2024.05.30
女子10000m日本記録保持者でマラソン日本歴代3位の記録を持つ新谷仁美(積水化学)が、5月30日に都内で行われた契約するアディダスのシューズイベントに出席した。
今年3月の東京マラソンで2時間21分50秒をマークして日本人トップの6位。決して悪いタイムではないものの、日本記録(2時間18分59秒)の更新を目指していただけに悔し涙に暮れた。
かねてより、オリンピックや世界大会出場ではなく、日本記録更新を掲げて競技を続けている新谷。これまで「目標(の試合)を立てて、逆算して計画を立ててやってきた」が、「緊張感を持てる」一方で「ストレスになって悪いほうに影響する」ことも多かったという。
一度は現役を引退して復帰。東京五輪は10000mで出場した。翌22年に自身13年ぶりにマラソン挑戦すると、3月の東京で2時間21分17秒をマークし、夏のオレゴン世界選手権代表にもなった(体調不良で欠場)。昨年1月のヒューストンでは日本歴代2位となる2時間19分24秒で優勝。その後、ベルリン(2時間23分08秒で11位)、そして今年の東京も本調子とはいかず、「ごまかしながら練習してきたというのが、(コーチの)横田(真人)さんとの共通認識」だという
そのため、今は「マラソンで日本記録更新という目標は変えないですが、タイミングは決めていない。とはいっても、時間があるからのんびりしているのではないですが、まずはベースをしっかり作り直して再構築している」状態だと話す。
日本記録更新は「私が言い始めたことなので、自分で終わらせなきゃいけない」と強い決意をにじませる。マラソン再挑戦したことで、改めて「5000mや10000mと同じで、ごまかしがきかない。土台作りを徹底しないと距離を延ばすことができないと気づけた」という。アディダスや横田コーチをはじめとするスタッフ陣など、「私をサポートしてくれる人たちに形として返したいというのが一番の強い思い」だ。
来夏の東京世界選手権については暑さもあることから「パフォーマンスを考えるとデメリットがある。今のところマラソンではなく、トラックなら可能性があるかも」とし、マラソンについては「その次の五輪のほうが、と横田コーチらと話している」と40歳で迎えることになる2028年ロス五輪のほうが「現実的」と語った。
この日は普段から「ベースシューズはこれ一択」と言うほど愛用している「ADIZERO SL 2」が6月1日に発売されるのを前に、メディアや全国のショップスタッフが参加するイベント「adidas ADIZERO SL 2 ATHLETE SESSION」が開かれ、一緒に汗を流した。「シューズの魅力を共有できる楽しいイベントでした」と笑顔を見せる。
日常のジョグからクロカンコースまで「これ一足あれば大丈夫。安定感も高まって反発性も向上した」とコメント。進化し続けるシューズに「そのお陰で記録が出ているというのが最初の頃は受け入れられていなくて、自分が頑張っているのに、という反骨精神もありましたが、受け入れて、シューズとともに人間も進化していかなければ、ずっと『シューズのお陰』と言われ続けてしまう。シューズを生かすことが重要」と持論を展開した。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.27
-
2025.12.27
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.28
ミュンヘン五輪ハンマー投金メダルのボンダルチュク氏が死去 引退後はセディフ、カツバーグらを指導
男子ハンマー投のA.ボンダルチュク氏(ソ連/ウクライナ)が亡くなった。85歳だった。 ボンダルチュク氏は1972年のミュンヘン五輪の金メダリスト。1969年に当時の世界記録75m48を投げ、史上初めて75m台を記録した選 […]
2025.12.28
競歩指導者・内田隆幸氏が死去 愛知製鋼アドバイザリーコーチとして山西利和、丸尾知司を指導、日本代表ウォーカーを多数育成
競歩で数々の日本代表選手を育成した内田隆幸氏が12月26日に死去したことがわかった。享年80。28日に通夜、29日に告別式が行われるという。なお、死因は遺族の意向のより非公表。 内田氏は約40年も競歩の指導に尽力し、ジュ […]
2025.12.28
田中希実が埼玉・久喜の10kmロードで33分02秒!東京世界選手権など国内外で力走重ねた2025年レース納め
女子中長距離の田中希実(New Balance)が12月28日に埼玉県久喜市で行われたロードレース大会の10kmにオープン参加し、33分02秒をマークした。 12月6日のエディオンディスタンスチャレンジで3年8ヵ月ぶりに […]
2025.12.27
立命大の連覇か、城西大の2冠か、名城大の復権は!?今年最後の駅伝の行方を占う/富士山女子駅伝
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 大学女子2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が12月30日に行われる。優勝候補のチームをチェックしていく […]
2025.12.27
箱根駅伝Stories/初の総合優勝狙う國學院大 「堅実な駅伝をすれば勝機を見いだせる」 悲願達成へ“山攻略”を
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 スローガンに込めた想い 今季、國學院大が掲げたチームスローガンは『は […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
