2019.01.12
第95回箱根駅伝 優勝 東海大
出場46回目で悲願達成 8区小松の区間新で逆転

大歓声に沸く大手町。最初に飛び込んで来たのは東海大だった。往路は5区西田壮志(2年)の区間新(区間2位)で東洋大の背中に急接近。復路は6区中島怜利と7区阪口竜平(ともに3年)で鉄紺のタスキを追い詰めると、当日変更で起用された8区小松陽平(3年)が快走する。22年ぶりとなる区間新記録で東洋大から51秒のリードを奪い、勝負を決めた。
両角速駅伝監督が就任して8年目。「黄金世代」と呼ばれる3年生が中心のチームは、箱根仕様のトレーニングで「強さ」を身につけると、「スピード軍団」にふさわしく大会新記録の10時間52分09秒でフィニッシュを迎えた。平成最後の箱根駅伝。6年連続46回目の出場で、東海大が悲願の初優勝を成し遂げた。
6区から猛追、8区で逆転
往路を首位・東洋大と1分14秒差の2位で折り返した東海大。宿敵・青学大は4分16秒後方で、両角速駅伝監督は、「東洋大だけを見ていこう」と選手たちに声をかける。狙うは悲願の初優勝のみ。午前8時01分過ぎ、6区(20.8km)の中島怜利(3年)がスタートを切った。
東洋大の6区は前回区間5位(59分31秒)の今西駿介(3年)で、中島は前回区間2位(58分36秒)。一気に追い込むかと思いきや、「簡単には詰まらないと想定していました。7区以降は東洋大より力があると思っていたので、いい流れを作る。それを一番大切にしていました」と中島はじっくりと攻めた。
芦之湯(4.8km地点)ではビハインドを1分28秒まで広げられたが、本格的な下りに入ると徐々に詰めていく。従来の区間記録にあと5秒と迫る区間歴代3位の58分06秒(区間2位)で山を駆け下り、最終的には東洋大との差を6秒短縮した。
続く7区(21.3km)の阪口竜平(3年)も冷静に勝負した。5kmを14分20秒ほどで入るが、一気に追い込むことはしなかった。小田原中継所で1分08秒あった差は二宮(11.6km地点)で48秒。後半に攻め込み、大磯(18.3km地点)で19秒差に迫ると、最後は4秒差まで急接近。区間歴代5位となる1時間2分41秒(区間2位)の快走だった。
追い上げムードの中で迎えた〝勝負の8区〟。この時、両角監督の脳裏に浮かんだのが、青学大に敗れた11月の全日本大学駅伝だった。7区で首位を走っていた東海大の湊谷春紀(4年)は、青学大の森田歩希(4年)に追いつかれると、しばらく背後につかれ、心身ともに削られた。「今度はこちらがプレッシャーをかけられると思ったので、すぐに追いついて、(東洋大を)前に出して、じっくりと落としていくことを伝えました」と両角監督。両校の接近戦となり、選手たちに具体的な指示を出しづらい状況を読んで、両角監督は事前に8区(21.4km)を走る小松陽平(3年)に電話で連絡していた。
大会新で初優勝
当日変更で入った小松陽平(3年)は指示通り、すぐに東洋大・鈴木宗孝(1年)に追いつくと、その後は背後にピタリとついた。小松が動いたのは14km過ぎ。横に出て鈴木の様子をうかがうと、14.6kmでスパート。鉄紺軍団の1年生を一気に突き放した。小松は後半の難所・遊行寺の坂も軽々と駆け上がり、22年ぶりに区間記録を更新する1時間3分49秒で走破。東洋大から51秒のリードを奪うことに成功した。
9区(23.1km)の湊谷も1時間9分36秒で区間2位と好走。東洋大のブレーキもあり、2位との差は3分35秒に広がった。緊張で走る前は泣いてしまったという10区(23.0km)の郡司陽大(3年)も力強い走りを披露。最後は〝郡司コール〟に沸く大手町のフィニッシュエリアに笑顔で飛び込んだ。
6年連続46回目の出場でつかんだ初優勝。総合記録はスピード軍団にふさわしく大会新記録となる10時間52分09秒だった。自身も母校のタスキをつないできた両角監督が、悲願を果たした選手たちの手で宙に舞う。そして、勝負師は初めて笑顔を見せた。
「胴上げは気持ちいいというか、最高でしたね。信じられない心境ですけど、非常にうれしいです。10人の選手全員が自分たちのやってきたことに自信を持って、本番できちんと力を発揮した。それに尽きると思います」
大活躍を見せた復路メンバー。彼らに〝勇気〟を与えたのが、往路を走った5人だった。
※この続きは2019年1月12日発売の『月刊陸上競技』2月号をご覧ください
第95回箱根駅伝 優勝 東海大
出場46回目で悲願達成 8区小松の区間新で逆転
大歓声に沸く大手町。最初に飛び込んで来たのは東海大だった。往路は5区西田壮志(2年)の区間新(区間2位)で東洋大の背中に急接近。復路は6区中島怜利と7区阪口竜平(ともに3年)で鉄紺のタスキを追い詰めると、当日変更で起用された8区小松陽平(3年)が快走する。22年ぶりとなる区間新記録で東洋大から51秒のリードを奪い、勝負を決めた。
両角速駅伝監督が就任して8年目。「黄金世代」と呼ばれる3年生が中心のチームは、箱根仕様のトレーニングで「強さ」を身につけると、「スピード軍団」にふさわしく大会新記録の10時間52分09秒でフィニッシュを迎えた。平成最後の箱根駅伝。6年連続46回目の出場で、東海大が悲願の初優勝を成し遂げた。6区から猛追、8区で逆転
往路を首位・東洋大と1分14秒差の2位で折り返した東海大。宿敵・青学大は4分16秒後方で、両角速駅伝監督は、「東洋大だけを見ていこう」と選手たちに声をかける。狙うは悲願の初優勝のみ。午前8時01分過ぎ、6区(20.8km)の中島怜利(3年)がスタートを切った。 東洋大の6区は前回区間5位(59分31秒)の今西駿介(3年)で、中島は前回区間2位(58分36秒)。一気に追い込むかと思いきや、「簡単には詰まらないと想定していました。7区以降は東洋大より力があると思っていたので、いい流れを作る。それを一番大切にしていました」と中島はじっくりと攻めた。 芦之湯(4.8km地点)ではビハインドを1分28秒まで広げられたが、本格的な下りに入ると徐々に詰めていく。従来の区間記録にあと5秒と迫る区間歴代3位の58分06秒(区間2位)で山を駆け下り、最終的には東洋大との差を6秒短縮した。 続く7区(21.3km)の阪口竜平(3年)も冷静に勝負した。5kmを14分20秒ほどで入るが、一気に追い込むことはしなかった。小田原中継所で1分08秒あった差は二宮(11.6km地点)で48秒。後半に攻め込み、大磯(18.3km地点)で19秒差に迫ると、最後は4秒差まで急接近。区間歴代5位となる1時間2分41秒(区間2位)の快走だった。 追い上げムードの中で迎えた〝勝負の8区〟。この時、両角監督の脳裏に浮かんだのが、青学大に敗れた11月の全日本大学駅伝だった。7区で首位を走っていた東海大の湊谷春紀(4年)は、青学大の森田歩希(4年)に追いつかれると、しばらく背後につかれ、心身ともに削られた。「今度はこちらがプレッシャーをかけられると思ったので、すぐに追いついて、(東洋大を)前に出して、じっくりと落としていくことを伝えました」と両角監督。両校の接近戦となり、選手たちに具体的な指示を出しづらい状況を読んで、両角監督は事前に8区(21.4km)を走る小松陽平(3年)に電話で連絡していた。大会新で初優勝
当日変更で入った小松陽平(3年)は指示通り、すぐに東洋大・鈴木宗孝(1年)に追いつくと、その後は背後にピタリとついた。小松が動いたのは14km過ぎ。横に出て鈴木の様子をうかがうと、14.6kmでスパート。鉄紺軍団の1年生を一気に突き放した。小松は後半の難所・遊行寺の坂も軽々と駆け上がり、22年ぶりに区間記録を更新する1時間3分49秒で走破。東洋大から51秒のリードを奪うことに成功した。
9区(23.1km)の湊谷も1時間9分36秒で区間2位と好走。東洋大のブレーキもあり、2位との差は3分35秒に広がった。緊張で走る前は泣いてしまったという10区(23.0km)の郡司陽大(3年)も力強い走りを披露。最後は〝郡司コール〟に沸く大手町のフィニッシュエリアに笑顔で飛び込んだ。
6年連続46回目の出場でつかんだ初優勝。総合記録はスピード軍団にふさわしく大会新記録となる10時間52分09秒だった。自身も母校のタスキをつないできた両角監督が、悲願を果たした選手たちの手で宙に舞う。そして、勝負師は初めて笑顔を見せた。
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