずか4秒差で何とか5年連続5回目の出場権を獲得している。それでも11月25日の京都陸協記録会でメンバーの多くが3000mの自己ベストを出したことで、片山監督は「もしかしたらもしかするかも」と、ようやく優勝を意識したという。
1、2区の連続区間賞で主導権握る
1区は前回大会で優勝のゴールテープを切った鎌田幸来。3000mで9分35秒73の力を持つ3年生は集団の中で冷静にレースを進め、「トラックに入ってからが勝負だと思っていました」(鎌田)と予定通りに残り300mを切ったところでスパートをかける。そのまま後続を引き離し、10分09秒で区間賞を獲得。5回目の出場にして、初めて第1中継所を先頭で通過した。
こうなれば選手層で分のある桂が、ますます有利となる。2区の松井あれさ(3年)は悠々とトップを快走。区間1位タイで2位との差を3秒から13秒に広げて早くも独走態勢を築いた。3区の上村琴も1年生ながら〝先頭効果〟もあり、落ち着いた走りを見せる。2位の七尾(石川)に追い上げられる場面もあったが、ラストで踏ん張り、2秒詰められただけにとどめた。4区の山本菜々香(2年)は区間10位に留まり、「走りはあんまり……」という出来だったが、安定した走りで先頭をキープ。2位の七尾に6秒差をつけてアンカーへとタスキを渡した。
「誰かのために走る」
最終区に入るにあたって、片山監督が警戒していたチームがある。前回5区で区間賞を獲得し、大会MVPに選ばれた細谷愛子(2年)を擁する静岡東(静岡)だ。片山監督は「細谷さんまでに40秒は欲しい」と考えていたが、その差は47秒。想定通りとはいえ、追いかけられる選手のプレッシャーは計り知れない。5区を任されたのは「冷静な選手」と片山監督が信頼を置く1年生の佐野桃香。「後ろが来ているのがわかっていたけど、落ち着いて走ることができました」と冷静に歩を進める。最後は細谷の猛追を受けたが、トラックに入ってもしっかりとした足取りで駆け抜けた佐野。10分35秒の区間9位でカバーし、41分34秒でフィニッシュ。静岡東を3秒差で振り切り、笑顔でゴールテープを切った。
片山監督は女子の勝因を「誰かのために走ることだと思います」と話した。その「誰か」とはメンバーに入れなかった3年生の新谷ひなの主将と塩見海みいな七の2人だ。今年度の3年生部員は4人いるが、当日に走れたのは鎌田と松井の2人のみ。出走メンバーは、「走れなかった3年生のために走った」と声をそろえていた。
この舞台に立てるのは5人。メンバー選考の際に悔しい思い、辛い思いをする選手は当然出てくる。「そういうメンバーが必死でやっているのを知っているからその子のためにというのが生まれてくると思っています」と片山監督。走れなかった選手を含めて「全員駅伝」でつかみ取った5連覇だった。(馬場 遼)
※この続きは2019年1月12日発売の『月刊陸上競技』2月号をご覧ください

桂中が前人未到のアベックV&5連覇
全国中学校駅伝 優勝 桂(京都)
〝伝統の力〟で王者の強さを証明
これまでに数々の学校が挑みながら跳ね返されてきた〝高い壁〟だった。そんな前人未到の金字塔を打ち立てたのが、開催地の滋賀県からほど近い京都市立桂中。女子は前回大会まで4連覇中、男子も前回5位のメンバーが4人残っており、史上初のアベック優勝なるかに注目が集まっていた。 しかし、ここまでの道のりは順調ではなかった。特に女子は秋までチームがまとまらず、片山典子監督によると「まずは全中駅伝に出よう」という状態。実際に11月11日の京都府大会では最終区までもつれる接戦となり、わずか4秒差で何とか5年連続5回目の出場権を獲得している。それでも11月25日の京都陸協記録会でメンバーの多くが3000mの自己ベストを出したことで、片山監督は「もしかしたらもしかするかも」と、ようやく優勝を意識したという。1、2区の連続区間賞で主導権握る
1区は前回大会で優勝のゴールテープを切った鎌田幸来。3000mで9分35秒73の力を持つ3年生は集団の中で冷静にレースを進め、「トラックに入ってからが勝負だと思っていました」(鎌田)と予定通りに残り300mを切ったところでスパートをかける。そのまま後続を引き離し、10分09秒で区間賞を獲得。5回目の出場にして、初めて第1中継所を先頭で通過した。 こうなれば選手層で分のある桂が、ますます有利となる。2区の松井あれさ(3年)は悠々とトップを快走。区間1位タイで2位との差を3秒から13秒に広げて早くも独走態勢を築いた。3区の上村琴も1年生ながら〝先頭効果〟もあり、落ち着いた走りを見せる。2位の七尾(石川)に追い上げられる場面もあったが、ラストで踏ん張り、2秒詰められただけにとどめた。4区の山本菜々香(2年)は区間10位に留まり、「走りはあんまり……」という出来だったが、安定した走りで先頭をキープ。2位の七尾に6秒差をつけてアンカーへとタスキを渡した。「誰かのために走る」
最終区に入るにあたって、片山監督が警戒していたチームがある。前回5区で区間賞を獲得し、大会MVPに選ばれた細谷愛子(2年)を擁する静岡東(静岡)だ。片山監督は「細谷さんまでに40秒は欲しい」と考えていたが、その差は47秒。想定通りとはいえ、追いかけられる選手のプレッシャーは計り知れない。5区を任されたのは「冷静な選手」と片山監督が信頼を置く1年生の佐野桃香。「後ろが来ているのがわかっていたけど、落ち着いて走ることができました」と冷静に歩を進める。最後は細谷の猛追を受けたが、トラックに入ってもしっかりとした足取りで駆け抜けた佐野。10分35秒の区間9位でカバーし、41分34秒でフィニッシュ。静岡東を3秒差で振り切り、笑顔でゴールテープを切った。 片山監督は女子の勝因を「誰かのために走ることだと思います」と話した。その「誰か」とはメンバーに入れなかった3年生の新谷ひなの主将と塩見海みいな七の2人だ。今年度の3年生部員は4人いるが、当日に走れたのは鎌田と松井の2人のみ。出走メンバーは、「走れなかった3年生のために走った」と声をそろえていた。 この舞台に立てるのは5人。メンバー選考の際に悔しい思い、辛い思いをする選手は当然出てくる。「そういうメンバーが必死でやっているのを知っているからその子のためにというのが生まれてくると思っています」と片山監督。走れなかった選手を含めて「全員駅伝」でつかみ取った5連覇だった。(馬場 遼)※この続きは2019年1月12日発売の『月刊陸上競技』2月号をご覧くださいRECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.09.18
Latest articles 最新の記事
2026.09.30
世界陸上代表・遠藤日向が住友電工を退社 「成長した姿をお見せできるように」 25年日本選手権入賞の西川 雄一朗も退部
住友電工は9月30日、長距離の遠藤日向と西川雄一朗が同日付で退部、退社することを発表した。 28歳の遠藤は22年、23年の世界選手権5000m代表。中学時代から全中、ジュニア五輪の2冠を達成し、福島・学法石川高では2年、 […]
2026.09.30
【学生長距離Close-upインタビュー】日本インカレで存在感示した立命大・水野颯也 「自分の勝負強さを感じられた」
学生長距離Close-upインタビュー 水野颯也 Mizuno Soya 立命大2年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。62回目は、立命大の水野 […]
2026.09.30
SGホールディングス・關颯人が引退 「多くの人に競技を続けられたことに感謝」 U20世界選手権代表、高校駅伝1区区間賞と活躍
SGホールディングスは9月30日、所属する關颯人が同日付で引退することを発表した。 長野県出身の關は社会人7年目の29歳。中学時代にジュニア五輪3000m8位と早くから世代トップの活躍を見せ、佐久長聖高ではトラック、駅伝 […]
2026.09.30
ベルリンマラソンで負傷のアセファは「右アキレス腱完全断裂」 手術成功も復帰に半年以上と代理人明かす
ベルリンマラソンを女子世界歴代3位の2時間11分04秒で優勝したT.アセファ(エチオピア)が、右脚アキレス腱を完全断裂していたことが明らかになった。 アセファの代理人を務めるデマドンナ氏が9月29日に明らかにしたもので、 […]
Latest Issue
最新号

2026年10月号 (9月14日発売)
アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集
