HOME 国内、大学

2024.09.22

渕上翔太が殊勲の400mH1年生V!再びの48秒台で標準突破・井之上ら抑え「自信になりました」/日本IC
渕上翔太が殊勲の400mH1年生V!再びの48秒台で標準突破・井之上ら抑え「自信になりました」/日本IC

24年日本インカレ男子400mHに優勝した渕上翔太(早大)

◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)4日目

日本インカレの4日目が行われ、男子400mハードルは渕上翔太(早大)が48秒96で殊勲の1年生優勝を飾った。

驚きの記録ラッシュとなった前日の準決勝で、その口火を切ったのが2組の渕上。1996年に為末大が作り“不滅”と謳われたU20日本記録49秒09を28年ぶりに塗り替え、U20初の48秒台(48秒78)を突入を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

続く3組で、1着の井之上駿太(法大)が東京世界選手権参加標準記録を突破する日本歴代7位・学生歴代5位の48秒46をマークし、2着の渡邊侑(日体大)も日本歴代8位・学生歴代6位の48秒51。

そして、3着の下田隼人(東洋大)が48秒59と、渕上が出したばかりのU20日本記録を更新するU20世界歴代9位。だが、これで渕上は「モチベーションが高まりました」と燃えた。

5台目までは14歩で6レーンから冷静にレースを進め、13歩で先行する7レーンの井之上の背中を追う。そして、15歩になる後半で徐々に追い上げると、最終ハードルで逆転。井之上を0.12秒差で抑え、学生ナンバーワンの座をつかみ取った。

「優勝は狙っていましたが、まさか本当にできるとは思っていなかったので、とてもビックリ。素直にうれしいです」と笑顔をのぞかせた渕上。好条件に恵まれた準決勝とは一転、ホームストレートが強い向かい風となる中でも再び48秒台に突入し、「今年中に出せるとも思っていなかったタイム。もう1回出せたことはとても自身になりました」。

東福岡高時代もU18大会300mハードル優勝など実績を残してきたが、「前半にすべてを懸けるようなレースで、インターハイ(2位)など勝ち切れないことが多かった」と言う。大学に入って「400mをトータルで考えて最後のところで勝負」するレースプランに変更した。

4月のU20アジア選手権では優勝。6月のU20日本選手権では5位にとどまり、「今季の一番のピークと捉えていた」U20世界選手権代表入りを逃して「悔しい思いがありました」。それでも、先輩たちと戦う日本インカレをモチベーションに「ここまで頑張ってきました」。

大きな飛躍を遂げた秋をステップに、今年果たせなかった「世界」への思いが膨らむ。「目先の目標は東京世界陸上があって、一番はロサンゼルス五輪。そこでメダルを取りたい」と渕上は、力強く語った。

2位の井之上は「準決勝のダメージが少なからずありました」と唇を噛む。ラストは「ついていける脚がなかった」と振り返り、秋の残りレースに「まずはさらに記録を縮めていきたい」と前を向いた。

◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)4日目 日本インカレの4日目が行われ、男子400mハードルは渕上翔太(早大)が48秒96で殊勲の1年生優勝を飾った。 驚きの記録ラッシュとなった前日の準決勝で、その口火を切ったのが2組の渕上。1996年に為末大が作り“不滅”と謳われたU20日本記録49秒09を28年ぶりに塗り替え、U20初の48秒台(48秒78)を突入を果たした。 続く3組で、1着の井之上駿太(法大)が東京世界選手権参加標準記録を突破する日本歴代7位・学生歴代5位の48秒46をマークし、2着の渡邊侑(日体大)も日本歴代8位・学生歴代6位の48秒51。 そして、3着の下田隼人(東洋大)が48秒59と、渕上が出したばかりのU20日本記録を更新するU20世界歴代9位。だが、これで渕上は「モチベーションが高まりました」と燃えた。 5台目までは14歩で6レーンから冷静にレースを進め、13歩で先行する7レーンの井之上の背中を追う。そして、15歩になる後半で徐々に追い上げると、最終ハードルで逆転。井之上を0.12秒差で抑え、学生ナンバーワンの座をつかみ取った。 「優勝は狙っていましたが、まさか本当にできるとは思っていなかったので、とてもビックリ。素直にうれしいです」と笑顔をのぞかせた渕上。好条件に恵まれた準決勝とは一転、ホームストレートが強い向かい風となる中でも再び48秒台に突入し、「今年中に出せるとも思っていなかったタイム。もう1回出せたことはとても自身になりました」。 東福岡高時代もU18大会300mハードル優勝など実績を残してきたが、「前半にすべてを懸けるようなレースで、インターハイ(2位)など勝ち切れないことが多かった」と言う。大学に入って「400mをトータルで考えて最後のところで勝負」するレースプランに変更した。 4月のU20アジア選手権では優勝。6月のU20日本選手権では5位にとどまり、「今季の一番のピークと捉えていた」U20世界選手権代表入りを逃して「悔しい思いがありました」。それでも、先輩たちと戦う日本インカレをモチベーションに「ここまで頑張ってきました」。 大きな飛躍を遂げた秋をステップに、今年果たせなかった「世界」への思いが膨らむ。「目先の目標は東京世界陸上があって、一番はロサンゼルス五輪。そこでメダルを取りたい」と渕上は、力強く語った。 2位の井之上は「準決勝のダメージが少なからずありました」と唇を噛む。ラストは「ついていける脚がなかった」と振り返り、秋の残りレースに「まずはさらに記録を縮めていきたい」と前を向いた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

NEWS 26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

2025.12.18

26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]

NEWS 中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

2025.12.18

中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

第102回箱根駅伝で30年ぶりとなる総合優勝を狙う中大が12月18日、東京・八王子市の多摩キャンパスで合同取材を開いた。 主将の吉居駿恭(4年)は「昨年の11月中旬くらいに(総合優勝の)目標を立てました。昨年の全日本の結 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top