2025.11.03
◇第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯中央病院陸上競技場~佐伯市屋内運動広場特設コース:7区間89.3km)
ニューイヤー駅伝の出場権を懸けた第62回九州実業団毎日駅伝が行われ、三菱重工が4時間19分06秒で8年ぶり3度目の優勝を飾った。
「ベテランが多い中で若手、中堅もしっかり活躍してくれたレースでした」と松村康平監督。前半から「攻めるオーダー」を組み、「後半耐えるプラン」の中で奮闘したメンバー全員を称えた。
1区を担ったのが東京世界選手権マラソン代表・近藤亮太。「攻め」の象徴として送り込まれた26歳が、その期待に応える。終盤に集団から一気に抜け出す力強いスパートで、区間賞をつかんだ。
2区で山下一貴が8位に順位を落としたが、3区・吉岡遼人が区間トップの力走で3位まで巻き返す。
4区以降は混戦の首位争いを戦い抜いた。4区のキプラガット・エマヌエルが3位をキープ。5区・定方俊樹は1つ順位を落としたが、トップとの差は26秒から7秒に縮めた。6区・守屋和希が区間賞の快走で、首位を奪還する。
そしてアンカー・小林大晟がクラフティア、黒崎播磨と三つ巴の熱戦を演じた。帝京大卒のルーキーは「先輩たちがトップで持ってきてくださったので、そのタスキをトップのまま持ってくることが僕の役割」。相手の様子をうかがい、残り1kmあたりで満を持してスパートし、Vテープを切った。
MHPS時代の16年、17年に連覇しており、現チーム名になってからは初の九州制覇となる。10月のシカゴ・マラソンを走った井上大仁、林田洋翔らも控えており、「この流れのまま優勝を狙って勝負したい」と松村監督は言葉に力を込める。
ニューイヤー駅伝の最高成績は19年の2位。17年の4位から今年の7位までの間、入賞を逃したのは20年(17位)の1度だけだが、なかなか初の駅伝日本一の座に届かない。
マラソン部を掲げ、世界に選手を送り出しつつ、個を結集させる駅伝にも力を注いできた。その伝統を担う小林も、「チームの最終目標がニューイヤー優勝。そこに貢献できる走りができるようにしたい」と口元を引き締めていた。
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