HOME 海外

2025.11.03

NEWS
マラソン王者・キプチョゲがエリートレースを“卒業” 七大陸を巡るワールドツアーを発表「人間に限界がないことを示したい」
マラソン王者・キプチョゲがエリートレースを“卒業” 七大陸を巡るワールドツアーを発表「人間に限界がないことを示したい」

マラソン王者として君臨してきたキプチョゲ

男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が「キプチョゲ・ワールドツアー」と銘打ち、今後2年間で七大陸を巡り、マラソンに参加する計画を発表した。11月2日のニューヨークシティマラソンがエリートレースへの最後の出場となり、今後はランニング文化の普及やコミュニティの発展に力を注ぐ意向を示した。

1984年生まれのキプチョゲは、2002年の世界クロカン選手権で国際大会デビュー。翌年には5000mで12分52秒61の世界ジュニア記録(当時)を樹立し、同年のパリ世界選手権では18歳で5000m金メダルを獲得した。

04年アテネ、08年北京の両五輪では2大会連続でメダルを手にするなどトラックで活躍。13年のハンブルクでマラソンデビューを果たし、2時間5分30秒の大会新記録で優勝した。

広告の下にコンテンツが続きます

同年9月のベルリンでは世界歴代4位(当時)となる2時間4分05秒をマークすると、翌14年ロッテルダムからは19年ロンドンまで無敵の10連勝を達成。その間、16年リオ五輪で優勝したほか、18年ベルリンで2時間1分39秒の世界記録(当時)を樹立した。

19年10月には非公式ながら人類史上初の「2時間切り」となる1時間59分40秒2を記録。21年東京五輪では史上3人目の五輪マラソン連覇を達成し、「マラソン王者」としてその地位を確立した。22年には2時間1分09秒と再び世界記録を塗り替え、23年ベルリンで史上初の大会5勝目を挙げている。

それでも、24年のパリ五輪では3連覇が期待されるなかで途中棄権。加齢による衰えも囁かれ、今後の去就に注目が集まっていた。

今季は4月のロンドンで2時間5分25秒で6位に入った後、8月のシドニー、今回のニューヨーク出場でワールドマラソンメジャーズ全レースのコンプリートを達成。最後のエリートレースとなったニューヨークでは2時間14分36秒で17位だった。

今回のツアーの発表に際し、キプチョゲは「この22年間、私は限界に挑戦し続けてきた」と語り、「私の人生は勝利を追い求め、記録を破ること、あらゆる競技で世界最高記録を更新することにひたすら集中してきました」と世界のトップで走り続けてきた競技人生を振り返った。

さらに、「今回の発表は『引退』ではなく、目的を持って走ることへの『移行』です。次の目的とは、人類に貢献することです。これからは恩返しとして世界のあらゆる場所でみなさんを励まし、人間に限界がないことを示したい」と、新たな使命を胸に走り続ける決意を示した。

ツアーでは、自身が運営する基金を通じて教育支援や環境保全活動に取り組み、資金調達にもつなげるという。詳細な日程は未定だが、南極大陸での走破も計画していると明かした。

今後は11月30日にタイで開催される「アメージング・タイランドマラソン」への出場が予定されている。

男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が「キプチョゲ・ワールドツアー」と銘打ち、今後2年間で七大陸を巡り、マラソンに参加する計画を発表した。11月2日のニューヨークシティマラソンがエリートレースへの最後の出場となり、今後はランニング文化の普及やコミュニティの発展に力を注ぐ意向を示した。 1984年生まれのキプチョゲは、2002年の世界クロカン選手権で国際大会デビュー。翌年には5000mで12分52秒61の世界ジュニア記録(当時)を樹立し、同年のパリ世界選手権では18歳で5000m金メダルを獲得した。 04年アテネ、08年北京の両五輪では2大会連続でメダルを手にするなどトラックで活躍。13年のハンブルクでマラソンデビューを果たし、2時間5分30秒の大会新記録で優勝した。 同年9月のベルリンでは世界歴代4位(当時)となる2時間4分05秒をマークすると、翌14年ロッテルダムからは19年ロンドンまで無敵の10連勝を達成。その間、16年リオ五輪で優勝したほか、18年ベルリンで2時間1分39秒の世界記録(当時)を樹立した。 19年10月には非公式ながら人類史上初の「2時間切り」となる1時間59分40秒2を記録。21年東京五輪では史上3人目の五輪マラソン連覇を達成し、「マラソン王者」としてその地位を確立した。22年には2時間1分09秒と再び世界記録を塗り替え、23年ベルリンで史上初の大会5勝目を挙げている。 それでも、24年のパリ五輪では3連覇が期待されるなかで途中棄権。加齢による衰えも囁かれ、今後の去就に注目が集まっていた。 今季は4月のロンドンで2時間5分25秒で6位に入った後、8月のシドニー、今回のニューヨーク出場でワールドマラソンメジャーズ全レースのコンプリートを達成。最後のエリートレースとなったニューヨークでは2時間14分36秒で17位だった。 今回のツアーの発表に際し、キプチョゲは「この22年間、私は限界に挑戦し続けてきた」と語り、「私の人生は勝利を追い求め、記録を破ること、あらゆる競技で世界最高記録を更新することにひたすら集中してきました」と世界のトップで走り続けてきた競技人生を振り返った。 さらに、「今回の発表は『引退』ではなく、目的を持って走ることへの『移行』です。次の目的とは、人類に貢献することです。これからは恩返しとして世界のあらゆる場所でみなさんを励まし、人間に限界がないことを示したい」と、新たな使命を胸に走り続ける決意を示した。 ツアーでは、自身が運営する基金を通じて教育支援や環境保全活動に取り組み、資金調達にもつなげるという。詳細な日程は未定だが、南極大陸での走破も計画していると明かした。 今後は11月30日にタイで開催される「アメージング・タイランドマラソン」への出場が予定されている。

キプチョゲのマラソン全成績

2013年 ハンブルク  2時間5分30秒 優勝 ベルリン   2時間4分05秒 2位 =当時世界歴代4位 2014年 ロッテルダム 2時間5分00秒 優勝 シカゴ    2時間4分11秒 優勝 2015年 ロンドン   2時間4分42秒 優勝 ベルリン   2時間4分00秒 優勝 =当時世界歴代6位 2016年 ロンドン   2時間3分05秒 優勝 =当時世界歴代2位 リオ五輪   2時間8分44秒 優勝 2017年 Breking2   2時間0分25秒(非公認) ベルリン   2時間3分32秒 優勝 2018年 ロンドン   2時間4分17秒 優勝 ベルリン   2時間1分39秒 優勝 =当時世界記録 [adinserter block="4"] 2019年 ロンドン   2時間2分37秒 優勝 Breking2   1時間59分40秒(非公認) 2020年 ロンドン   2時間6分49秒 8位 2021年 NN Mission  2時間4分30秒 優勝 東京五輪    2時間8分38秒 優勝 2022年 東京      2時間2分40秒 優勝 ベルリン    2時間1分09秒 優勝 =当時世界新 2023年 ボストン    2時間9分23秒 6位 ベルリン    2時間2分42秒 優勝 2024年 東京      2時間6分50秒 10位 パリ五輪    途中棄権 2025年 ロンドン    2時間5分25秒 6位 シドニー    2時間8分31秒 9位 ニューヨーク  2時間14分36秒 17位

【動画】ワールドツアーを発表したキプチョゲ

次ページ:

ページ: 1 2 3

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.03

高知農が県高校最高記録の2時間6分36秒で5連覇 女子は山田がオール区間賞で都大路は“皆勤”の37に/高知県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた高知県高校駅伝は11月2日、高知市東部総合運動場周回コースで行われ、男子(7区間42.195km)は高知農が県高校最高記録となる2時間6分36秒で5年連続49回目の優勝。女子(5区間21.09 […]

NEWS 今治北が初の男女V!女子は序盤からトップを守り初の全国大会 男子は2時間7分23秒で2年ぶりに制す/愛媛県高校駅伝

2025.11.03

今治北が初の男女V!女子は序盤からトップを守り初の全国大会 男子は2時間7分23秒で2年ぶりに制す/愛媛県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた愛媛県高校駅伝が11月2日、西条市の西条ひうち高校駅伝特設コースで行われ、今治北が初の男女優勝を遂げた。女子(5区間21.0975km)は1時間14分13秒で初V。男子(7区間42.195km […]

NEWS 城東が初優勝で悲願の都大路へ 男子はつるぎが6連覇 男女ともに1区から先頭を譲らず逃げ切る/徳島県高校駅伝

2025.11.03

城東が初優勝で悲願の都大路へ 男子はつるぎが6連覇 男女ともに1区から先頭を譲らず逃げ切る/徳島県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた徳島県高校駅伝が11月2日、鳴門市の鳴門・大塚スポーツパーク周回長距離コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は城東が1時間14分27秒で初制覇し、初の全国大会出場を決めた。男子(7区 […]

NEWS マラソン王者・キプチョゲがエリートレースを“卒業” 七大陸を巡るワールドツアーを発表「人間に限界がないことを示したい」

2025.11.03

マラソン王者・キプチョゲがエリートレースを“卒業” 七大陸を巡るワールドツアーを発表「人間に限界がないことを示したい」

男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が「キプチョゲ・ワールドツアー」と銘打ち、今後2年間で七大陸を巡り、マラソンに参加する計画を発表した。11月2日のニューヨークシティマラソンがエリートレースへの最後の出場となり […]

NEWS 西脇工大会新V 新妻遼己1区28分22秒、双子の弟・昂己3区快走で兄弟区間新 女子は須磨学園が3連覇/兵庫県高校駅伝

2025.11.03

西脇工大会新V 新妻遼己1区28分22秒、双子の弟・昂己3区快走で兄弟区間新 女子は須磨学園が3連覇/兵庫県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた兵庫県高校駅伝が11月3日、丹波篠山市の大正ロマン館前をスタートし、篠山鳳鳴高でフィニッシュするコースで行われ、男子(7区間42.195km)は西脇工が2時間3分25秒の大会新記録で2年連続3 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top