HOME 編集部コラム

2025.02.15

編集部コラム「青が散る」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

広告の下にコンテンツが続きます

第277回「青が散る(向永拓史)

日本選手権20km競歩の様子(2024年)

就職活動をしている時に作文を見てくれた先輩に言われた一言がすごくうれしかった。

「宮本輝みたいですね」

広告の下にコンテンツが続きます

恐れ多すぎるけど、そんなふうに感じてくれたようでした。宮本輝さんは、私が一番好きな小説家。兵庫県神戸市のご出身で、芥川賞、太宰治賞など受賞歴を挙げれば切りがない。日本最高峰の作家なのです。代表作は「流転の海」シリーズ、“河三部作”と言われる「螢川」「道頓堀川」「泥の河」、さらに「優駿」「錦繍」など数知れず。国内での知名度やスター性のなさは、過小評価されていて、海外でも高く評価されています。

さてさて、私が最初に出合った作品が「青が散る」。志望していなかった大学に入るかどうか迷っている若人が、かわいこちゃんに一目惚れして入学を決め、そこからの4年間を描いた青春小説です。大学が楽しくなかった時に読んで、「自分もこんな青春が来たらいいな」と踏みとどまれたのです。

宮本輝さんの主要作品は学生時代に読みあさりました。その宮本輝さんの“師匠”から言われたのがこんなアドバイスだったそうです。

「雨が降ったら『雨が降った』と書きなさい。難しいことを難しく表現しているうちは、まだまだ至らない」

これは自分が文章を書くときにすごく大事にしていることです。

時は経ち、こちらもまたすごく尊敬しているスポーツライターである、増島みどりさんと一緒にお仕事させていただくこともあり、今でもかわいがっていただいています。増島さんもこんなふうにおっしゃっていました。

「小中学生でも読める文章を書く」

私の書く記事が、読む方にとっては「幼稚」と捉えられているかもしれませんが、今後も変わらず誰でも読めるような文章を書きたいと思っています。

明日から、宮本輝さんのふるさとである兵庫県神戸市へ。地名を目にすると、「あぁ、あの作品に出てきたところだ」と思い巡らせています。

昨年、池田向希選手の素晴らしい歩きを目の前で観られたあの場所へ。世界新は観ていないので、私の人生史上、最も速く歩く人間を観ました。一生忘れません。戦い続けているうちは信じて待ちたい。

いろんな思いを抱いて今年も神戸に向かいます。

向永拓史(むかえ・ひろし)
月刊陸上競技編集部 中堅(?)編集部員 月陸Onlineディレクター(って?)
1983年8月30日生まれ。16★cm、58kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔してサッカー少年に転向。2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。せっかく一時は痩せたのに、最近はサボり気味。来年の東京世界陸上800m(メディアレース)のため、2025年は再びトレーニングを再開するかもしれない。

過去の編集部コラムはこちら

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第277回「青が散る(向永拓史)

[caption id="attachment_161828" align="alignnone" width="800"] 日本選手権20km競歩の様子(2024年)[/caption] 就職活動をしている時に作文を見てくれた先輩に言われた一言がすごくうれしかった。 「宮本輝みたいですね」 恐れ多すぎるけど、そんなふうに感じてくれたようでした。宮本輝さんは、私が一番好きな小説家。兵庫県神戸市のご出身で、芥川賞、太宰治賞など受賞歴を挙げれば切りがない。日本最高峰の作家なのです。代表作は「流転の海」シリーズ、“河三部作”と言われる「螢川」「道頓堀川」「泥の河」、さらに「優駿」「錦繍」など数知れず。国内での知名度やスター性のなさは、過小評価されていて、海外でも高く評価されています。 さてさて、私が最初に出合った作品が「青が散る」。志望していなかった大学に入るかどうか迷っている若人が、かわいこちゃんに一目惚れして入学を決め、そこからの4年間を描いた青春小説です。大学が楽しくなかった時に読んで、「自分もこんな青春が来たらいいな」と踏みとどまれたのです。 宮本輝さんの主要作品は学生時代に読みあさりました。その宮本輝さんの“師匠”から言われたのがこんなアドバイスだったそうです。 「雨が降ったら『雨が降った』と書きなさい。難しいことを難しく表現しているうちは、まだまだ至らない」 これは自分が文章を書くときにすごく大事にしていることです。 時は経ち、こちらもまたすごく尊敬しているスポーツライターである、増島みどりさんと一緒にお仕事させていただくこともあり、今でもかわいがっていただいています。増島さんもこんなふうにおっしゃっていました。 「小中学生でも読める文章を書く」 私の書く記事が、読む方にとっては「幼稚」と捉えられているかもしれませんが、今後も変わらず誰でも読めるような文章を書きたいと思っています。 明日から、宮本輝さんのふるさとである兵庫県神戸市へ。地名を目にすると、「あぁ、あの作品に出てきたところだ」と思い巡らせています。 昨年、池田向希選手の素晴らしい歩きを目の前で観られたあの場所へ。世界新は観ていないので、私の人生史上、最も速く歩く人間を観ました。一生忘れません。戦い続けているうちは信じて待ちたい。 いろんな思いを抱いて今年も神戸に向かいます。
向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 中堅(?)編集部員 月陸Onlineディレクター(って?) 1983年8月30日生まれ。16★cm、58kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔してサッカー少年に転向。2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。せっかく一時は痩せたのに、最近はサボり気味。来年の東京世界陸上800m(メディアレース)のため、2025年は再びトレーニングを再開するかもしれない。
過去の編集部コラムはこちら

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.18

400m・中島佑気ジョセフが日本勢34年ぶり決勝! 200m・鵜澤飛羽、井戸アビゲイル風果が準決勝に登場/東京世界陸上DAY6イブニングみどころ

◇東京世界陸上(9月13日〜21日/国立競技場)6日目 大会も後半戦を迎える東京世界陸上。日本男子短距離界に新たな歴史が生まれようとしている。 男子400m決勝に中島佑気ジョセフ(富士通)が挑む。予選で44秒44の日本記 […]

NEWS 最速王者も“10秒チャージ” 森永製菓が16万個以上の商品提供で東京世界陸上の参加選手を“応援チュウ!”

2025.09.18

最速王者も“10秒チャージ” 森永製菓が16万個以上の商品提供で東京世界陸上の参加選手を“応援チュウ!”

東京世界陸上オフィシャルサポーターの森永製菓は、9月13日から開催されている同大会の参加アスリートに「inゼリー」、「inバー」、「ハイチュウ」など日本生まれの栄養補助食品やお菓子を無償で提供しているが、その数量が16万 […]

NEWS 35km競歩金のダンフィー 20km競歩棄権表明「出場できないのは残念だが、レースには応援に行くつもり」/東京世界陸上

2025.09.18

35km競歩金のダンフィー 20km競歩棄権表明「出場できないのは残念だが、レースには応援に行くつもり」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場) 9月18日、東京世界陸上初日の男子35km競歩で金メダルを獲得したエヴァン・ダンフィー(カナダ)が、自身のSNSを更新し、8日目(20日)の20km競歩を棄権することを発 […]

NEWS DAY6イブニングセッションのチケット完売 残りのイブニングセッションも完売間近/東京世界陸上

2025.09.18

DAY6イブニングセッションのチケット完売 残りのイブニングセッションも完売間近/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京2025世界陸上財団は9月18日、大会6日目のイブニングセッションのチケットが完売したと発表した。13日のDAY1、14日のDAY2のイブニングセッションに続く […]

NEWS 川上勇士が富士山GXに入社 東海大などで活躍「チーム・会社に貢献できるように頑張る」

2025.09.18

川上勇士が富士山GXに入社 東海大などで活躍「チーム・会社に貢献できるように頑張る」

富士山GXは9月18日、川上勇士が9月16日付で入社・入部したと発表した。 千葉県出身の川上は鎌ケ谷中時代に、全中やジュニア五輪に出場。市船橋高では全国高校駅伝で1年時に5区、2年時には4区3位となっている。 進学した東 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top