2025.05.19

広島インターハイ(7月25日~29日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。東京都大会は5月4日、10~11日、17~18日の5日間、駒沢オリンピック公園競技場(4日はハンマー投のみ、国士大)で行われ、各種目で好記録が生まれた。
男子トラック種目では、最終日の110mハードルで高校記録(13秒59)保持者の古賀ジェレミー(3年)が激走。予選で13秒89(+0.7)の大会新をマークすると、準決勝の13秒90(-2.4)を経て、決勝では自身の持つ高校記録に並ぶ13秒59(+0.3)を叩き出した。
2月に左膝を痛め、ハードル練習を開始したのは、今大会の1週間ほど前という。「思った以上の結果が出て自分の中でも少しビックリしています」と話していた。
見応えたっぷりの高速バトルが演じられたのは、前週に行われた男子4×100mリレーだった。タイムレースで行われた10日の予選では、明星学園が40秒79、東京が40秒82、八王子が40秒95と3校が40秒台をマーク。翌11日の決勝ではさらに高水準のレースとなり、優勝した明星学園が40秒37、2位の東京が40秒48で、ともに従来の大会記録(40秒50)を更新し、3位・明大中野も40秒78で続いた。
明星学園の2走・櫛野カリック(2年)は「みんなで大会新を出すと決めていましたが、ここまでタイムが出るとは思っていなかったのでびっくりです」と目を丸くする。アンカーを務めた昨年は南関東大会7位で全国に一歩届かず、この日も100mで惜しくも2位。それだけにこのレースに賭けるに思いは強かった。メンバーで唯一の3年生・小泉優星は「レース前から今日はバトンの感触が良いとみんなで話していて、ベストのパフォーマンスができました」と満足げな表情。「今後は1人1人がもっとタイムを上げて、39秒台を出せるようにがんばります」と力強く語った。
東京は予選、決勝と1走に古賀を起用したが、わずかに明星学園に及ばなかった。
男子トラックではこのほか、100mは10秒46を持つ大坂千広(明大中野3)が10秒66(-0.8)で快勝。400mは昨年のインターハイで8位に入賞した小澤耀平(城西3)が47秒19で2連覇を飾った。
3人が52秒台の熱戦となった400mハードルは、織田大輔(日大櫻丘3)が51秒台に迫る52秒09の自己ベストで貫録勝ち。5000m競歩で昨年インターハイ7位の井上隼太朗(東京3)は、12年ぶりの大会新記録となる20分58秒86。2位に1分以上の差をつける盤石の2連覇だった。4×400mリレーは、堀越が3分14秒01で2位・八王子、3位・明大八王子に競り勝った。
男子フィールド種目は、走高跳の星海成(板橋2)が大幅自己新となる2m07で快勝。砲丸投の福宮佳潤(東京2)も4月にマークした自己記録を99cm更新する16m13をプットし、14年ぶりの大会新で制した。八種競技の手島敬汰(東京3)は高校記録(6264点)保持者の高橋諒(桐朋/現・慶大)が持つ大会記録には37点届かなかったものの、5665点の好パフォーマンスで危なげなく2連覇を達成した。
女子では、スプリント2種目と4×100mリレーでケリー瑛梨花(東京3)が大車輪の活躍を見せた。11日の100m決勝は、予選、準決勝に続いて唯一の11秒台となる11秒96(+1.4)で快勝。その後の4×100mリレーもアンカーとしてチームを2年ぶりの優勝に導いた。18日には200mを24秒78(-0.5)で制して3冠を達成した。
ほかには、円盤投で村山ジョイ希望(東京)が43m35の大会新記録で1年生優勝。関杏奈(東京3)が39m39で続き、東京勢がワン・ツー。三段跳では酒井珂璃那(八王子)が12m23で大会記録を3cm更新して2年生V。七種競技の髙橋怜美(明大八王子)は安定したパフォーマンスで4571点をマークし、初優勝を遂げた。
学校対抗は東京が男女ともに総合優勝に輝いた。2位の八王子に26点差をつける115点を積み上げた男子は、110mハードルや砲丸投、八種競技で優勝を含む、複数入賞。福宮が原田颯輔(3年)とともに2位と3位を占めた円盤投でも高得点を獲得した。女子は20種目中16種目で得点を重ね、62点の2位・駒大高を大きく上回る138.5点で圧勝した。
南関東大会は6月13日から4日間、栃木・カンセキスタジアムとちぎで行われる。
文/小野哲史
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