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2025.09.06

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七種競技アナ・ホール「表彰台の頂点に立ちたい」世界記録は「最も難しいものの一つ」/東京世界陸上
七種競技アナ・ホール「表彰台の頂点に立ちたい」世界記録は「最も難しいものの一つ」/東京世界陸上

調整に臨むアナ・ホール

女子七種競技で世界歴代2位タイの7032点を持つアナ・ホール(米国)が9月6日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。

早くから期待を集めてきたが、21年の東京五輪トライアルだった全米選手権で足首を痛めて途中棄権。その後復帰すると、22年オレゴンで銅メダル、前回ブダペストで銀メダルを獲得しているホール。だが、昨年1月に左膝を手術。驚異的な回復で、6月の全米選手権を制し、五輪に出場。パリ本番では5位と力を発揮できなかった。だが、今年は世界歴代2位となる7032点をマーク。いよいよ世界一を取ろうとしている。

「とてもワクワクしています。コンディションもすごく良くて、力もみなぎっています。神のご加護のもと、健康な状態で世界選手権に参加できることに興奮しています。日本はかなり暖かいですが、私が住んでいるフロリダと気候がすごく似ています。ですから、他の選手より有利になるかもしれません」

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昨年のケガもあり、今季は様子を見ながらのスタートだったが、コンディションに問題はないという。

「ケガをしてから復帰するまで、本当に一生懸命戦いました。それには長い時間がかかりました。年が明けてから、ゆっくりと準備を進めました。2月に室内の競技会に出場(60mハードルと走幅跳)に出場しましたが、まだ時間が必要だと感じてトレーニングに充てました。シーズンインは不安もありましたが、膝の調子は良くて痛みもありませんでした。その後、メディカルチェックでとても良いスコアが出て自分でも驚きました。それは精神的な安定をもたらしました」

メラニー・ウェルシー・コーチも「状態は非常に良いです。今年の目標は、世界選手権に健康な状態で出場することでした。それは達成できそうです。ここ数年、ケガが多かったですが、ここまで来られれば、素晴らしい活躍を見せてくれるでしょう」と太鼓判を押す。

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世界歴代2位タイまで来たホール。七種競技は2日間、走・跳・投のポイントで争う。1日目に100mハードル、走高跳、砲丸投、200m、2日目に走幅跳、やり投、800mを戦い、勝者は「クイーン・オブ・アスリート」として称えられる。

ホールは100mハードルは12秒75、走高跳1m95、走幅跳6m61、800mは2分01秒23、200m22秒88など、自己記録を持っている。それぞれ日本記録とも遜色ない記録だ。それでも、伝説の記録でもある米国の大先輩ジャッキー・ジョイナー・カーシーの世界記録7291点(1988年)とは差がある。

「これまでの自分の成長曲線には本当に驚いていますし、これからも記録を積み重ねていきます。ただ、ジャッキーの世界記録にはまだまだ遠いでしょう。ジャッキーの記録は陸上競技において最も難しい記録だと思っています。もちろん、記録の順位が上がることを願っています。とにかく、自分のスコア(得点)を少しずつ上げていくことです」

ウェルシー・コーチは「ジャッキーは素晴らしい指導者であり、私の親友でもあります。彼女に記録に敬意を表したい。更新できれば良いですが、ホールは初めて7000点を超えたところ。まだ若いですから見守っていきたい。もちろん、間違いなくその目標に向かって進んでいます」

東京世界選手権では悲願の世界一へ。

「目標はただ、戦うこと。表彰台の頂点に立つために、私は一生懸命戦うつもりです。それには、大きな記録が必要になることはわかっています。大事なのは特定の記録を追いかけるよりも順位です。だから、私の目標は、『全力を尽くして戦うこと』だけです。ぜひ、会場に来て、大きな声で応援してください。私たちが手拍子を求めたら、一緒に手拍子をしてください。素晴らしいパフォーマンスをお届けできることを願っています」

東京世界選手権は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に開催される。ホールが出場する女子七種競技は19日、20日の2日間にわたって行われる。

女子七種競技で世界歴代2位タイの7032点を持つアナ・ホール(米国)が9月6日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。 早くから期待を集めてきたが、21年の東京五輪トライアルだった全米選手権で足首を痛めて途中棄権。その後復帰すると、22年オレゴンで銅メダル、前回ブダペストで銀メダルを獲得しているホール。だが、昨年1月に左膝を手術。驚異的な回復で、6月の全米選手権を制し、五輪に出場。パリ本番では5位と力を発揮できなかった。だが、今年は世界歴代2位となる7032点をマーク。いよいよ世界一を取ろうとしている。 「とてもワクワクしています。コンディションもすごく良くて、力もみなぎっています。神のご加護のもと、健康な状態で世界選手権に参加できることに興奮しています。日本はかなり暖かいですが、私が住んでいるフロリダと気候がすごく似ています。ですから、他の選手より有利になるかもしれません」 昨年のケガもあり、今季は様子を見ながらのスタートだったが、コンディションに問題はないという。 「ケガをしてから復帰するまで、本当に一生懸命戦いました。それには長い時間がかかりました。年が明けてから、ゆっくりと準備を進めました。2月に室内の競技会に出場(60mハードルと走幅跳)に出場しましたが、まだ時間が必要だと感じてトレーニングに充てました。シーズンインは不安もありましたが、膝の調子は良くて痛みもありませんでした。その後、メディカルチェックでとても良いスコアが出て自分でも驚きました。それは精神的な安定をもたらしました」 メラニー・ウェルシー・コーチも「状態は非常に良いです。今年の目標は、世界選手権に健康な状態で出場することでした。それは達成できそうです。ここ数年、ケガが多かったですが、ここまで来られれば、素晴らしい活躍を見せてくれるでしょう」と太鼓判を押す。 世界歴代2位タイまで来たホール。七種競技は2日間、走・跳・投のポイントで争う。1日目に100mハードル、走高跳、砲丸投、200m、2日目に走幅跳、やり投、800mを戦い、勝者は「クイーン・オブ・アスリート」として称えられる。 ホールは100mハードルは12秒75、走高跳1m95、走幅跳6m61、800mは2分01秒23、200m22秒88など、自己記録を持っている。それぞれ日本記録とも遜色ない記録だ。それでも、伝説の記録でもある米国の大先輩ジャッキー・ジョイナー・カーシーの世界記録7291点(1988年)とは差がある。 「これまでの自分の成長曲線には本当に驚いていますし、これからも記録を積み重ねていきます。ただ、ジャッキーの世界記録にはまだまだ遠いでしょう。ジャッキーの記録は陸上競技において最も難しい記録だと思っています。もちろん、記録の順位が上がることを願っています。とにかく、自分のスコア(得点)を少しずつ上げていくことです」 ウェルシー・コーチは「ジャッキーは素晴らしい指導者であり、私の親友でもあります。彼女に記録に敬意を表したい。更新できれば良いですが、ホールは初めて7000点を超えたところ。まだ若いですから見守っていきたい。もちろん、間違いなくその目標に向かって進んでいます」 東京世界選手権では悲願の世界一へ。 「目標はただ、戦うこと。表彰台の頂点に立つために、私は一生懸命戦うつもりです。それには、大きな記録が必要になることはわかっています。大事なのは特定の記録を追いかけるよりも順位です。だから、私の目標は、『全力を尽くして戦うこと』だけです。ぜひ、会場に来て、大きな声で応援してください。私たちが手拍子を求めたら、一緒に手拍子をしてください。素晴らしいパフォーマンスをお届けできることを願っています」 東京世界選手権は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に開催される。ホールが出場する女子七種競技は19日、20日の2日間にわたって行われる。

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