2021.04.02

この春に東洋大へ入学した石田洸介(右)。左は酒井俊幸監督
男子5000mで高校記録(13分34秒74)を持ち、この春に東洋大へ進学した石田洸介が4月2日、オンライン取材に応じ、「目標は2024年パリ五輪出場。箱根だけでなく世界に挑戦したい」と意気込みを語った。
日本記録も「通過点に」
福岡・浅川中時代は1500m(3分49秒72)と3000m(8分17秒84)で中学記録を、5000mでも中学最高記録(14分32秒44)を樹立した石田洸介。全中は悠々と2冠を獲得し、東農大二高(群馬)では1、2年時こそ思い描いた結果が出せずに苦しんだが、3年時には5000mで13分36秒89、13分34秒74と、従来の高校記録を16年ぶりに2度も塗り替えた。10000mでも28分37秒50(高校歴代7位)をマークしている。
そんな逸材が選んだのは、マラソン元日本記録保持者の設楽悠太(Honda)や10000mで日本記録を持つ東京五輪代表内定の相澤晃(旭化成)らを輩出した東洋大。高校卒業後は海外進出も視野に入れていたというが、酒井俊幸監督から「世界で戦える選手を育成したい」と指導方針を聞き、「あぁ、ここかなと。ビビッときた」と進学を決断した。
パリ五輪はトラック種目での出場を目指しており、「参加標準記録を突破する必要がある。5000mなら13分10前後、10000mなら27分30秒を切ることがターゲットになる」とビジョンは明確。「世界では(5000mで)12分台を出さないと勝負できない。将来的には日本記録(13分08秒40=大迫傑/Nike、2015年)も通過点にしなければいけない」と力強く語る。
また、1区間が20km超となる箱根駅伝についても「駅伝を走るためのスタミナはトラックでも重要な要素。箱根を目指す意味はあると思う」と前向きに取り組む考えだ。高校時代は月間走行距離が400km程度で、「20kmは正月の初詣がてら走ったくらいで、ほぼやっていない」と質を重視したトレーニングをしてきたが、酒井監督は「1人で練習をする時も多かったようですし、走行距離は少なくても単独で走れる力があるので、中身の濃い練習を自覚を持ってやってきたんだなと感じます。彼の良さを引き出したい」と目先の結果にとらわれずに育てるつもりでいる。
並外れた精神力
一方、輝かしい実績の裏で苦労した高校1、2年時の経験も石田は忘れていない。そんな時に支えとなったのは両親の存在だ。「親元を離れてきたので、ここでやめたら悲しむなと。それに、中学記録がいい意味でプライドになった。『ここであきらめてはいけない』と、自分のプライドがここまで(陸上を)続けさせてくれた」と、並外れた精神力で高校トップランナーへと上り詰めた。
昨年12月の全国高校駅伝後は調子を落とし、「自分の走りが整わない期間が1~2ヵ月あった」と言うが、現在は復調。「練習の強度を上げずに正しい動きを作っている。今は基礎を作る時期」(酒井監督)と、5月のシーズンインを見据えてじっくり取り組んでいる。
「今年は環境に慣れること。まだ20kmを走れる力はありませんが、自分が箱根を走っている姿を想像しながら練習しています。往路に憧れがあるので、1区から4区までのどこかで勝負してみたい。最終的には区間記録を作りたいです」(石田)
中学と高校で数々の偉業を成し遂げてきた石田だが、本当の輝きを見せるのはこれからなのかもしれない。
文/山本慎一郎
この春に東洋大へ入学した石田洸介(右)。左は酒井俊幸監督
男子5000mで高校記録(13分34秒74)を持ち、この春に東洋大へ進学した石田洸介が4月2日、オンライン取材に応じ、「目標は2024年パリ五輪出場。箱根だけでなく世界に挑戦したい」と意気込みを語った。
日本記録も「通過点に」
福岡・浅川中時代は1500m(3分49秒72)と3000m(8分17秒84)で中学記録を、5000mでも中学最高記録(14分32秒44)を樹立した石田洸介。全中は悠々と2冠を獲得し、東農大二高(群馬)では1、2年時こそ思い描いた結果が出せずに苦しんだが、3年時には5000mで13分36秒89、13分34秒74と、従来の高校記録を16年ぶりに2度も塗り替えた。10000mでも28分37秒50(高校歴代7位)をマークしている。 そんな逸材が選んだのは、マラソン元日本記録保持者の設楽悠太(Honda)や10000mで日本記録を持つ東京五輪代表内定の相澤晃(旭化成)らを輩出した東洋大。高校卒業後は海外進出も視野に入れていたというが、酒井俊幸監督から「世界で戦える選手を育成したい」と指導方針を聞き、「あぁ、ここかなと。ビビッときた」と進学を決断した。 パリ五輪はトラック種目での出場を目指しており、「参加標準記録を突破する必要がある。5000mなら13分10前後、10000mなら27分30秒を切ることがターゲットになる」とビジョンは明確。「世界では(5000mで)12分台を出さないと勝負できない。将来的には日本記録(13分08秒40=大迫傑/Nike、2015年)も通過点にしなければいけない」と力強く語る。 また、1区間が20km超となる箱根駅伝についても「駅伝を走るためのスタミナはトラックでも重要な要素。箱根を目指す意味はあると思う」と前向きに取り組む考えだ。高校時代は月間走行距離が400km程度で、「20kmは正月の初詣がてら走ったくらいで、ほぼやっていない」と質を重視したトレーニングをしてきたが、酒井監督は「1人で練習をする時も多かったようですし、走行距離は少なくても単独で走れる力があるので、中身の濃い練習を自覚を持ってやってきたんだなと感じます。彼の良さを引き出したい」と目先の結果にとらわれずに育てるつもりでいる。並外れた精神力
一方、輝かしい実績の裏で苦労した高校1、2年時の経験も石田は忘れていない。そんな時に支えとなったのは両親の存在だ。「親元を離れてきたので、ここでやめたら悲しむなと。それに、中学記録がいい意味でプライドになった。『ここであきらめてはいけない』と、自分のプライドがここまで(陸上を)続けさせてくれた」と、並外れた精神力で高校トップランナーへと上り詰めた。 昨年12月の全国高校駅伝後は調子を落とし、「自分の走りが整わない期間が1~2ヵ月あった」と言うが、現在は復調。「練習の強度を上げずに正しい動きを作っている。今は基礎を作る時期」(酒井監督)と、5月のシーズンインを見据えてじっくり取り組んでいる。 「今年は環境に慣れること。まだ20kmを走れる力はありませんが、自分が箱根を走っている姿を想像しながら練習しています。往路に憧れがあるので、1区から4区までのどこかで勝負してみたい。最終的には区間記録を作りたいです」(石田) 中学と高校で数々の偉業を成し遂げてきた石田だが、本当の輝きを見せるのはこれからなのかもしれない。 文/山本慎一郎RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.04.29
ダイハツ退社の前田彩里が肥後銀行に加入 地元・熊本でリスタート
2026.04.28
ロンドン世界陸上マラソン代表・清田真央が現役引退「温かく応援していただいたことに感謝」
-
2026.04.28
-
2026.04.28
-
2026.04.28
-
2026.04.28
2026.04.24
吉岡大翔が10000m2位 苦しんだ3年間「自分なりの陸上が確立できている」/日本IC
-
2026.04.22
-
2026.04.25
-
2026.04.25
2026.03.31
日本郵政グループに名城大のエース・米澤奈々香と1万m高校歴代2位の吉田彩心が入社
-
2026.03.31
-
2026.04.24
Latest articles 最新の記事
2026.04.29
ダイハツ退社の前田彩里が肥後銀行に加入 地元・熊本でリスタート
北京世界選手権女子マラソン代表の前田彩里が、5月1日付で肥後銀行に加入することがわかった。ダイハツを4月30日付で退社することが同28日に発表されていた。 前田は熊本県大津町出身。陸上一家の家庭で育ち、中学から陸上を始め […]
2026.04.28
【高校生FOCUS】競歩・逢坂ひかり(市西宮高)昨年急成長したトップウォーカー 自己分析は「マイペース」
FOCUS! 高校生INTERVIEW 逢坂ひかり Osaka Hikari 市西宮高3兵庫 高校生FOCUSでは今年注目の高校アスリートを紹介します。新年度1回目は女子競歩の逢坂ひかり選手(市西宮高3兵庫)です。昨年、 […]
2026.04.28
ロンドン世界陸上マラソン代表・清田真央が現役引退「温かく応援していただいたことに感謝」
スズキは4月28日、女子マラソンの清田真央が現役引退することを発表した。 清田は愛知県出身の32歳。中学時代は陸上部がなく、ソフトテニス部と兼部しながら走っていたが、3年時にはジュニアオリンピックや都道府県対抗駅伝に出場 […]
2026.04.28
劇場アニメ『ひゃくえむ。』と日本選手権のコラボが決定!「―そういう景色を見ようぜ―」
2025年秋に劇場公開され、現在もロングラン上映が続くアニメ映画『ひゃくえむ。』が、今年6月に開催される日本選手権とコラボレーションすることが発表された。 同作品は、『チ。―地球の運動について―』で注目を集める漫画家・魚 […]
2026.04.28
100mH中島ひとみ「陸上人生最大のチャレンジの1年」世界見据え走りを見直す/織田記念
◇第60回織田記念(4月29日/広島広域公園) 日本グランプリシリーズの織田記念の前日練習が行われ、女子100mハードルの中島ひとみ(長谷川体育施設)が前日会見に登壇した。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年は日本歴代 […]
Latest Issue
最新号
2026年5月号 (4月14日発売)
2026シーズン展望
中距離特集ほか