HOME 国内、日本代表、五輪
3大会ぶり五輪代表復帰のやり投・ディーン元気「世界のトップ8に残りたい」フィンランドで最終調整
3大会ぶり五輪代表復帰のやり投・ディーン元気「世界のトップ8に残りたい」フィンランドで最終調整

12年ロンドン大会以来3大会ぶりの五輪代表となったディーン元気

ミズノが7月11日、オンラインで会見を開き、パリ五輪代表に内定した男子やり投のディーン元気が報道陣の取材に応じた

陸上では史上初となる3大会ぶりという五輪代表復帰に「ホッとした気持ち」と語るディーン。また、最初の舞台だった2012年のロンドン大会でともに出場したチームメイトで同期の飯塚翔太と「一緒に代表になれることをうれしく思います」と笑顔を見せた。

早大3年時に初出場したロンドンでは、予選を2投でクリアし、日本勢28年ぶりの決勝進出。決勝は10位と入賞を逃したが、父の母国で見事なパフォーマンスを発揮した。

広告の下にコンテンツが続きます

だが、その直前から身体に不調があり、さらに決勝で脇腹を痛めたことに端を発し、ブロック脚の左足首をはじめ身体のあちらこちらにケガをして長いスランプに陥った。

それでも、「やりが好き」という気持ちと、チームをはじめ多くの支えの中で「先が見えない時期もあったけど、ポジティブな気持ちを持って、自信を持ってやることができました」とトンネルの先にある光を見続けて取り組んだ。

2020年にセカンドベストの84m05を放って復調を示すと、東京五輪はあと一歩で逃したものの、22年オレゴン、23年ブダペストと2大会連続で世界選手権出場。そして、ついに五輪の舞台に返り咲く。

「ロンドンの頃から時間が立ち過ぎて、別の選手として迎えている気持ち」と言うほど、やり投選手としては大きく様変わりした。ロンドン当時は「若さと勢い」で、持ち前の全身のバネと肩関節の可動域の柔らかさを生かした投げだった。

今は、「12年かけていろいろな角度からやり投と向き合ってきました」。身体の痛みの影響で以前の投げができなくなったが、その分「脚から投げる」基本をとことん追求。その結果、「脚を4割使えて腕が6割なら82m~83mは投げられる」技術へと積み上げた。

あとは、残り期間で「下半身6割にできれば84~85mはいける」という水準に仕上げること。そうすれば、再び決勝の舞台が見えてくる。6月末の日本選手権では3位にとどまったが、「腕を使った強引な投げになる傾向が続いていたこと」が原因。もう1度「下半身から投げる」動き作りを徹底し、2日前に海外の練習拠点であるフィンランドに渡って、最後の調整に入った。

「これまで、世界大会でトップ8に残ったことがないので、そこを狙いたい」と言葉に力を込めたディーン。12年の想いを乗せた一投を、放つ時がやってきた。

パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。

ミズノが7月11日、オンラインで会見を開き、パリ五輪代表に内定した男子やり投のディーン元気が報道陣の取材に応じた 陸上では史上初となる3大会ぶりという五輪代表復帰に「ホッとした気持ち」と語るディーン。また、最初の舞台だった2012年のロンドン大会でともに出場したチームメイトで同期の飯塚翔太と「一緒に代表になれることをうれしく思います」と笑顔を見せた。 早大3年時に初出場したロンドンでは、予選を2投でクリアし、日本勢28年ぶりの決勝進出。決勝は10位と入賞を逃したが、父の母国で見事なパフォーマンスを発揮した。 だが、その直前から身体に不調があり、さらに決勝で脇腹を痛めたことに端を発し、ブロック脚の左足首をはじめ身体のあちらこちらにケガをして長いスランプに陥った。 それでも、「やりが好き」という気持ちと、チームをはじめ多くの支えの中で「先が見えない時期もあったけど、ポジティブな気持ちを持って、自信を持ってやることができました」とトンネルの先にある光を見続けて取り組んだ。 2020年にセカンドベストの84m05を放って復調を示すと、東京五輪はあと一歩で逃したものの、22年オレゴン、23年ブダペストと2大会連続で世界選手権出場。そして、ついに五輪の舞台に返り咲く。 「ロンドンの頃から時間が立ち過ぎて、別の選手として迎えている気持ち」と言うほど、やり投選手としては大きく様変わりした。ロンドン当時は「若さと勢い」で、持ち前の全身のバネと肩関節の可動域の柔らかさを生かした投げだった。 今は、「12年かけていろいろな角度からやり投と向き合ってきました」。身体の痛みの影響で以前の投げができなくなったが、その分「脚から投げる」基本をとことん追求。その結果、「脚を4割使えて腕が6割なら82m~83mは投げられる」技術へと積み上げた。 あとは、残り期間で「下半身6割にできれば84~85mはいける」という水準に仕上げること。そうすれば、再び決勝の舞台が見えてくる。6月末の日本選手権では3位にとどまったが、「腕を使った強引な投げになる傾向が続いていたこと」が原因。もう1度「下半身から投げる」動き作りを徹底し、2日前に海外の練習拠点であるフィンランドに渡って、最後の調整に入った。 「これまで、世界大会でトップ8に残ったことがないので、そこを狙いたい」と言葉に力を込めたディーン。12年の想いを乗せた一投を、放つ時がやってきた。 パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.16

学法石川高コンビ快走 増子陽太5000m高校歴代3位の13分27秒26 栗村凌が歴代8位13分34秒38/日体大長距離競技会

第324回日本体育大学長距離競技会兼第18回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)が11月16日、神奈川県横浜市の同大学で行われ、NCG男子5000mで増子陽太(学法石川高3福島)が高校歴代3位、U […]

NEWS 東大阪大敬愛 久保凛で反撃し初Vで都大路 男子は西脇工が新妻兄弟で大逆転2連覇 須磨学園が地区代表/近畿高校駅伝

2025.11.16

東大阪大敬愛 久保凛で反撃し初Vで都大路 男子は西脇工が新妻兄弟で大逆転2連覇 須磨学園が地区代表/近畿高校駅伝

全国高校駅伝の地区代表出場権を懸けた近畿高校駅伝は11月16日、奈良県宇陀市近畿高校駅伝特設コースで行われ、男子(7区間42.195km)は西脇工(兵庫)が2時間6分41秒で2連覇、女子(5区間21.0975km)は東大 […]

NEWS 橋岡優輝が家族での初教室「楽しみながら陸上に触れて」

2025.11.16

橋岡優輝が家族での初教室「楽しみながら陸上に触れて」

男子走幅跳日本代表の橋岡優輝(富士通)の陸上教室「HASHIOKA RUNNING ACADEMY FOR KIDS」が11月16日に都内で開かれた。 小学生を対象に、「一番身近で強力な助っ人」(橋岡)として、男子棒高跳 […]

NEWS 鳥取城北2時間3分41秒の大会新 女子は倉敷4年ぶりV 地区代表は広島国際学院11年ぶり&世羅20年連続/中国高校駅伝

2025.11.16

鳥取城北2時間3分41秒の大会新 女子は倉敷4年ぶりV 地区代表は広島国際学院11年ぶり&世羅20年連続/中国高校駅伝

全国高校駅伝の地区代表出場権を懸けた中国高校駅伝は11月16日、広島県三次市のみよし運動公園陸上競技場を発着点するコースで行われ、男子(7区間42.195km)は鳥取城北(鳥取)が2時間3分41秒の大会新で制した。女子( […]

NEWS 熊橋弘将が2時間11分45秒で日本勢最高 女子は初マラソンの酒井心希が3位 MGC出場権獲得ならず/神戸マラソン

2025.11.16

熊橋弘将が2時間11分45秒で日本勢最高 女子は初マラソンの酒井心希が3位 MGC出場権獲得ならず/神戸マラソン

神戸マラソン2025が11月16日、兵庫・神戸市役所前をスタートし、明石市大蔵海岸付近を折り返して、神戸ハーバーランド(神戸ガス燈通り)をフィニッシュとする42.195kmで行われ、男子はエリシャ・ロティッチ(ケニア)が […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top