◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)6日目
パリ五輪・陸上競技の6日目のモーニングセッションに行われた男子やり投予選に出場したディーン元気(ミズノ)は82m48のシーズンベストを放ったものの、予選全体で13位。通過の12位まではあと43cmで涙をのんだ。
2012年ロンドン以来、3大会ぶりの五輪をつかみ取ったディーン。その目には光るものがあった。
「やれることはやったんで、もう少し投げられる準備はしましたが、本当にやり切りました。勝手に涙が出てきたんです。12年ぶりに立てた。ここまで長かったので」
勢いに乗って出たロンドンで9位。その際に脇腹を痛めた後は長く苦しんだ。所属先のミズノの協力を得て、試合から離れて治療に専念した時期もあった。2020年に不死鳥のごとく復活を遂げ、世界の舞台に戻ってきた
32歳。「やり投をしていて、痛くないことなんて少ないんです」。それでも、この大舞台で自己8番目のスローは「調整力の高さは自負しています。ベテランらしさかな」とおどけた。
「本当に思い切って競技ができたのは久しぶり」と悔しさと、充実感たっぷりに振り返ったディーン。「ロス(五輪)ももちろん目指していますよ」とニヤリ。「長くやってきて、やりを仲良くなりはじめている」と、まだまだ“元気いっぱい”で日本のやり投を盛り上げていきそうだ。
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