2025.01.12
オリンピックの花形である陸上競技! 球技に比べると、すこーし“地味”な印象があるかもしれない……。しかし、中高生合わせて、なんと約30万人以上が「陸部」なんです。
実は芸能界で活躍するあの人も、この人も、結構、陸上経験者が多いらしい……。そんな「元陸部」の方々へのインタビュー企画! きつかった練習は!? 楽しかった思い出は!? 陸上を通して学んだことは!?

『仮面ライダーガッチャード』のラケシス役で一躍注目を集めた坂巻有紗さん。演技だけでなく、写真集の発売、モデルとしての活動、さらには歌手デビューを果たすなど、勢いに乗っている。「精神的にも体力的にも、今につながっています」と語る陸上部時代の思い出を聞きました!
強肩を見出されつけられた異名が「所沢の強肩」
――中学時代に陸上をされていたそうですね!
坂巻 ガッツリ3年間やっていました。砲丸投をした時は『所沢の強肩』『所沢の星』と言われていたんです!
――すごい肩書きですね! 幼い頃から運動をされていたのですか。
坂巻 身体を動かすのは好きでした。習い事はピアノや塾だったのですが、自然がたっぷりの所沢育ちなので、休日には父とサイクリングに行くなどしていました。元気はつらつで、トンボやザリガニを捕まえたり、野原を駆け回ったりしていましたね。両親に「日焼け止めを塗りなさい!」とよく怒られたのですが、ベタベタ感が苦手で…。お陰で日焼けし放題でした。
――運動神経は?
坂巻 足は速いほうで、運動会のリレーの選手にもなっていました。球技も含めて、運動は何でも好きでした。
――陸上に触れたきかっけを教えてください。
坂巻 小学校5、6年生の時に、早大の陸上競技場で大会があるからリレーに出よう、となったのがきっかけでした。初めてトラック(オールウェザー)で走って「こんなに走りやすいんだ! 楽しい!」って思ったのを覚えています。それに、バトンをつなぐ感動も味わいました。それで、中学でも陸上部に入ったんです。
――中学の陸上部はどんな雰囲気でしたか。
坂巻 強豪というわけではなくて、明るい雰囲気でした。先生も怖くなかったです。同級生は女子7人くらいだったのですが、1つ上は十数人、1つ下の後輩も20人くらいいたと思います。
――最初から「強肩」を生かしていたのでしょうか。
坂巻 最初は短距離をやっていてたのですが、1つ上の先輩から「ジャンプ力があるから走幅跳をやってみたら?」と勧められました。ロイター板を使って跳んでみたら、その時の浮遊感がすごくて、のめり込みました。記録は5mくらいだったと思います。
――そこからどうして砲丸投に…?
坂巻 走幅跳の砂場と砲丸投の練習場所が近くだったのですが、休憩中にちょっと興味が湧いて投げてみたんです。そうしたら結構、飛んでしまって…。先生から所沢市の大会に出てみようって言われました。
砲丸投で初めて出た大会で、他校の投てき専門の先生から「この子はポテンシャルがすごい」「才能がある」と言ってくれて、合同練習会に呼んでくださったんです。瞬発力や、身体の捻りが良かったみたいです。グライド投法など、イチから教えてくださいました。
2年生の時に一度だけ砲丸投で県の新人大会に出場したのですが、砲丸投専門の選手ばかりで、すごく肩身が狭かったです。
私はやっぱり走幅跳がやりたかったので、試合に出たのはそれだけです。走幅跳と同時に出るのは体力的にも、集中力的にもきつかったので、一つに絞りました。
――そのままいっていれば、『所沢の強肩』の名をほしいままにしていたかもしれませんね! 走幅跳の魅力は?
坂巻 助走して踏み切った時に、良い跳躍ができたかどうかすぐにわかるんです。景色や滞空時間も違います。先輩のまねをして、跳び方を反り跳びから脚を回すスタイルに変えると記録が伸びて。本当に好きでした。
『仮面ライダーガッチャード』のラケシス役で一躍注目を集めた坂巻有紗さん。演技だけでなく、写真集の発売、モデルとしての活動、さらには歌手デビューを果たすなど、勢いに乗っている。「精神的にも体力的にも、今につながっています」と語る陸上部時代の思い出を聞きました!
強肩を見出されつけられた異名が「所沢の強肩」
――中学時代に陸上をされていたそうですね! 坂巻 ガッツリ3年間やっていました。砲丸投をした時は『所沢の強肩』『所沢の星』と言われていたんです! ――すごい肩書きですね! 幼い頃から運動をされていたのですか。 坂巻 身体を動かすのは好きでした。習い事はピアノや塾だったのですが、自然がたっぷりの所沢育ちなので、休日には父とサイクリングに行くなどしていました。元気はつらつで、トンボやザリガニを捕まえたり、野原を駆け回ったりしていましたね。両親に「日焼け止めを塗りなさい!」とよく怒られたのですが、ベタベタ感が苦手で…。お陰で日焼けし放題でした。 [caption id="attachment_159287" align="alignnone" width="800"]
陸上部時代を振り返る坂巻有紗さん[/caption]
――運動神経は?
坂巻 足は速いほうで、運動会のリレーの選手にもなっていました。球技も含めて、運動は何でも好きでした。
――陸上に触れたきかっけを教えてください。
坂巻 小学校5、6年生の時に、早大の陸上競技場で大会があるからリレーに出よう、となったのがきっかけでした。初めてトラック(オールウェザー)で走って「こんなに走りやすいんだ! 楽しい!」って思ったのを覚えています。それに、バトンをつなぐ感動も味わいました。それで、中学でも陸上部に入ったんです。
――中学の陸上部はどんな雰囲気でしたか。
坂巻 強豪というわけではなくて、明るい雰囲気でした。先生も怖くなかったです。同級生は女子7人くらいだったのですが、1つ上は十数人、1つ下の後輩も20人くらいいたと思います。
――最初から「強肩」を生かしていたのでしょうか。
坂巻 最初は短距離をやっていてたのですが、1つ上の先輩から「ジャンプ力があるから走幅跳をやってみたら?」と勧められました。ロイター板を使って跳んでみたら、その時の浮遊感がすごくて、のめり込みました。記録は5mくらいだったと思います。
――そこからどうして砲丸投に…?
坂巻 走幅跳の砂場と砲丸投の練習場所が近くだったのですが、休憩中にちょっと興味が湧いて投げてみたんです。そうしたら結構、飛んでしまって…。先生から所沢市の大会に出てみようって言われました。
砲丸投で初めて出た大会で、他校の投てき専門の先生から「この子はポテンシャルがすごい」「才能がある」と言ってくれて、合同練習会に呼んでくださったんです。瞬発力や、身体の捻りが良かったみたいです。グライド投法など、イチから教えてくださいました。
2年生の時に一度だけ砲丸投で県の新人大会に出場したのですが、砲丸投専門の選手ばかりで、すごく肩身が狭かったです。
私はやっぱり走幅跳がやりたかったので、試合に出たのはそれだけです。走幅跳と同時に出るのは体力的にも、集中力的にもきつかったので、一つに絞りました。
――そのままいっていれば、『所沢の強肩』の名をほしいままにしていたかもしれませんね! 走幅跳の魅力は?
坂巻 助走して踏み切った時に、良い跳躍ができたかどうかすぐにわかるんです。景色や滞空時間も違います。先輩のまねをして、跳び方を反り跳びから脚を回すスタイルに変えると記録が伸びて。本当に好きでした。
ライバルで友の部長と県大会へ
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月陸を見ながら自分の中学時代を思い出す[/caption]
――好きだった練習や、大変だったメニューは覚えていますか。
坂巻 楽しかったのはスキップやラダーなど、ステップの練習です。やっぱり弾むのが得意だったので。助走ではリズム感も大事なのですが、あまり苦労しなかったです。技術練習も好きで、脚が流れないようにすることや、地面をつかむようにするのを意識していました。
朝練習が毎日あって、ちゃんと行っていたのですが、今でも忘れられないのは、毎週水曜日の朝練です。近所は坂道が多いのですが、坂の全力ダッシュを十数本もやりました。それはきつかったですね…。
――隠れて練習したり…。
坂巻 していましたね。どうせやるなら一生懸命やって楽しみたかったので、自分なりに追い込んでいました。自主練習で走り込みをしていました。
――印象に残ってる試合は?
坂巻 中2の市大会で、すごく調子が良くて1位の記録を跳べた!と思ったら、審判の先生が「髪の毛がついたからここだよ」って3位になってしまいました。見た目ではわからなかったのですごく悔しかったです。しかも、その先生が実は砲丸投に誘ってくれた方なんです(笑)
――それは、砲丸投をさせるために仕掛けたのかもしれませんね(笑)。3年間通して、思い出に残っていることは何ですか。
坂巻 やっぱり部長との思い出が一番です。その子は走高跳をしていたのですが、いつも2人で県大会に行って、互いの種目を応援し合っていました。良きライバルであり、仲間であり。部長はストイックでまじめ。練習メニューも立てていたのですが自分にも仲間にも厳しかったです。私が副部長で、悪いなと思いながら、他の部員の愚痴を聞く役でした。部長は仕切らないといけないので、厳しい立ち回りを買ってでてくれていました。今も仲良しなんです!
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身振り手振りで競技について語る[/caption]
――それだけのめり込んでいた陸上。高校では続けなかったのですか。
坂巻 中3の最後の大会の前に肉離れをしたんです。体育の授業で走幅跳をやる時間があって、教える時にかっこつけてやる気満々で跳んだら、やってしまいました…。踏み切った瞬間に右の太腿をケガしたのがすぐにわかりました。プライドが邪魔したんです。
病院では「今後も陸上を続けたいなら最後の大会は出ないほうがいい」と言われました。私は陸上が大好きだったし、続けるつもりだったので最後の大会を出ないという選択をして、基礎的な筋力トレーニングなどをしながら、試合でもみんなのサポートに回ったんです。
受験までの間も練習こそしていませんでしたが、陸上は続ける気でいました。でも、引退してからも脚は痛くて、完治まで時間がかかりました。高校に入った時も陸上をやる気満々だったんです! でも、高校生になってから体験入部に行ってもやっぱり痛くて。それに、結構強いチームだったので中学とは違う雰囲気に圧倒されてしまいました。そのタイミングで、ソフトボール部に熱心に誘われて、その熱意に負けました。
肺気胸で運動ができなかったからこそ…
――それだけの運動少女が芸能活動を始めたきっかけを教えてください。 坂巻 ソフトボールを始めてすぐに、肺気胸になってしまいました。突然、息苦しくなって。父もなったことがあって遺伝のようです。穴も大きかったので内視鏡手術をしました。運動再開は2年生の時でした。それまで体育テストでも1番だったのに、気胸の後は3位になってしまいました。 スポーツが好きで生きてきたのに、できなくなった時に「何ができるんだろう」って自分探しが始まりました。もともと、小さい時から「テニミュ」(『テニスの王子様』のミュージカル)など2.5次元が好きなのもあって、芸能に興味があったんです。ただ、父が厳格な人なのでなかなか、きっかけがありませんでした。 [caption id="attachment_159281" align="alignnone" width="800"]
運動ができなくなった時に芸能活動への覚悟を決めた[/caption]
――それこそスカウトなどいろいろ来ていたのでは?
小学校の時など、ありがたいことに声をかけてもらうことも多かったですが、名刺をいただいてもすぐに父の手に渡っていましたね(笑)。「勉強しなさい」と育てられたので、結構頑張っていたのですが、内緒でいろいろ応募して、モデルやSNS発信などから始めました。いろいろ決まりだしてから父に話したら「それだけの気持ちでやっているなら頑張ってみたら」と応援してくれました。
――2018年に『今日、好きになりました。』(AbemaTV)に出演され、2020年から今の事務所に所属されました。
坂巻 好きな映画に『罪の余白』という作品があるのですが、大塚祐吉監督のワークショップに参加した時に紹介してくだったのが今の事務所です。
――23年9月から1年間、『仮面ライダーガッチャード』のラケシス役で一躍、注目を集められました。
坂巻 アクションシーンもたくさんあったのですが、そこはもう、自信があったので(笑)。剣さばきなど、「戦っている感じが出るから」とあまり練習せずに、その場で演じたのですが、アクション監督からも「覚えが早い」と褒めていただきました。仮面ライダーに出演したことで、お芝居の楽しさをすごく感じました。元々、高校時代にディベート大会に参加していたように、何かを表現したり、伝えたりするのが好きだったんです。
――23年には3本の映画にご出演されましたし、演技はもちろんですが、モデルとしの活躍や1st写真集『私を見て…』を発売、さらにソロ歌手として『素直にI Love youを』(配信リリース)で歌手デビューと、マルチにご活躍されています。今後、やってみたいお仕事は?
坂巻 一番はお芝居に力を入れたいのですが、歌はこれまでも自分で練習していたので、これからは作詞にも挑戦していきたいと思っています。『SASUKE』も出てみたいです! 今年の春には東映特撮ファンクラブで配信される仮面ライダーガッチャードのスピンオフ『冥黒の黙示録 ラケシス』で主演をすることになりました。ラケシスの誕生秘話などが描かれる“エピソード・ゼロ”。ファンの方には楽しんでいただけると思います。
――地元、所沢市の観光大使にも就任されていますね。
坂巻 所沢、大好きなので自分からアピールしていました。自然がいっぱいで、人がとても温かいんです。オススメのスポットは「ところざわサクラタウン」です。KADOKAWAさんの施設で、紅白歌合戦でYOASOBIさんが歌唱されて話題になった本棚の空間や、美術館など芸術を感じられます。
――お仕事をされる中で、陸上の経験が生かされることはありますか。
坂巻 やっぱり忍耐力です。自分を追い込むことが苦ではないので、そういう精神力は、陸上をやっていてよかったなって思います。陸上競技は「自を超えていく」のが大事だと思うのですが、今、お仕事で忙しくてもどんとこいで、「その先にいる自分が見てみたい」と思えて頑張れます。
――最後に、陸上や部活を頑張っている人たちへメッセージをお願いします。
坂巻 目標を持って頑張っていれば、必ず将来の自分のためになると思います! あともう一つ言えるのは、楽しんでほしいなって。やっぱり楽しむのは大事ですし、楽しむためにも一生懸命やっていました。全力でやれば楽しいですし、自信がつきました。みなさんも全力で楽しんでください!
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陸上部時代を振り返る坂巻有紗さん[/caption]
構成/向永拓史
| さかまき・ありさ/2000年9月23日生まれ、24歳。埼玉県所沢市出身。中学時代に陸上部に所属し、走幅跳や砲丸投で県大会に出場した。高校生の時に芸能活動をスタート。2020年からクイーンズカンパニーに所属し、2023年は『仮面ライダーガッチャード』のラケシスを演じて注目を集める。同10月には配信リリース『素直にI Love youを』で歌手デビュー。昨年8月には1st写真集『私を見て…』を発売。FANY :Dにて主演ドラマ『たまごの復讐』が配信中。東映特撮ファンクラブで今春に配信される『冥黒の黙示録 ラケシス』で主演を務める。 公式HP、X(Twitter)、Instagram、TikTok |
詳しくは月陸の公式X(Twitter)で情報をチェックしてください。
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