HOME 国内

2025.02.15

4大会ぶりV狙う山西利和「次のステップに進みたい」自己新と世界陸上内定狙う/日本選手権20km競歩
4大会ぶりV狙う山西利和「次のステップに進みたい」自己新と世界陸上内定狙う/日本選手権20km競歩

愛知製鋼の山西利和

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース)

東京世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権20km競歩が行われる。大会を前日に控え、有力選手が会見に登壇した。

19年ドーハ、22年オレゴンと2大会連続で世界選手権を制している山西利和(愛知製鋼)。前回は人生初の失格に終わり、パリ五輪を逃していた。京大を卒業し、実業団として競技を続ける以上、代表入りは最低限だと心に刻んでいた。そのため、レース後は『引退』の2文字も頭をかすめていた。

広告の下にコンテンツが続きます

だが、山西は歩き続けた。

今回は、過去の日本選手権とは「違う」心持ちで挑む。以前は「失ったら終わりだと思っていた」が、前回敗れ「失ってしまって、ここからだと思っています。違うフェース、違う区切りの中でやっている。この1回1回、1日1日、1年1年、この一回きりの勝負味わうことができたらいい」。

初めて海外転戦をし、その中で以前から交流のあったマッシモ・スタノ(イタリア)との合同練習も実現した。この冬にはスタノも来日。「リズム、技術、そして日々の会話やコミュニケーションでの考え方や感覚を垣間見ることができました。それに単純に強い。貴重な経験で、大きな財産になります」。

新たな経験をしたことで自身の可能性について「なんとなく、まだ行けちゃうだろうなとポジティブに捉えています。自己ベスト(1時間17分15秒=19年)を出してから時間が経つので、いろいろ経験できたので、そろそろ次のステップに進みたい」。

中底~厚底シューズが主流になり、山西もまた履いている。「全体のレベルが上がっている」。自分がどういう記録を出せるかは「正直、わからない」と言うが「世界記録(1時間16分36秒)が一つの目安になる」と鈴木雄介の世界記録更新も見据えつつ、近い将来、世界記録も「1時間15分台になる」。

昨年10月の全日本競歩高畠大会では1時間17分56秒をマークし、日本陸連が定める東京世界選手権の派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破しているため、3位以内に入れば代表をほぼ確実にするが、目標はただ一つ。「タイムは展開次第ですが、まずは順位。優勝と世界選手権を目指したい」。

4大会ぶりの優勝と世界選手権代表へ。元世界王者が、強みと凄みを増して新たな姿を見せそうだ。

東京世界選手権の代表枠は3。今大会で日本陸連が定める派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破して優勝した選手が1名内定。選考条件で次に優先されるのは「日本選手権3位以内で有効期間内に派遣設定記録を満たした競技者」と記載されているため、事実上の一発選考となる。

男子は8時50分、女子は9時10分にスタートする。

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース) 東京世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権20km競歩が行われる。大会を前日に控え、有力選手が会見に登壇した。 19年ドーハ、22年オレゴンと2大会連続で世界選手権を制している山西利和(愛知製鋼)。前回は人生初の失格に終わり、パリ五輪を逃していた。京大を卒業し、実業団として競技を続ける以上、代表入りは最低限だと心に刻んでいた。そのため、レース後は『引退』の2文字も頭をかすめていた。 だが、山西は歩き続けた。 今回は、過去の日本選手権とは「違う」心持ちで挑む。以前は「失ったら終わりだと思っていた」が、前回敗れ「失ってしまって、ここからだと思っています。違うフェース、違う区切りの中でやっている。この1回1回、1日1日、1年1年、この一回きりの勝負味わうことができたらいい」。 初めて海外転戦をし、その中で以前から交流のあったマッシモ・スタノ(イタリア)との合同練習も実現した。この冬にはスタノも来日。「リズム、技術、そして日々の会話やコミュニケーションでの考え方や感覚を垣間見ることができました。それに単純に強い。貴重な経験で、大きな財産になります」。 新たな経験をしたことで自身の可能性について「なんとなく、まだ行けちゃうだろうなとポジティブに捉えています。自己ベスト(1時間17分15秒=19年)を出してから時間が経つので、いろいろ経験できたので、そろそろ次のステップに進みたい」。 中底~厚底シューズが主流になり、山西もまた履いている。「全体のレベルが上がっている」。自分がどういう記録を出せるかは「正直、わからない」と言うが「世界記録(1時間16分36秒)が一つの目安になる」と鈴木雄介の世界記録更新も見据えつつ、近い将来、世界記録も「1時間15分台になる」。 昨年10月の全日本競歩高畠大会では1時間17分56秒をマークし、日本陸連が定める東京世界選手権の派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破しているため、3位以内に入れば代表をほぼ確実にするが、目標はただ一つ。「タイムは展開次第ですが、まずは順位。優勝と世界選手権を目指したい」。 4大会ぶりの優勝と世界選手権代表へ。元世界王者が、強みと凄みを増して新たな姿を見せそうだ。 東京世界選手権の代表枠は3。今大会で日本陸連が定める派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破して優勝した選手が1名内定。選考条件で次に優先されるのは「日本選手権3位以内で有効期間内に派遣設定記録を満たした競技者」と記載されているため、事実上の一発選考となる。 男子は8時50分、女子は9時10分にスタートする。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

NEWS 26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

2025.12.18

26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]

NEWS 中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

2025.12.18

中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

第102回箱根駅伝で30年ぶりとなる総合優勝を狙う中大が12月18日、東京・八王子市の多摩キャンパスで合同取材を開いた。 主将の吉居駿恭(4年)は「昨年の11月中旬くらいに(総合優勝の)目標を立てました。昨年の全日本の結 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top