2024.12.25
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。
「まさに強くなる過程にいる」
昨年度の城西大は出雲駅伝2位、全日本大学駅伝5位、箱根駅伝3位と、三大駅伝でいずれも過去最高順位を残した。チームの主軸を担った強力な世代が卒業した今年度は、練習の状況やレースでの結果を見ながら、目標を流動的に設定していくスタイルを取った。
箱根が終わり、新チームが始動した時期に櫛部静二監督は「ひとまず箱根は最低限シード。出雲と全日本は10位以内」とし、年度初めには、目標を「3大駅伝7位以内」と上方修正。夏合宿を終えた後には、「出雲2位、全日本5位」と、さらに目標を引き上げて駅伝シーズンを迎えている。
常に右肩上がりの目標設定は、それだけチーム作りが順調、かつ、昨年度並みの順位を狙えるだけのチームになってきたと言えるのかもしれない。
上級生を中心に挑んだ2つの駅伝は、出雲が7位、全日本は6位と、結果的に目標には届かなかった。しかし、櫛部監督は全日本の直後、「少し前まではシードを取れば上出来でしたが、今回は6位でも選手たちから『悔しい』という言葉が最初に出てきました。チームが大きく成長している証ですし、今はまさに強くなる過程にいます」と、確かな手応えをつかんでいた。
その後、11月下旬から12月の上旬にかけての選抜合宿を経て、学生たちだけで掲げた箱根の目標は「4位」。それを聞いた櫛部監督は、「今の調子を考えて妥当とも思いましたが、それ以上の成績も十分に可能性があると踏んだので、私から括弧づけで『以上』を加え、『4位以上』を目指すことにしました」と言う。
10日のチームエントリーでは、1年時から2年連続2区と3区を担ってきた斎藤将也(3年)とヴィクター・キムタイ(同)、そして、今季は主将としてもチームを引っ張ってきた平林樹(4年)の“三本柱”など、主力として活躍してきた16人がほぼ順当に登録された。
なかでも櫛部監督が「エース」と考える斎藤は、「箱根駅伝のいろいろな記事を読みましたが、すべてにおいて『日本人エース』としか書かれていません。今回は真のエースになるために、ヴィクターよりも強さを見せていきたいです」と意気込んでいる。
他大学の選手ではなく、チームメイトのキムタイを意識するのは、「ヴィクターに勝てれば、学生トップを取れる」と思っているからだ。
実際、いずれも3区を担った出雲と全日本で、ともに2年連続区間賞を獲得。前回の箱根では3区区間3位で走ったキムタイは、いまや学生トップレベルの実力者といえる。同じ区間で競うことはできないが、同等以上の活躍ができれば、それは学生トップレベルの活躍に匹敵する可能性が高い。
「まさに強くなる過程にいる」
昨年度の城西大は出雲駅伝2位、全日本大学駅伝5位、箱根駅伝3位と、三大駅伝でいずれも過去最高順位を残した。チームの主軸を担った強力な世代が卒業した今年度は、練習の状況やレースでの結果を見ながら、目標を流動的に設定していくスタイルを取った。 箱根が終わり、新チームが始動した時期に櫛部静二監督は「ひとまず箱根は最低限シード。出雲と全日本は10位以内」とし、年度初めには、目標を「3大駅伝7位以内」と上方修正。夏合宿を終えた後には、「出雲2位、全日本5位」と、さらに目標を引き上げて駅伝シーズンを迎えている。 常に右肩上がりの目標設定は、それだけチーム作りが順調、かつ、昨年度並みの順位を狙えるだけのチームになってきたと言えるのかもしれない。 上級生を中心に挑んだ2つの駅伝は、出雲が7位、全日本は6位と、結果的に目標には届かなかった。しかし、櫛部監督は全日本の直後、「少し前まではシードを取れば上出来でしたが、今回は6位でも選手たちから『悔しい』という言葉が最初に出てきました。チームが大きく成長している証ですし、今はまさに強くなる過程にいます」と、確かな手応えをつかんでいた。 その後、11月下旬から12月の上旬にかけての選抜合宿を経て、学生たちだけで掲げた箱根の目標は「4位」。それを聞いた櫛部監督は、「今の調子を考えて妥当とも思いましたが、それ以上の成績も十分に可能性があると踏んだので、私から括弧づけで『以上』を加え、『4位以上』を目指すことにしました」と言う。 10日のチームエントリーでは、1年時から2年連続2区と3区を担ってきた斎藤将也(3年)とヴィクター・キムタイ(同)、そして、今季は主将としてもチームを引っ張ってきた平林樹(4年)の“三本柱”など、主力として活躍してきた16人がほぼ順当に登録された。 なかでも櫛部監督が「エース」と考える斎藤は、「箱根駅伝のいろいろな記事を読みましたが、すべてにおいて『日本人エース』としか書かれていません。今回は真のエースになるために、ヴィクターよりも強さを見せていきたいです」と意気込んでいる。 他大学の選手ではなく、チームメイトのキムタイを意識するのは、「ヴィクターに勝てれば、学生トップを取れる」と思っているからだ。 実際、いずれも3区を担った出雲と全日本で、ともに2年連続区間賞を獲得。前回の箱根では3区区間3位で走ったキムタイは、いまや学生トップレベルの実力者といえる。同じ区間で競うことはできないが、同等以上の活躍ができれば、それは学生トップレベルの活躍に匹敵する可能性が高い。主軸の成長と厚みを増す選手層
城西大は前々回と前回、山本唯翔(現・SUBARU)が2年連続区間新で区間賞に輝いた5区が大きなアドバンテージだった。その山本が卒業。新たな選手が担う山上りが課題となるが、斎藤が5区候補の1人に挙がる。2年前の激坂王決定戦・登りの部(13.5km)で、山本に1分近い差をつけて圧勝したのが当時1年生の斎藤だった。 自身は「上りの適性があるかはわかりません。ただ全力で駆け上っているだけ。全区間準備しているので、監督に言われたところを走るだけです」と話しながらも、「自分が1番強いと思っているので、自分の100%の走りができれば区間賞は行ける」と強気な姿勢を崩さない。 11月の八王子ロングディスタンス10000mで城西大日本人最高記録の27分45秒12をマークした斎藤が5区出走となれば、他大学の候補も含めて史上初めて27分台ランナーが山上りに挑むことになる。 [caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"]![](https://www.rikujyokyogi.co.jp/wp-content/uploads/2024/12/FN2_0321.jpg)
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.01.14
駿河台大の徳本一善駅伝監督が今年度いっぱいで退任 チームを2度箱根に導く
2025.01.14
創価大が来春入学の長距離10人を発表! 西脇工・衣川勇太、倉敷・大倉凰來ら
-
2025.01.13
-
2025.01.13
-
2025.01.13
-
2025.01.13
-
2025.01.13
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.12
2024.12.15
【大会結果】第32回全国中学校駅伝女子(2024年12月15日)
2024.12.15
【大会結果】第32回全国中学校駅伝男子(2024年12月15日)
-
2024.12.22
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.14
100m10秒11の西岡尚輝が筑波大に今春進学 昨年のインターハイ王者「大学で10秒を切ることが目標」
男子100mの西岡尚輝(東海大仰星高3大阪)が今春、筑波大に進学することが1月14日、わかった。 西岡は2年生だった2023年5月に10秒37(当時の高2歴代10位タイ)をマーク。3年生の昨年は、6月のU20日本選手権、 […]
2025.01.14
駿河台大の徳本一善駅伝監督が今年度いっぱいで退任 チームを2度箱根に導く
駿河台大駅伝部の監督を務めていた徳本一善氏が今年度いっぱいで退任することが、関係者への取材でわかった。 徳本氏は広島県出身の45歳。現役時代は中距離から長距離まで活躍し、法大時代には2年時に箱根駅伝1区で区間賞を獲得した […]
2025.01.14
創価大が来春入学の長距離10人を発表! 西脇工・衣川勇太、倉敷・大倉凰來ら
創価大駅伝部は1月13日、来春入学するマネージャーを含めた10人を発表した。 5000m14分台が8人で、持ち記録では衣川勇太(西脇工・兵庫)の14分10秒21が最速。3年間でインターハイの出場はなかったが、昨年12月の […]
2025.01.13
信櫻空がパナソニックを退部「ジャージに袖を通した時の喜びは今でも鮮明に」昨年のクイーンズ駅伝1区
パナソニックは1月12日付で信櫻空が退部したと発表した。 信櫻は地元神奈川出身の23歳。川崎橘高(神奈川)時代にはインターハイ1500m7位、3000m決勝進出、国体3000m5位など活躍し、2020年にパナソニックに入 […]
2025.01.13
ダイヤモンドアスリート中谷魁聖 2025年の目標はシニアの国際舞台「2m30跳びたい」
U20世代トップクラスの選手が対象の「U20オリンピック育成競技者研修合宿」が1月13日、東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで報道陣に公開された。 男子走高跳で2度高校記録を更新し、2m25まで伸ばした日本陸 […]
Latest Issue
最新号
![2025年2月号 (1月14日発売)](https://www.rikujyokyogi.co.jp/wp-content/uploads/2025/01/202502cover.jpg)
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝