◇アジア選手権(5月27日~5月31日/韓国・クミ)
2年に一度開かれるアジア選手権から日本選手団が帰国し、メディアの取材に応じた。
女子400mをセカンドベストの52秒17で制し、今大会の日本勢金メダル「第1号」となった松本奈菜子(東邦銀行)は、「自分の中で自身になるレースだった」と笑顔で振り返った。
決勝は外側の選手が松本のレーンに走り込むアクシデントがあったが、「コーナーを抜けて思い切りいきたかったけど、落ち着いて対応できた」。それでも、最後の直線で一気に突き抜け、そのままチームの先輩である千葉麻美(旧姓・丹野)がナチュリル所属だった2009年以来16年ぶりの同種目アジア制覇を果たした。
ただ、タイムについては5月3日の静岡国際で日本歴代2位の52秒14や51秒台に届かず、「第3コーナーをいい感じに抜けてこられていたので、(アクシデントは)ちょっと惜しかったかな」と苦笑いが浮かぶ。
静岡・清水南中では800mで全中優勝を飾り、浜松市立高では2年時に世界ユース選手権メドレーリレー銅メダル、3年時には400mで日本選手権優勝、アジア大会4×400mリレー銅メダルなど、輝かしい足跡を刻んだ。
筑波大を経て、東邦銀行に入社。その間、思うような結果を出せず、指導を受けた川本和久監督が22年に他界するなど、順風満帆な道のりではない。それでも、22年に混合4×400mリレーでシニア初の世界大会となるオレゴン世界選手権に出場すると、昨年は自己ベストを52秒29へと短縮するなど歩みを止めていない。
一昨年、昨年とケガが続いたが、「左脚が流れてしまっていた」動きを、姿勢や歩きから改善。地面からの反発をしっかりともらえる動きを一から作り上げ、今年は室内シーズンで2月(53秒41)、3月(53秒15)とショートトラック日本新を連発、屋外に入ってからも好調を維持している。
「これまでリレーでしか世界には出られていない。個人で世界と戦いたい」という強い思いが、松本を突き動かす。そこには、「これまで指導していただいた先生方が常に世界に目を向けてくださり、世界と戦う楽しさを教えてくださった」ことが根底にある。そして、常に世界に目を向けて戦ってきた今のチームの基盤が、“結果”を出すことの大切さを教えてくれた。
「これまで勝負ごとに対しては苦手意識がすごくあったのですが、実業団選手は結果が大事。それをチームのたくさんの方々が教えてくださった、本当に周りのみなさんのお陰が大きい」
数々のキャリアを積み重ねてきた28歳。個人で世界の舞台に立つ日が、近づいてきた。
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