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2020.11.08

PlayBack箱根駅伝2010/往路を制した東洋大が圧勝で2連覇
PlayBack箱根駅伝2010/往路を制した東洋大が圧勝で2連覇

第86回箱根駅伝/総合連覇を達成した東洋大。柏原竜二(右端)が圧巻の5区区間賞

平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は東洋大が2連覇を果たした第86回大会(2010年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?

4区までは明大が独走。予選会最速通過の駒大は往路8位から2位までジャンプアップ

関東学連選抜チームが前回9位に入ったことと、同3位の日体大に部内の不祥事があったことにより、シード校は8校へ削減。予選会からは史上最速タイムをマークした駒大を含む11チームが本戦出場を果たした。

86回大会は前回初優勝を果たした東洋大、同2位だった早大、出雲&全日本の両駅伝を制した日大、予選会最速通過の駒大らが優勝候補に挙げられていた。

1区は序盤からやや速い展開となり、12km過ぎには7チームまで絞られた。18km過ぎの六郷橋の上りでスパートをかけた北條尚(4年)が明大勢49年ぶりとなる鶴見中継所トップ通過を果たした。13秒遅れで早大が2位でタスキを渡し、以下は専大、関東学連選抜、東洋大と続いた。駒大は先頭から約3分遅れの18位と厳しい出足となった。

2区では明大が首位を疾走する後方で、各校のエースたちが快走を見せた。区間賞は前回驚異の20人抜きを見せた日大のギタウ・ダニエル(4年)。この年も13位からの11人抜きを見せた。日本人トップの区間2位は東海大のルーキー・村澤明伸で、こちらも14位から4位までジャンプアップした。

明大は2区の石川卓哉(4年)が区間6位、3区の鎧坂哲也(2年)が区間3位、4区の安田昌倫が区間賞と安定したタスキリレーで首位を独走し、4区終了時で2位の日体大に2分39秒もの大差をつけた。

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5区では前年に引き続き、東洋大の柏原竜二(2年)が圧巻の走りを披露。自身の持つ区間記録を10秒更新し、7位から6人を抜いて2年連続で往路優勝のフィニッシュテープを切った。3分36秒差で2位に山梨学大、さらに37秒差で日体大が続き、明大は6位、駒大は8位、日大は13位と出遅れた。

2年連続で5区の逆転劇を演じた東洋大の柏原竜二。区間新の快走で前年に続く大会MVPを受賞した

復路は東洋大の独壇場だった。6区こそ2位の山梨学大に46秒詰められたものの、7区の田中貴章(2年)が区間賞、8区の千葉優(3年)が区間2位と好走し、この時点で後続との差は5分以上。9区と10区も危なげなく進め、2年連続2回目の総合優勝を飾った。

総合2位は、往路8位から猛烈な追い上げを見せ、復路優勝を手にした駒大。3位に山梨学大、4位に中大と続き、東農大が14年ぶりシードとなる5位に食い込んだ。

また、6位の城西大は前回途中棄権の悪夢を乗り越え、初のシード権獲得。8位の青学大も41年ぶりにシード圏内でフィニッシュした。

上武大は過去最高の14位となり、10区の福島弘将(4年)はチーム初となる区間賞を獲得。大会MVPは2年連続で5区区間賞の柏原が受賞した。

<人物Close-up>
宇賀地強(駒大4年)
「花の2区」。各校のエースが集い、序盤の流れを大きく左右する重要区間だ。「平成の常勝軍団」と言われた駒大において、この2区を4年間務めた男がいる。それが宇賀地強だ。1年目は区間13位と振るわなかったものの、2年目は区間5位でチームの総合優勝に貢献。3年目は区間4位で11人抜き、4年目は区間3位で5人抜きと、まさにエースの走りを見せた。そのほかにも、4年目は出雲駅伝3区、全日本大学駅伝2区で区間賞を獲得している。卒業後はコニカミノルタへ入社し、2013年のモスクワ世界選手権10000mに出場するなど日本代表として活躍。2019年4月からは所属先のプレイングコーチに就任し、2020年1月のヒューストン・ハーフマラソン(米国)では女子長距離の第一人者・新谷仁美(積水化学)のペースメーカーを担い、日本記録樹立をアシストした。

<総合成績>
1位 東洋大学   11.10.13(往路1位、復路2位)
2位 駒澤大学   11.13.59(往路8位、復路1位)
3位 山梨学院大学 11.15.46(往路2位、復路2位)
4位 中央大学   11.16.00(往路4位、復路4位)
5位 東京農業大学 11.16.42(往路5位、復路5位)
6位 城西大学   11.17.53(往路10位、復路3位)
7位 早稲田大学  11.20.04(往路7位、復路10位)
8位 青山学院大学 11.21.25(往路9位、復路11位)
9位 日本体育大学 11.21.45(往路3位、復路17位)
10位 明治大学   11.21.57(往路6位、復路14位)
========シード権ライン=========
11位 帝京大学   11.24.52(往路15位、復路6位)
12位 東海大学   11.25.46(往路12位、復路12位)
13位 中央学院大学 11.26.41(往路16位、復路8位)
14位 上武大学   11.28.14(往路14位、復路13位)
15位 日本大学   11.28.48(往路13位、復路16位)
16位 関東学連選抜 11.29.37(往路11位、復路19位)
17位 専修大学   11.29.51(往路17位、復路15位)
18位 大東文化大学 11.32.53(往路20位、復路9位)
19位 法政大学   11.33.22(往路18位、復路18位)
20位 亜細亜大学  11.41.07(往路19位、復路20位)

<区間賞>
1区(21.4km)北條 尚(明 大4)  1.02.27
2区(23.2km)G.ダニエル(日 大4) 1.07.37
3区(21.5km)野口拓也(日体大3)  1.02.46
4区(18.5km)安田昌倫(明 大4)   55.57
5区(23.4km)柏原竜二(東洋大2)  1.17.08=区間新
6区(20.8km)千葉健太(駒 大1)  59.44
7区(21.3km)田中貴章(東洋大2)  1.04.56
8区(21.5km)木之下翔太(中央学大4)1.06.55
9区(23.2km)高林祐介(駒 大4)  1.10.19
10区(23.1km)福島弘将(上武大4) 1.10.54

平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は東洋大が2連覇を果たした第86回大会(2010年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?

4区までは明大が独走。予選会最速通過の駒大は往路8位から2位までジャンプアップ

関東学連選抜チームが前回9位に入ったことと、同3位の日体大に部内の不祥事があったことにより、シード校は8校へ削減。予選会からは史上最速タイムをマークした駒大を含む11チームが本戦出場を果たした。 86回大会は前回初優勝を果たした東洋大、同2位だった早大、出雲&全日本の両駅伝を制した日大、予選会最速通過の駒大らが優勝候補に挙げられていた。 1区は序盤からやや速い展開となり、12km過ぎには7チームまで絞られた。18km過ぎの六郷橋の上りでスパートをかけた北條尚(4年)が明大勢49年ぶりとなる鶴見中継所トップ通過を果たした。13秒遅れで早大が2位でタスキを渡し、以下は専大、関東学連選抜、東洋大と続いた。駒大は先頭から約3分遅れの18位と厳しい出足となった。 2区では明大が首位を疾走する後方で、各校のエースたちが快走を見せた。区間賞は前回驚異の20人抜きを見せた日大のギタウ・ダニエル(4年)。この年も13位からの11人抜きを見せた。日本人トップの区間2位は東海大のルーキー・村澤明伸で、こちらも14位から4位までジャンプアップした。 明大は2区の石川卓哉(4年)が区間6位、3区の鎧坂哲也(2年)が区間3位、4区の安田昌倫が区間賞と安定したタスキリレーで首位を独走し、4区終了時で2位の日体大に2分39秒もの大差をつけた。 5区では前年に引き続き、東洋大の柏原竜二(2年)が圧巻の走りを披露。自身の持つ区間記録を10秒更新し、7位から6人を抜いて2年連続で往路優勝のフィニッシュテープを切った。3分36秒差で2位に山梨学大、さらに37秒差で日体大が続き、明大は6位、駒大は8位、日大は13位と出遅れた。 2年連続で5区の逆転劇を演じた東洋大の柏原竜二。区間新の快走で前年に続く大会MVPを受賞した 復路は東洋大の独壇場だった。6区こそ2位の山梨学大に46秒詰められたものの、7区の田中貴章(2年)が区間賞、8区の千葉優(3年)が区間2位と好走し、この時点で後続との差は5分以上。9区と10区も危なげなく進め、2年連続2回目の総合優勝を飾った。 総合2位は、往路8位から猛烈な追い上げを見せ、復路優勝を手にした駒大。3位に山梨学大、4位に中大と続き、東農大が14年ぶりシードとなる5位に食い込んだ。 また、6位の城西大は前回途中棄権の悪夢を乗り越え、初のシード権獲得。8位の青学大も41年ぶりにシード圏内でフィニッシュした。 上武大は過去最高の14位となり、10区の福島弘将(4年)はチーム初となる区間賞を獲得。大会MVPは2年連続で5区区間賞の柏原が受賞した。 <人物Close-up> 宇賀地強(駒大4年) 「花の2区」。各校のエースが集い、序盤の流れを大きく左右する重要区間だ。「平成の常勝軍団」と言われた駒大において、この2区を4年間務めた男がいる。それが宇賀地強だ。1年目は区間13位と振るわなかったものの、2年目は区間5位でチームの総合優勝に貢献。3年目は区間4位で11人抜き、4年目は区間3位で5人抜きと、まさにエースの走りを見せた。そのほかにも、4年目は出雲駅伝3区、全日本大学駅伝2区で区間賞を獲得している。卒業後はコニカミノルタへ入社し、2013年のモスクワ世界選手権10000mに出場するなど日本代表として活躍。2019年4月からは所属先のプレイングコーチに就任し、2020年1月のヒューストン・ハーフマラソン(米国)では女子長距離の第一人者・新谷仁美(積水化学)のペースメーカーを担い、日本記録樹立をアシストした。 <総合成績> 1位 東洋大学   11.10.13(往路1位、復路2位) 2位 駒澤大学   11.13.59(往路8位、復路1位) 3位 山梨学院大学 11.15.46(往路2位、復路2位) 4位 中央大学   11.16.00(往路4位、復路4位) 5位 東京農業大学 11.16.42(往路5位、復路5位) 6位 城西大学   11.17.53(往路10位、復路3位) 7位 早稲田大学  11.20.04(往路7位、復路10位) 8位 青山学院大学 11.21.25(往路9位、復路11位) 9位 日本体育大学 11.21.45(往路3位、復路17位) 10位 明治大学   11.21.57(往路6位、復路14位) ========シード権ライン========= 11位 帝京大学   11.24.52(往路15位、復路6位) 12位 東海大学   11.25.46(往路12位、復路12位) 13位 中央学院大学 11.26.41(往路16位、復路8位) 14位 上武大学   11.28.14(往路14位、復路13位) 15位 日本大学   11.28.48(往路13位、復路16位) 16位 関東学連選抜 11.29.37(往路11位、復路19位) 17位 専修大学   11.29.51(往路17位、復路15位) 18位 大東文化大学 11.32.53(往路20位、復路9位) 19位 法政大学   11.33.22(往路18位、復路18位) 20位 亜細亜大学  11.41.07(往路19位、復路20位) <区間賞> 1区(21.4km)北條 尚(明 大4)  1.02.27 2区(23.2km)G.ダニエル(日 大4) 1.07.37 3区(21.5km)野口拓也(日体大3)  1.02.46 4区(18.5km)安田昌倫(明 大4)   55.57 5区(23.4km)柏原竜二(東洋大2)  1.17.08=区間新 6区(20.8km)千葉健太(駒 大1)  59.44 7区(21.3km)田中貴章(東洋大2)  1.04.56 8区(21.5km)木之下翔太(中央学大4)1.06.55 9区(23.2km)高林祐介(駒 大4)  1.10.19 10区(23.1km)福島弘将(上武大4) 1.10.54

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